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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:諫早干拓問題

2023年03月12日 10時10分09秒 | 社会全般
 先日、何十年もかけた諫早湾の干拓に関する裁判が終わったらしい。その結果は、10年以上前に決まっていた水門の開門が反故にされ、 開門を命じた確定判決の効力の無効化を判決したとの事である。残念ながら、この判決並びに政府側の対応は、日本人の欠点を凝縮しているモノと云える。
 残念ながら、この問題の当事者ではないので、問題の詳細を把握していない。そのため、この判決が正し場合と間違っている場合のそれぞれにおいて、日本人の欠点を指摘してみたい。

仮説1:本当は水門を解放するベキである場合
 傍から見たこの問題の原因は、諫早湾を干拓し、水門を作った事によって有明海の水質が悪くなり、有明湾の水産資源に打撃を与えているとしか見えない。この考えが正しい場合、水門を解放し、干拓事業の見直しを行うべきであろう。 この場合、日本人の欠点である自己浄化作用が全く働ない事の典型であると云える。政府や役人は自分達の面子を大事にし、自分が一旦決めた事を変える事ができないのである。もし万が一、過去の決断が間違っていたと認めたら、今度はその周りがとてつもない非難を浴びせるが、間違いを認める勇気を称賛する事はない。
 この様に、非難だけが蔓延る文化であるため、間違いを認める事ができず、その結果自己浄化作用が働かない社会になっているのではないだろうか。

仮説2:水産資源の問題の原因は、水門の閉鎖とは関係がないとする場合
 国側の主張はこれである。もしこれが正しいとした場合、水産資源の収穫量が減少している等と云った問題点は、嘘と云う事になる。そうなると、自己の主張を通すために、多少の嘘は厭わないと云う事になるが、これは何も日本人のみの特性ではなく、世界共通の人間の性であろう。

 しかし、国の主張は本当に正しいのだろうか?人間の歴史は自然破壊の連続であり、その時々では人間の行為が正しいと言い張ってきているが、後になって間違っていた事が多々ある。例えば昭和時代に発生した様々な公害は、それが認められるまでに何年も掛かっている。今回の水門の閉鎖による有明海への悪影響は、10~20年程度の調査で本当に無いと言い切れないであろう。
 また、水門の閉鎖による有明海への悪影響は、少なくともゼロではないハズであり、何等かの悪影響はあるであろう。その場合、その数少ない問題点については紳士に向き合い、それへの対策を講じるべきであろうが、これも仮説1と同様に、自分の間違いを認められない日本人特有の性によって無理なのだろう。


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