週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
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棋聖の言葉

2012-12-18 23:02:07 | ひとりごと

「いかなる局面においても、『自分が絶対に正しい』と思ってはならない」

米長邦雄永世棋聖が著書で記された言葉です。

自分が正しいと思ってなければ、批判も非難も不平も不満も出てこないものだと思います。
もしかしたら米長永世棋聖は、その「正しさ」が持つ危うさを、将棋という静かな闘いの中で体感し、そして荒れ狂う心に言い聞かせ続けていたのではないでしょうか。

     

私がそんなことを思ったのは、『3月のライオン』というマンガの影響が多大にあります。

写真の最新刊の第8巻には、還暦を越えたタイトルホルダーの棋士が、永世の称号をかけたタイトル戦の最終局に挑む姿が描かれていました。

戦い続けるということは、炎に身を焼かれ続けるということだと老棋士は示します。
米長氏を彷彿とさせる絵の人物が、火だるまになりながらも、老いた身体を力ずくで動かしている様は、読み手の心を大きく揺さぶるものでした。

心より哀悼の意を表します。