Sakita Blog

1級建築士事務所Sakita Space Design主宰
崎田由紀のブログ。

2013年度2級建築士製図試験

2013-09-17 18:14:31 | 建築士試験
日曜日は2級建築士製図試験でした。受験されたみなさん、おつかれさまでした。

今年の課題は、
レストラン併用住宅 木造2階建て
ということで、木造課題では最も難しい併用住宅、、、といって講座では準備をして参りました。
あけてみると、2方向道路、やや東西に長く南北に短い敷地ということはありますが、想定範囲内のごく簡単な問題だったのではないでしょうか?
木造課題の場合、エスキスが難しいと作図に時間が取れずに未完成になる確率が多いのですが、今年はみんな描き上げられたと言って戻ってきてくれたことからも、全体的に完成率が高いことが予想されます。

今年は学科が、法規と施工が難しく、例年にない低合格率だったので、製図は簡単にしたのでしょうか???

ポイントは菜園がどこにくるのか?という点でしょうか。
ハーブや野菜を栽培するのですから、北側は大きな減点になるでしょう。
通常は道路幅員の広い方をレストラン入り口、狭い方を住宅入り口にするのが定石ですが、今回は駐車スペースが住宅用しかないので、北の広い道路から住宅アプローチ、西の狭い道路からレストランアプローチとしないと、なかなか動線がむつかしかったかもしれません。
しかしもうひとつの定石、レストランは交差点に、を優先していただければ、すんなりおさまったのではないでしょうか?

客席と屋外テラスが行き来できない、テラスと菜園が近接していない、などは大きな減点となるでしょう。
菜園の大きさ、24㎡、直径2.5mの円が入るスペース、なども大きな減点ポイントでしょう。
客室の6席の可動間仕切りによる個室化、
客席上部に子供室を設けない、
厨房上部に便所を設けない、
菜園用倉庫を外から利用できるようにする、
なども重要なポイントとなるでしょう。

エスキス例を作成してみました。

奥行き9P(8,190mm)タイプ
俗にいう「羊羹」タイプですので、平面図、伏図、立面図の作図が簡単です。
1)菜園は植物の育成に配慮して南に配置
2)住宅は交差点から離れた静かな東側、レストランは交差点に面して配置して集客性を考慮
3)レストランは北側道路と西側道路の両方からアプローチできるようにし、西側道路に面してカウンターを配置し、アピール。客席は下屋部分として生活音に配慮。
(画像はクリックで拡大します)
2013p

奥行き8P (7,280mm)タイプ
駐車スペースの南側に小さな下屋をつけて敷地を有効利用したタイプ。
1)菜園は南西の日当りがよく、かつ道路や屋外テラス、客室からもよく見える位置に配置し、メンテナンスのための通路も確保できる位置に計画
2)住宅は交差点から離れた静かな東側、居間食事室台所の南にはテラスと庭を設けて日照と快適性に配慮。レストランは交差点に面して配置して集客性を考慮
3)レストランの客席は交差点に面して配置し、道路に面してテラスを設けて気軽に立ち寄れる雰囲気を演出。厨房は南側の菜園や菜園用倉庫との動線に配慮。



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