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Sakita Blog

1級建築士事務所Sakita Space Design主宰
崎田由紀のブログ。

Oビルトイレリフォーム

2008-05-20 10:31:33 | 建築

デザイン設計したOビルトイレのリフォームが完成しました。
事務所として使っているため、浴室を撤去し、トイレを広くしました。
Rimg0096 入口から入ったところの写真です。左手に斜めに便器があります。奥左は手洗い器です。

(写真はクリックで拡大)

Rimg0002 元のトイレスペースがとても狭かったので、浴室、洗面所と一体化し、便器を斜めに配置しました。

既存の壁と45度で交差する新しい腰壁と棚が、不思議な空間を構成しています。



 

Rimg0003 Rimg0005 トイレ入口のドアは天井までとし、すっきりとまとめています。

実施設計・施工は、株式会社山義です。


2級建築士試験設計製図2007

2007-10-01 15:09:38 | 建築

9/16に2007年度の2級建築士設計製図試験が行われました。
私が講師を務めるSS学院でも速報がHPにアップされていますが、今年はまた一段と難しかった。。
7月に行われた学科試験も、難しくなり、H18年度の合格率37.3%から5.4ポイントダウンの31.9%でしたが、設計製図の合格ラインはどのくらいになるのでしょうか???
例年通りの基準だとすると、合格率がかなり低くなるのではないかと懸念されます。

本年度はさらに、要求図面の発表がなく、全ての図面の練習が必要でした。
開けてみれば、平面図、立面図、床伏図、矩計図と、H17年度同様の多量の作図量。
さらに店舗併用住宅ということでエスキースが難しく、さらにさらに、要求図書の特記事項には細かい什器の要求があり、、、と近年まれに見る高難易度課題でした。
9/23に私の指導していた受講生の方々の採点会がありましたが、例年なら絶対に合格できるであろうレベルの方々も、ギリギリ、あるいは残念な点数となり、「当確」は一人も出すことが出来ませんでした。

具体的な解答案については次の記事で。


アシタノイエ

2007-07-30 10:27:37 | 建築

0728gaikan7月28日、住居の会の見学会に参加し、
小泉雅生さんのご自邸「アシタノイエ」を拝見して参りました。
西側横浜市の方からのアプローチは、旗竿敷地になっていて、手前に隣地の空き地が広がっています。

0728south 南側から見るとわかるように、東側は川崎市の道路に面しているのですが、こちらの道路が約3メートルほど高くなっています。
2階の床面よりもさらに70センチぐらいでしょうか?高くなった屋根をルーフガーデンとして芝生がうえてありますが、この高さと川崎市側道路の高さがそろえてあります。そのため、地形に埋もれたよ
0728terrace うな印象を受けます。
川崎市側道路からみたところです。既存の楠がうっそうとしていて、緑に埋もれた感じです。


0728slope 1階のリビングから東側道路の方に延びるスロープです。
お子さんが滑り台として滑り降りてきそうな感じです。


0728hashira 構造は木造ですが、オーク構造設計さんが構造設計をしています。
普通木造軸組構造では、私たちは105角や120角の柱を使いますが、実際に計算をすると50角でいけるらしいのです。ただ、あまり細いと心細いということで60角を使用しているそうです。
細くするとどうしても座屈してしまうので、欄間を設けたり、所々座屈防止の横補剛をしています。また、ブレースは鉄筋のものが入っていますが、端部で接合するのに柱が細くて納まりが大変だったと言うお話です。端部は隠れてしまっているので、見えません。
0728zakutuまた、間柱についても、普通は計算に入れませんが、この住宅では間柱も計算に参加させているそうで、2×4材?がたくさん使用されていました。こちらも座屈しないように、水平方向につなぎをいれてあります。デザインとしても美しい。

0728horei 0728floor 実験的な試みも行われていて、床壁天井には断熱材の他に、保冷剤が敷き込まれています。26度以上で熱を吸収して蓄熱し、26度以下になった時に放熱するそうです。
フローリングも、床暖房の効率を高めるために厚さ3        ミリのものを使用しているそうです。

0728step1 0728innerterrace タイル張りのインナーテラスが空間にアクセントをつけています。
階段もとても軽やかで美しい。白いレースのタペストリーに天窓から注ぐ光がドラマチックです。

この住宅の2階は離れになっていて、それぞれに階段がついているため、階段が2つあります。一方はダイニングキッチンへつながり、もう一方は主寝室へつながります。
0728step2 2階の離れ2室はルーフガーデンでつながっているので、
お子さんは家の中をぐるぐると鬼ごっこしてまわれそうです。
普通の家なら階段がひとつなので、2階へ上がってしまったら追いつめられてしまいそうですが、階段がふたつあればぐるぐると一筆書きで回れます。1階もワンルーム状態になっているので、ぐるぐると回れるプランです。
階段の両脇に3つの子供室がリビングに面してあります。
リビングを通って個室に入るプラン。個室の仕切りは構造上座屈防止の目的で設けた欄間によって、光と空気がリビングつながっています。家族の気配が共有できる、まさに「頭のよい子が育つ家」「子どもがゆがまない間取り」になっています。笑。

※写真は千田昭子さん、石塚恭子さん、崎田の撮影のものが混ざっています。




改正基準法の講習会に参加してきました

2007-07-27 10:30:10 | 建築

晴海のトリトンで7/26に行われた建築士会主催の改正基準法講習会へ参加してきました。
電話帳のような資料をいただき、10時から16時半まで。。。音楽ホールの狭い椅子に一日拘束されるというのはなかなか辛いものがありました。

内容は前半が申請に関する部分で、大変参考になりました。
後半は構造に関することで、専門的なお話でなかなかつらいものがありましたが、
そもそもこの改正がなぜ起きたのか?
言わずとしれた姉歯、ヒューザー等の耐震偽装工作の事件がきっかけなわけです。

悪意があって改ざんするのはもってのほかですが、それ以外にもよくよく調べてみると、構造に対するチェック機能が機能していない、建築士も構造についてよくわかっていない、ということが明らかになり、それをなんとかするべく、構造について法的にチェックを強化するということのようで、
むつかしい、わからない、と言っていてはならないようです。。

ダブルチェックがかかる大規模建築物の申請はもとより、木造戸建てに至っても、改正後の1ヶ月でまだ30件程度の申請しかでていないようです。
差し替え不可等がやはりネックになって皆さん出し渋っているようです。
そのためか、都の建築担当の方々は「柔軟に対応しますので、勇気を持って申請してください。」とおっしゃってました?!

ところで、講習後の士会の方の最新情報、の方がインパクトが強かったです。
平成21年から建築士試験が大幅に見直され、受験資格審査も厳しくなり、今までのように建築系大学卒業だけではだめになって、構造1、構造2の単位の取得が義務づけられ、成績証明書の添付が必要になるかも、、、と。
土木、住居、デザイン系の学生はどうなるのか?
というようなこともおっしゃってました。
現行のシステムでの試験は来年までらしいので、
今年、来年受験のみなさまは、現行のうちに合格しておいた方がよさそうですよ~。
2級がどうなるかはわかりませんが、、
SS学院のみなさまも、是非今年のうちに合格してくださいねえ!

講師としても緊張しますが。。。

まあ、まだフィックスした話ではないと思いますけれど。。。

防衛施設庁補助住宅防音工事

2007-05-23 13:11:23 | 建築
町田市の築35年の木造2階建て住宅の、防音工事をしました。
これは厚木基地による騒音被害を防ぐために、防衛施設庁が指定した区域内の住宅を、補助金(税金)で防音工事するというもの。第1工法と第2工法があり、航空経路や基地との距離で分けられています。町田の住宅は第2工法で、サッシとエアコンを取り替え、換気扇をつけ、防音する部屋とそれ以外を仕切る木製建具を交換するだけだと思ったので気軽に応じたのですが、、、。国の税金で個人住宅の防音工事をするわけで、その審査に要する書類の多さにはびっくりしました。また、今まで積算という事をしたことがなく、工務店から出てくる見積書をチェックして、おかしい所を指摘するだけだったので、自ら部材を拾って積算するというのが、こんなにも大変であったか、と思い知りました。しかし、国で決められた金額がありますから、いったんフォームを作ってしまえば、次からは楽だと思います。今回は何もかも初めてだったので、大変でしたが。。。
私の事務所は昭島市ですので、厚木基地だけでなく横田基地で指定があった住宅の方、お施主さんに相談されている工務店の方、設計・申請承ります!!ご一報下さい。
実際の工事に関する写真はフォトアルバムをご覧ください。

第2工法で二人家族の都市型だとマックス330万円の支給があります。いかにもれなく請求して多くの補助金をゲットするかが設計の手腕の見せ所です。設計費用も国が負担してくれますので、安心です。
今回の事業では323万円の工事費を申請し、316万円の補助を受け、個人負担は約7万円でした。
もちろん、防衛庁の指定以外の工事をオプションでした場合、それらはすべて個人負担になります。今回はキッチンをリフォームしたり、床や天井を替えたり、雨漏りを修正したり、雨漏りの原因となる2階の雨戸を取り替えたりというオプション工事が100万円ほどかかりました。

しかし316万円をゲットできたとしても、実際の工務店さんはかなりきびしいようです。特に防音建具(室内木製建具)の積算金額が約27万円でしたが、建具屋さんから出て来た見積もりは38万円だったとかで、工務店さんは頭を抱えていました。
防衛施設庁は「公共事業ですから、過去の入札金額を参考に決められているので、それで受けてくれる業者がいるのだから」という説明です。思わず「大きなビルで何枚もの建具が納入される予定の事業で示された価格を、1戸で数枚の一般住宅の価格に当てはめたら、それは成立しないでしょう?手間もコストも搬入費用も、同じように考える事ができるとは思えない。一般住宅は一般住宅なりの価格を出してもらわないと、誰も受けてくれなくなりますよ!」と抗議したのですが、、、。担当の方には「私が価格を決めているわけではないし」と逃げられてしまいました。

確かに、基地とは何の関係もない所に住んでいる国民の方々からも、税金は徴収しているわけで、その貴重な税金を使うわけですから、お金の使い道にはきびしくあって欲しいとは思いますが、工事をする職人さんたちの善意に甘えた工事になってしまってはならないとも思うわけです。。

お施主さんがおっしゃった一言が全てを語っているのかもしれません。
「飛行機が飛ばなきゃ、別に防音工事なんて必要ないんだけどねえ、、」