goo blog サービス終了のお知らせ 

業務&ITコンサルタントのひとり言

コンサルティング活動を通じて感じることを勝手気ままに記載

壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:4月28日の日経「米高等教育の危機」。素晴らしい論文です。

2025年05月06日 12時08分06秒 | 社会全般
4月28日の日経に掲載された論文「米高等教育の危機」は、大変素晴らしい内容で、是非多くの人に読んでもらいたい。今の社会、そして大学と云う高等教育機関内での問題を的確に表現している、非の打ち所がない論文である。

本日のこのBlogで紹介した論文は先に自分が書いたBlogの裏付けにもなっているので、是非とも紹介したい。この論文は解説する必要もなく、殆どがコピべになる事をご了承頂きたい。

先ずはこの論文の最初の方に、次の記載がある。「日本ではあまり知られていない米国の大学に内在する危機的な状況をを紹介し、それが社会の分断と政治の二極化を推進する要因ともなっている事を明らかにする。」とある。大変正しい分析であり、これが今の米国及び、日本も含めた先進国の問題である。そしてこの論文には次の文章が続く。

「内在する危機的な状況とは教員の思想・視点の多様性が失われつつある事だ。米国の大学教員の政治的志向については数々の調査により、世紀をまたいで左傾化が加速している事が明らかにされている。」と...。そして「左派(リベラル)と右派(保守)の比率は教授に限っても1990年には5対1だったものが、2006年には8対1にまで偏りが拡大したとのデータがある。」。そして「偏りは教授より准教授以下の若手教員、教員より大学院生で大きく、世代交代とともに一層の左傾化が進行中だ。」そして一番深刻なのが、「特に人文・社会科学の場合、今やほぼ全ての主要分野で左右の比率は10対1以上の偏りとなり、唯一例外の経済学でも4対1だといわれている」との事である。

そして極めつけが、「政治的志向の極端な偏りは大学教育や学術研究によっては危惧すべき状況をもたらす。例えば、保守派の外部講師による講演会が学生・教員の反対運動・妨害によって中止に追い込まれたり、特定の教員が辞職を求められたりするなどの自体が珍しくない」と...。

要するに、DEIなどの差別を反対している大学内で差別を行っている状況にあり、この思想を持っている学生が、社会に送り込まれている。特にマスメディア関係に...。

この論文の最後に次の様な編集者の感想が書いてある。「自分と同じような人を採用してしまう同質性への指向に注意したい。日本の大学も自戒が必要かもしれない。」...と。

残念ながら、この状況は日本でも同じである。この様な記事を日経が掲載したと云う事には敬意を表したいが、殆どの人が左傾化している状況には変わりはない。大学同様にマスメディアも自ら正す事は出来るのだろうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:ハーバード大学vs.米トランプ政権の意味

2025年05月06日 11時38分14秒 | 社会全般
米国のトランプ大統領が、ハーバード大学と喧嘩している。基本的な理念・哲学については、トランプ大統領に共感しているが、その実現方法については、多くの問題点がある。そういった中で、この喧嘩の本質を少々深掘りしていきたい。

主な先進国では、大学の中はリベラル(左翼)的な面が大変強く、アメリカも日本も同じである。その理由は、俗に云う”意識高い系”の人達程が、”寛容”で有りたいと思う事が、”先進的”であると勘違いしているからであろう。

また一般的に、大学のセンセイ達の多くは、民間企業で働いた事がない(または少ない)。その為、民間企業で働く人達にとっては当たり前の事が、大学では通じない事が多い。余談だが、アメリカの一部の州では、州立大学の教授になる為には民間企業で数年以上の経験が必要とされる所も在ると聞く。そしてその州の大学教育は、全米でもトップクラスである。要するに、大学内は、一般の社会の常識が通じない所でもある。

このリベラル色(左翼的)な傾向は近年段々強まってきて、多くの大学ではDEIを推進し、歪んだ思想を大学で学んだ学生を社会の送り込んできた。”寛容さ”が段々歪んできて、行き過ぎた感がある。俗に云う”意識高い系”である。それをトランプ大統領は阻止しようとしている事を理解する必要がある。

またリベラル色が強い大学程、かの国との繋がりが深い。そして昨今は、かの国からの留学生が日米の大学から技術を盗み放題している状況にある。そして一時期、先進国には”〇〇学院”と云うモノを大学内に設置し、多くの教授や学生を洗脳してきた。アメリカではこの問題に一早く気が付き、この様な組織を廃止させたとも聞くが、まだまだ悪い影響は残っているのではないだろうか?

それでかの国は日米から技術を盗み放題したお陰で、技術の躍進が目覚ましく、今や先進国をしのぐレベルに近づいてきており、脅威となっている。

今の米国の政権は、これらの重大な問題を阻止しようとして動いており、その為にハーバード大学の様なリベラル色が強い大学への支援を打ち切ろうとしている。彼等が変わらない限り…。トランプ大統領のやり方には賛否があるだろうが、問題認識と目指そうとしている事は間違ってはいない。

以上の文章を書き終わった後の4月28日の日経新聞に、東北大学名誉教授の大森氏による似た内容のコラムが掲載されていたので、この後、それも記載したい。こちらはより具体的な数値データを元にしていおり、そして大学内の属している人が書いているので、より説得力がある。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:4月15日の日経、「『ポピュリズム』次世代に負債」の愚かさ

2025年05月04日 13時09分31秒 | 社会全般
4月15日の日経に”「ポピュリズム」次世代に負債”と云うタイトルの記事があった。これは自民や立憲などの権力を握る議員の意見なのだが、その後この方針は徐々に撤回していき、減税の方向に向かいつつある。しかしこの考えは根強く、減税への道のりは遠い。

自民の殆どの議員や、立憲の野田などの一度権力の座に就いた議員達は、財務省からの洗脳を受けており、財政規律の観点で、本気で減税する事を反対している。そしてその理由は、「将来世代にツケを回せない」と言っている。大変愚かな人達である。この思考回路には大きな問題が二つある。

その一つ目は、財政を健全化するには”入り”と”出”の二つを考える必要があるのだが、”入り”の方しか語られない事にある。その”入り”の方を増やす事しか議論せず、”出”の方の健全化を全く行っていない。ムダな出費を増やし続けている為に、入りの方も際限なく増やし続けている事に問題がある。

政治家が行う事は、国民から預かったお金を如何に適切に、そして効果的に使う事を考えるのが仕事なのだが、それを全く怠っている。そもそも、これを出来る政治家が殆どいない事が問題である。勿論、その様な議員を選挙で勝たせている国民も悪いのだが...。

米国ではイーロン・マスク氏がDOGEによる財政改革を先導し、多くのムダな支出を炙り出し、そのムダを減らそうとしている。日本にも同様にムダが沢山あり、それを削減・排除する事で、財政を健全にする事は出来る。日本の民主党政権が発足した時はこれに似た事を試みようとしたが、財務省に言いくるめられ、結局は骨抜きにされている。そして挙句の果ては、消費税を上げる事を推し進めた。そして今その男が立憲の党首を勤めており、立憲を始めた枝野と一緒に、「将来世代にツケを回す」都言って減税に反対していた。

日本には役人の天下り先と、公金チューチューをしている人達へのムダな支出が沢山ある。これらを綺麗サッパリ無くす事で、相当な金額を浮かす事が出来る。この様に、「将来世代にツケを回す」事を回避するのであれば、ムダな支出を無くす事である。

二つ目の問題点は、国が保有している資産を隠している事である。元財務官僚の高橋洋一氏によって、小泉政権下で埋蔵金を公表し、政府の財政を借金だけでなく資産も公表されている。そして借金より資産の方が多いともいわれており、日本の財政は健全である事は露わになっている。しかしその後は、財務省も財務省にコントロールされているマスメディアもこれを隠している。

一般家庭でも同じだが、借金より資産の方が多ければ問題はない。そして一般家庭では収入は何時かは途絶え、年金生活となる場合が殆どであるが、国家の場合は収入が途絶える事はない。なので、多少の借金は全く問題ない。財務省は借金より多く保有する資産を未だに隠そうとしている。

繰り返すが、日本は無駄な支出を沢山しており、その殆どが役人の天下り先や、政治家を支援している団体、そしてリベラル系を中心とした公金チューチュー組に渡っている。これを米国のDOGEの活動の様に撲滅しない限り、日本の財政の新の意味での健全化は成り立たない。これが出来た暁には、日本人の税金負担額は大幅に減るであろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:4月10日の日経コラム「日欧、大戦を阻む防波堤に」と云う偏向報道の幼稚さ

2025年05月03日 12時53分15秒 | 社会全般
4月10日の日経に、「日欧、大戦を阻む防波堤に」と云うタイトルのコラムがあった。これは左翼記者が書いた記事だが、トランプ大統領が進める関税化によって第三次世界大戦を招く恐れがあると云っている。どうもトランプ大統領の本当の目的を分かっていない様だ。

事実認識として間違っていない所もあるので、そこについて記載したい。先ずは正しい箇所として...

・米国は自由貿易体制を保つ為に、膨大なコストを払ってきた。
・89年の米ソ冷戦が終わった後も、米国の防衛力と巨大市場に各国はただ乗りしている。

この二つの事実からも、トランプ大統領が関税化する事への十分な理由があり、どの国も文句は言えないし、一体何が問題なのだろうか?特にかの国は、米国の市場にただ乗りしており、それを排除しようとしているのだが、このコメンテーターは敢えてそれを隠そうとしているのだろう。

かの国の問題は、急激に世界をコントロールしようとしている事である。しかし世界の国々は寛容なのか、または愚かなのか、その侵略を野放しにして来た。それをトランプ大統領が止めようとしている。これをこのまま放置する事で、反って第三次世界大戦が発生する可能性の方が高いのではないだろうか?

次はこのコラムでは記載していない事を述べたい。それはそもそも、Globalization(自由貿易)は間違っていると云う事である。これを理解していないと、トランプ大統領が行おうとしている事は到底理解できない。

自由貿易の所為で、アメリカでは身の回りの安価な商品をアメリカで製造しなくなり、輸入に頼っている。具体的には一部の安価な薬や、衣料品・日用品などが代表例であろう。その為、万が一の事態が発生した場合には、アメリカ人は生活できなくなってしまう。特にコロナ過ではマスクを製造している企業はなかった。これは国防上において大変危険な事であり、対処すべき重要課題である。

日本の場合も一部の薬はかの国でしか原料を作れておらず、米国同様に大変危険な状態にある。そして衣料品や日用品も多くをかの国に頼っている。一部は国内でも製造しているが、売価は安く、薄利多売でなんとか凌いでいる状況である。

そしてもう一つ重要な事は、既得権益構造の破壊である。ヨーロッパは元々既得権益者が牛耳っている社会であるが、それがアメリカでも蔓延してきており、それらがヨーロッパの既得権益者と繋がって社会を壊して初めて来た。この既得権益を破壊する事も、トランプ大統領が試みていると云う事を、このコメンテーターも理解しているハズ。しかしこれを書かないと云う事は、このコメンテーターも、既得権益者からおこぼれを頂戴しているからだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:3月24日の日経「生活保護」についての問題点と解決策の考え方

2025年04月27日 10時05分45秒 | 社会全般
3月24日の日経に「生活保護、過半が65歳以上」と云うタイトルの記事があった。生活保護の受給者が2000年との比較で約倍になっているとの事である。この記事自体には大きな問題はないが、この記事から読み取れる問題点の本質を探っていきたい。

2000年では37%だった65歳以上の生活保護受給者の割合が、2023年には53%となり、高齢者の生活保護受給者が増えて続けているとの事である。因みに、2000年時点の生活保護受給者は103万人、2023年は199万人で、ほぼ倍増している状況である。

2000年当時に40~59歳の生活保護受給者が27%で、60~64歳は11%の合計38%がもしまだ生きているとすると、今現在65歳以上になって生活保護を受けていると思われる。また65歳以上の37%(約38万人)の約半数の19%がまだ生きているとすると、38+19=57%(59万人)が現在も継続して生活保護を受けている事になる。

2023年時点での65歳以上の生活保護受給者数は53%で、約105万人である。と云う事は、105ー59=46万人の人が新たに生活保護の受給者になった計算になる。2000年以降に団塊世代が順次高齢者になり、その内の一部の人が生活保護受給者になっていったのだと思われる。そして一人暮らしの高齢者が増えているとの事である。

推測ではあるが、自営業や非正規労働者などで国民年金しか納めなかった、または年金を納めなかった人達がある一定人数いる事が原因であろう。

また2000年時点で39歳以下の受給者が25%(約26万人)もいたのだが、2023年には40~59歳の割合が全体の23%(約46万人)に増えている。この世代は、就職氷河期を経験し、民主党政権下で発生した年越し派遣村を経験した世代である。

最近、国民民主などが、この「就職氷河期世代を救おう」と発言し始めている。大変良い発言で、重要な事である。この動きをパクる形で、自民の石破がこれを考え始めている様だ。この男の場合はあくまで国民の人気取りの為の発言だろうが、とにかく本当にこの問題を解決できるのであれば、その思惑には目をつぶっておこう。

また、2023年での39歳以下の割合は16%(31万人)で割合は減っているモノの、人数は若干増えている。これも今後大きな問題となってくるであろう。この世代は安倍政権下で就職できた世代ではあるが、コロナ過で職を失った、または就職できなかった世代だろうか?世間では人手不足を云われている。外国人を受け入れる前に、これらの若い世代も、正社員として就職できる様に政治が仕向ける必要がある。ここは是非国民民主党に頑張って頂きたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:4月17日の日経に、政府の愚かさを表した記事が満載だった

2025年04月23日 21時48分09秒 | 社会全般
暫く忙しくて新聞を読む時間が無かったのだが、4月17日の日経には政府の愚かさを表出される記事が満載だった。それらは①「有料道支援、自治体2124億円」、②「ガソリン補助金つかの間のゼロ」、③「米中対立、レアアース波及」、④「訪日客1000万人」などだ。

①「有料道支援、自治体2124億円」:
これは地方自治体が借金して道路を建設し、その借金の返済の為に有料化している。そして料金の徴収によって借金の返済が終わると、無料にする計画で建設された道路の事であろう。これらを建設する最、想定する利用車両数に基いて、借金返済の予定時期、すなわち無料化にする予定時期を決めていた。しかし想定よりは利用台数が少なく、借金返済の予定が40年以上伸びている有料道路を列挙している。

この問題点は、そもそもその道路が必要だったのか?と云う問題もあるが、それよりも何故他の道路と同じ様に、通常の予算の中で建設しなかったのか...である。そして仮に有料化したとしても、それを建設費返済を目的とせず、その道路の補修の為のお金を確保を目的とする程度にすべきであろう。

因みに先進国では有料の道路は大変少なく、仮に有償であっても日本程高い金額を課す国はない。

②「ガソリン補助金つかの間のゼロ」:
これは今一番ホットな話題だろう。政府はトリガー条項を無視し、高騰しているガソリン価格を野放しにしている。そして、この記事にはトリガー条項の発動、即ち抑制を開始する金額を185円に切り上げたとある。なんとまあ、国民の方を見ていない政府だろうか?だから、財務省解体デモが起こるのである。

③「米中対立、レアアース波及」:
これはトランプ大統領が仕掛けた関税化の影響なのだが、これは想定内の事であって、かの国からのレアアースの輸入は段々厳しくなってくる事は想像できているし、また国防の観点で、この事は早くから対応策を講じるべきであった。

日本の近海ではレアアースが豊富にあり、また採鉱もそれ程難しくないとされている。それにも関わらず、これらの活動は遅々として進まず、半ば放置していると云われても仕方が無い状況にある。

これは明らかに政府の無策であり、愚かさの究極であろう。

④「訪日客1000万人」:
これは、今年の1~3月の四半期で、1000万人を超えたとの事である。この事については、このBlogでも何回も書いているが、今やこの多すぎる訪日客は公害である。特にかの国からの訪日客の振舞いには目に余る所があり、是非とも止めて欲しい。

目標とすべき訪日客は、年間2000万人がMaxであり、その様に航空各社や観光関連事業者に指導すべきであろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:3月20日の日経コラム「男女格差解消への道筋」の間違いと本当の問題点

2025年04月20日 10時45分02秒 | 社会全般
3月20日の日経に「男女格差解消への道筋」と云うタイトルの論文があった。残念ながら、この論文のレベルは大変低い。これを書いた女性が、男女の格差について日本が他国と比べて悪いと言いたいダケでの、学者としての分析レベルが大変低い論文である。

同一労働であれば、男女の賃金格差はあってはならない。これは日本ダケの問題ではなく、ほぼ全ての先進国で同じである。その中で、日本は他の先進国と比べて若干低い程度で、それ程悪い訳ではない。それなのに、この女性の学者は日本は酷い国だと言いたいのだろう。

この論文の問題点の欠点の一つ目は、そもそも内容が間違っている。日本全体の男女の賃金格差は75.6%であるが、この論文では正社員(フルタイム)の男女の賃金格差として書いていて、この記載が間違っている。正社員(フルタイム)に限って比較すると日本は80%を若干下回る程度で、他の先進国の中では低いモノの、アメリカなどとの差は殆どない。

日本の男女間の賃金格差が大きい原因は、女性が非正規社員として働いている割合が多いからであろう。実際、正社員と非正社員との賃金格差は、男女でそれ程差がなく、大企業に限定すると、男性の方が賃金格差が大きいと云う事実がある。日本全体の労働者での男女間の格差が大きい理由は、先に述べた様に女性の方が、非正規社員の割合が多いからであると思われるが、この論文ではこの指摘や考察がない。

二つ目の問題点は、グラフとして掲載されているフルタイム労働者(正社員)の男女賃金格差と女性管理者の割合についての考察・分析の甘さである。

アメリカでの女性管理食の割合が約40%に対して日本は約13%位で、日本は極端に低い。しかし問題は次ぎである。フルタイム労働者賃金格差は、アメリカが約81%に対して日本は80%より若干低い程度であり、殆ど差がない。アメリカの女性の管理者の割合が多いのに、男女間の賃金格差は少なくなるのではなく、日本と殆ど同じと云う事が驚きである。

しかしこの論文では、これについての分析・深掘りが全くない。あくまで”仮説”だが、アメリカではDEIの推進もあって、女性管理者の割合は多いが、管理者間でも男女の賃金格差があるとの推測が出来る。要するに、女性の管理者を増やす事が、男女間の賃金格差解消には結びついていないと云う事になる。

三つ目の問題点は、家事労働時間に関してである。グラフからは、日本の男性の家事労働時間が他国の半分から三分の一程度の約50分でダントツで短いのだが、女性も約200分と一番短い。これから読み取れる事は、日本の女性はフルタイム労働者が少なく、賃金格差も大きいのに、家事労働時間も他国と比べて一番少ないと云う事である。これは何を意味しているのだろうか?この考察・分析がこの論文にはない。

因みにイタリア女性の家事労働時間は日本女性より100分程長い。しかも、男女の賃金格差が一番少ない。ここからは推測・仮説であるが、日本は男女共、労働時間が長く、イタリアは労働時間が短いのではないだろうか?そしてイタリアの女性は働き者であり、家族思いなのだろう。そういった意味で、この論文の欠点は、労働時間についての世界との比較をしていない事にある。そして女性の家事労働時間の長さと男女間の賃金格差には相関関係がないとも読み取れる。

日本の男女の賃金格差は、非正規雇用で働いている女性が多い事であって、非正規雇用の賃金を上げる事の方が大事である。そして米国の様なDEI推進による形だけの女性管理者の増加でもなく、女性にとって何が幸せなのかを考え、それを差別及び逆差別なく、推進する事だろう。

以上のことから、この女性学者の論文は、お粗末としか言えない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:3月6日の日経コラム「私立・公立の競争条件対等に」から学ぶべき事

2025年04月13日 08時30分08秒 | 社会全般
3月5日の日経に「私立・公立の競争条件対等に」と云うタイトルの大変良いコラムがあった。高校の授業料無償化に対する問題定義であるが、このコラムでの論点は、公平性が担保できない状況での私立の無償化は問題だと云う事である。

では、ここで云う公平性とは何だろうか?一つは学校の質であり、もう一つは入学時の障壁であろう。

一般的に、私立の方が教育の質が高いと思われている。その理由は沢山あるが、一番大きいのが教職員の給料であろう。大阪では、私立高校の無償化と同じ時期に、役所の職員の給料が下げられたと聞く。その際に、当然公立学校の職員の給料も下げられた。そしてこれによって、多くの優秀な公立学校の先生が、私立に転職したと聞く。

そして私立の学校の方が、教育方法の自由度が高く、より良い教育が行われている所が多い様だ。一方公立の高校では硬直的で、昔ながらの教育が行われている。それを解決する為に、石原都政時に、都立の中高一貫校を作って、教育改革を試み、その結果都立の中高一貫のみならず公立高校の人気は上がり、日比谷高校を代表とする公立高校のレベルも上がった。行政のトップ次第で、公立学校も変わる事は可能だが、その様な人が行政のトップに選ばれる事は稀である。

もしこの様な理由から私立の学校の質が高くなり、しかも授業料が公立と同様に無償化になれば、公立学校よりは私立が選ばれるのは当然である。

二つ目の問題点は、高校を志望する際の受験に公平性がない事である。公立高校の受験科目は5科目なのだが、私立高校の受験科目は大変少ない。東京の場合、殆の学校では2~3科目であり、4科目以上を課している学校はたった2%との事である。

受験科目が多いと云う事は、それだけ子供に負担がかかり、できればそれを避けたいと思うのが普通であろう。自ずと受験科目が少ない方に進もうとするのは、必然的な流れである。

これらの不公平感を抑制していたのが、私立の高い授業料なのだが、この授業料が無償化されると、学生が私立に流れ、公立高校が定員割れする事は明々白々であろう。

大阪府及び維新の会が姑息でアクドイ事は、この政策によって大阪府の支出を減らす事が出来、中国化している大阪の私立高校に通う生徒に対しても、無償化する事である。103万円の壁を壊す事を阻止した維新は、自公と立憲同様に、次の選挙で議席を減らさせるしかない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:2月10日の日経「日本酒 世界を酔わす」に隠れた問題点

2025年03月30日 11時06分33秒 | 社会全般
日本酒が世界で認められ、多くの国家で飲まれ始めていると云う記事があった。これは大変喜ばしい事ではあるが、半面日本人の問題点も浮き彫りになっている。それは日本人が日本酒を飲まなくなっていると云う事と、その宣伝方法である

日本酒が海外で飲まれている事は、大変歓迎すべき事であり、喜ばしい事である。日本食が外国人に評価されている事に事例して、日本酒も評価されているのだろう。しかし冒頭で述べた様に、この事にも問題点が隠れている。それで今回は、これに関する問題点や課題を考えて見たい。

①日本人の「日本酒離れの本質は?
日本人の日本酒離れは今に始まった事ではなく、随分前からの傾向である。日本人そのモノが、欧米文化にかぶれている為、昔は洋酒を飲む事が一種のステータスでもあった。昭和の時代のリビングルームには、ガラス張りのサイドボードに洋酒を陳列していた。

この傾向に対処する為に、酒造メーカは品質の改善に取り組んできている。一つは純米酒や吟醸酒の製造であり、もう一つは精米歩合を下げたフルーティーなお酒の醸造する事で、女性や若者をターゲットにした戦略を立てていた。これらの対応は多少の効果はあった様だが、日本酒の消費量及び販売の割合は低下し続けている。もっと本物の美味しい日本酒を作る事と、安価なお酒を提供しないと、消費者は受け入れてくれないだろう。昨今安いワインは500円以下で手に入り、ビールでは安価な発泡酒が出回っている。そして焼酎も日本酒よりは手頃な価格で手に入る。競争は激化している。

②海外PRを都道府県単位で行っている事
これは日本の行政の有り方、そして国家レベルでの無策が如実に表れている問題であろう。日本は47都道府県に分かれているので、それぞれ別々にPR活動をおこなってしまう事は必然的であり、仕方がない事であろう。それを国が統括し、協力して行っていける様に指導またはリーダーシップを発揮する事が必要であろう。

因みにここ70年程、財務省は日本酒製造の新規参入を認めていないとの事である。これについては、世界の酒ブームを疎外しているとの批判がある。この批判はある意味正しい指摘だろうが、チョット冷静に考えたい。

日本の多くの産業は、既得権益を守る為に新規参入をし難くしている。日本酒の醸造メーカもこれを望んでい様で、日本酒メーカと財務省が結託して新規参入を拒んできた面もある。因みに、数年前に話題となった加計学園についても、獣医学部を持つ大学が新規参入を拒んでいた為に、文科省が参入を妨害していた例もある。

もう一つ考えるベキ事は、日本人は何かと過当競争したがる民族である。このBlogでも何回か書いたが、コンビニやドラッグストア、美容院、一部の外食産業は過当競争状態である。そういった面では、日本酒製造の新規参入を認めなかった事は、過当競争を起こさせないメリットもあり、もしかしたら結果的に正しい判断だったかも知れない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:2月22日の日経「潜在労働力31万人 最小」の解決方法

2025年03月23日 07時24分34秒 | 社会全般
潜在労働力が31万人で、過去最低との事である。潜在労働力とは、求職中の人などで働く意思を持っていて直ぐに働けるが、今は働いていない人の事を指す。この問題を解決する方法は主に3つあるが、安易な外国人の受入れによる労働力の確保は行ってはならない。

この問題の解決方法は、主に3個ある。その一つ目が、今一番注目を集めている103万円の壁の大幅な引き上げである。この103万円等の壁が有る為に、多くの人は、働く時間を自主的に制限している。この103万円の壁を大幅に引き上げる事で、労働者の確保はかなり解決できる事は、既に多くの人が認識しているだろう。

二つ目の解決方法は、過当競争を行っている市場を、適正レベルにする事である。具体的の例は、コンビニやドラッグストアそして美容院の店舗数が多すぎる事である。コンビニは5.6万店舗以上、ドラッグストアは2万店舗以上、そして美容院は26万店舗以上あるが、これらは半分になっても、殆ど困る事はない。

概算レベルであるが、コンビニは1店舗当たり少なくとも延べ10人以上を雇用しているであろう。ドラッグストアは5人、そして美容院は3人とする。これらを半減すると、10人x2.8万店舗+5人x1万店舗+3人x13万店舗=28万人+5万人+39万人=72万人の労働力が浮く事になる。

72万人の労働者が浮けば、人手不足は一気に解消する。彼等には、もっと実入りの良い職業に就いてもらい、生活を豊に送ってもらいたい。

三つ目の解決方法は、愚かな精度によって生まれている職業を、制度を変える事で無くす方法である。その一つが日本の受験制度であり、この受験制度を無くす事で予備校や学習塾を無くす事が出来る。

高校や大学は、希望する学生をほぼ全員受け入れる制度に変えるベキであり、その変わりにちゃんと勉強しないと卒業できない仕組みに変えるベキである。もしそうなれば、例えば東大に行きたくても、そこでの勉強についていける能力がなければ、落第や退学させられる事になる為、個々人の適切なレベルの学校に行く事いなる。

そして受験が無くなれば、予備校などに通う生徒は間違いなく減り、予備校の先生達が、新たな労働力として浮く。幸い、予備校で働いている人達の殆どは優秀な人達である。彼等が別の企業で活躍出来れば、日本のGDP向上に役立つ事は間違いないであろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする