とはずがたり

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コロナ時代の臨床研究のあり方

2020-03-26 11:40:54 | 新型コロナウイルス(疫学他)
コロナウイルス禍が世界的な広がりを見せる中で、従来から行ってきた臨床試験をどのように進めていくかが問題になっています。特に欧米のように都市がlock downになっているような場所では難しい対応を迫られています。本来臨床研究(特にRCTなど)は、現在研究に参加している患者のためというよりは、未来の患者や社会に役に立つために行っているという意味合いが少なくないので、拙速な中止などによって試験全体を台無しにすることはなるべく避けるべきです。このJAMAのViewpointでは、コロナ時代の臨床研究の進め方についての有益なアドバイスが挙げられています。例えば①アウトカムに優先順位をつけて重要なprimary outcomeにしぼる、②対面でアウトカムを収集できない場合には代替方法を準備する、③遠隔でも電話や郵送で収集できるアウトカムは継続する等々です。特に③については自宅隔離されている場合には連絡がつきやすいというメリット(?)もありそうです。いずれにしても被験者やスタッフの安全を確保しつつ、浮足立つことなく未来に向けた臨床試験の形を模索していく必要があると思います。


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