とはずがたり

論文の紹介や日々感じたことをつづります

Why Test for Proportional Hazards?

2020-03-14 11:43:31 | その他
Cox proportional hazard modelはRCTにおける生存解析のスタンダードとされていますが、基本的にhazard ratio(HR)が常に一定であることを前提にしています。しかし実際には①はじめは有害事象発生率に有意差はないが、徐々に減少する例(スタチン治療群の心血管イベント JAMA. 1998;279(20):1615-1622)、②はじめはHRは高いがしばらくしてから改善していく例(大腸癌のスクリーニング群 JAMA. 2014;312(6):606-615)、③はじめはHRが高いが、その後低くなっていく例(WHIにおけるエストロゲン+プロゲステロン群の心血管イベントJAMA. 2002;288(3): 321-333)などがあり、HRが一定であることは通常ありません。特に③のような例ではリスクの高いヒトは早期にイベントを起こして脱落していくので、最後まで残った参加者は心血管イベントに抵抗性のヒトが多い可能性があります。したがって著者らはHRを示すときには、例えばRMST (restricted mean survival time) などから算出した効果も同時に示すべきであるとしています。 
Why Test for Proportional Hazards?
JAMA. Published online March 13, 2020. doi:10.1001/jama.2020.1267


最新の画像もっと見る

コメントを投稿