週刊 最乗寺だより

小田原のほうではなく、横浜市都筑区にある浄土真宗本願寺派のお寺です。

勝田山 最乗寺
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七仏通誡偈 (前編)

2011-01-12 00:48:23 | 法話のようなもの

   (1月のお経の会の法話より・前編)


皆さん、「七仏通誡偈(しちぶつつうかいげ)」という偈文はご存知でしょうか?

たぶん聞きなれない言葉だと思いますので、まずは「七仏」から説明いたしましょう。

お釈迦さまは悟りを開かれて、この世で生きながらにして仏、つまり仏陀になられました。
そして、仏教の開祖として、後の世に広く知られる人物になりました。

しかし、それは歴史的な側面のとらえ方で、お釈迦さまの入滅後しばらくすると、仏教があまりに偉大な教えだったことから、仏教はお釈迦さま一代で作られたものではなく、それ以前のもっともっと昔に悟りを開かれた仏陀たちの功徳が、お釈迦さまの代で開花したという考え方が出てきます。

つまり、ここでいう七仏とは、お釈迦さま以前に、この世に現れたといわれている6人の仏陀と、お釈迦さまを含めた7人の仏陀のこと。
そして、その七人の仏陀が共通して説いた教えを一つにまとめたのが、この七仏通誡偈だということが、法句経などに納められています。

では、とりあえず、どのような偈文であるかと言いますと。

諸悪莫作 (しょあくまくさ) ― もろもろの悪を作すことなく
衆善奉行 (しゅうぜんぶぎょう) ― もろもろの善を行い
自浄其意 (じじょうごい) ― 自ら其の意(こころ)を浄くす
是諸仏教 (ぜしょぶつきょう) ― 是がもろもろの仏の教えなり

直訳すれば。

悪いことはするんじゃない
良いことをするのです
そして自分の心を綺麗にしましょう
これがあらゆる仏のみ教えです。

というのが、この【七仏通誡偈】の内容です。


                          (中篇に続く)