ナチュラルな暮らし

穏やかな日常の一コマ

晩秋のアート散策~北アルプス国際芸術祭~そのⅡ

2021-11-25 | ミュージアム

「北アルプス国際芸術祭」巡りの2日目は青木湖畔から始まりました。㉘杉原信幸「アルプスの波瑠の箱舟」…北アルプスの山並みを表現し、湖面に映る山並みを舟に見立たそうです。湖と一体化した作品は素敵な姿でした。

 

 

青木湖の静かな晩秋の佇まいにもうっとりしました。

 

 

ここで出会った車…この芸術祭のロゴマークがしっかりプリントされていました。許可を得て写真を撮らせていただきました。

 

中綱湖畔にあったのは ㉗マーリア・ヴィルッカラ「何が起こって 何が起こるか」…水と塩をテーマとした2つのコテージの作品と霧の作品…霧の向こうに浮かぶ風景も作品ととらえていました。中綱湖は地震で沈んだ寺の鐘の音が聞こえる伝説があるそうで、どこかから鐘の音が響いてくる演出もあって不思議な空間でした。

  

 

 

  

 

 

 

その後、美麻地区へ行きました。㉙持田敦子「衝突(あるいは裂け目)」… 2軒の古い教員住宅だった建物がみごとにすっぱりと切り取られ、再構築されている姿は衝撃的でした。フォッサマグナの地殻変動の地ならではのテーマだそうです。

 

 

空き地の駐車場の片隅にあった使われなくなった(?)バス停も何やら意味ありげな雰囲気でした。

 

㉚青島左門「いのちの記憶」…漆黒の空間に銀河の世界が浮かんでいました。自然光を取り入れた光ファイバーが光の粒になって見えるのだそうです。天候によってもその光が違ってくるそうで、素敵な空間でした。

 

 

その後、「源流エリア」と「ダムエリア」方面へ向かいました。高瀬川にそってかなり上まで登って行くと、葛温泉の手前に「高瀬渓谷仙人岩」があります。⑯トム・ミュラー「源流(岩、川、起源、水、全長、緊張、間)」…川と岩石の相互関係を表現するために、この岩に滝と霧を発生させたのだそうですが、霧の発生は週末と祭日だけでこの日は見られませんでした。

    

 

 

ここまで行く途中の高瀬渓谷はエメラルドグリーンでとてもきれいでした。

 

 

 

葛温泉の上の「七倉ダム」広場に行きました。⑰磯部行久「不確かな風向」…この地の風の流れを視覚化した作品で、ダムの途中から見下ろすとその壮大な風の流れを感じました。たくさんのサルたちが作品の中を悠々と通っていました。

 

  

 

この「七倉ダム」は「ロックフィルダム」です。幅340m、高さ125mもあって、自然石を積み上げたこのダムは壮観でした。

 

 

「大町ダム」にも立ち寄ってみました。このダム湖は「竜神湖」です。

 

 

 

大町市街地と東の鷹狩山方面も望めました。

 

大町エネルギー博物館に立ち寄りました。この建物の壁には ⑮淺井裕介「土の泉」…大町市内で集めた13種類の土を使って巨大な壁画が作成されていました。生命力を感じる壁画となっていました。

 

    

 

「宮の森自然公園」には ㉑平田五郎「水面の風景」…自然園の中に御影石の花が静かに存在していました。この花からあふれる水が地に還るのも意味あることと感じる作品でした。

 

 

湧水の流れる自然園では紅葉と枯葉と水辺の花が共存していました。

 

 

 

「大町温泉郷」では ⑲松本秋則「アキノリウム in OМACI」…「酒の博物館」をリニューアルして展示した作品は博物館の展示とも相まって素敵な空間になっていました。影絵や竹を素材としたサウンドオブジェは心地よかったです。

 

  

 

 

⑲リー・ホンボー「童話世界」…紙でできたオブジェが鏡の空間に設置されていて、その童話の世界のような彩りと形に引き込まれました。大町の山や空や湖をイメージした作品だそうで、鏡は水を表すのだそうです。

 

  

 

「大町温泉郷」から「国営アルプスあづみの公園」へ行きました。ここには ㉔ミラ・ヴァーテラ「リントゥマー(バードランド)」…公園内にある山仕事の作業小屋とその周囲に作品が展示されていました。ガラスと真鍮の作品はこの森に生き付いている様子でした。

 

  

 

アルプスあづみの公園はすっかり晩秋の装いでした。枯葉のじゅうたんを踏んで歩く道が気持ち良かったです。

 

 

 

名残の紅葉ときれいなムラサキシキブにも出会いました。

 

 

「北アルプス国際芸術祭」のマップ片手にたくさん歩いたものです。2日間で参加作品34点(3作家さんは参加見送り)のうち31点を鑑賞することができました。

 

 

疲れましたが充実の2日間のアートと大町の散策でした。何度も訪れている大町ですが、改めてその素晴らしい景観と歴史も実感しました。2日目の歩数は14268歩でした…

 

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8 コメント

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泊りがけの鑑賞 (ran1005)
2021-11-26 18:19:54
2日がかりの芸術鑑賞をされたのですネ。
青木湖を久しぶりに目にします!
薄化粧した北アルプスをバックにした「アルプスの波瑠の箱舟」
テーマーも芸術的ニュアンスですネ。
凡人は「セーブリック」が脳裏に・・・m(_ _)m
中綱湖畔の霧は人工的(演出)なものなのですか?
何処からか鐘の音も聞こえてくる??
ファンタスチックな芸術ですネ。
フォッサマグナの地殻変動の地ならではのテーマ???
なんと感想を述べて良いのやら???
「ほ~」芸術家の感性は時々凡人には伝わらない事が在ります。
壁画や湧水の流れる自然園の紅葉と枯葉と水辺の花が共存する光景は
私にも理解出来、鑑賞出来そうです。
あづみの公園の枯れ葉の絨毯、凄いですネ!
私の近辺で見る枯れ葉の絨毯とスケールが違う気がします。
山のムラサキシキブを目にするのも本当に何年振りでしょう!!
素晴らしい芸術と自然の景観、歴史を実感されて・・・
充実した「北アルプス国際芸術祭」鑑賞の旅でしたネ。
一緒に楽しませて頂きました。
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ran1005さんへ (タッジーマッジー)
2021-11-26 23:28:59
こんばんは。
ちょうど県内のコロナ感染者も0の日が続いて…
この時期ならと泊りがけで出かけました。

この青木湖の作品は湖と一体化したようでした。
作品のテーマも作家さんの個性が光りますね。
私も久しぶりに「ゼーブリック」の前を通って懐かしかったです。
私も脳裏には美味しいラーメンの味が浮かびましたよ。
中綱湖畔の霧は人工的な物で、移り変わる霧の景色も作品なのでしょうし、
どこからか聞こえてくる鐘の音も含めての作品かと鑑賞してきました。

持田敦子さんの作品は「地殻変動を繰り返してできたこの土地で、家という不動であるはずのものを動かし、変化させることに挑む」のがテーマなのだそうです。
確かにこうした感性は理解しがたいところもありますが、
実際に目にすると面白かったり感動したり…不思議なものです。

宮の森自然園の作品は周囲の森になじんでいるようでした。
湧水の光景はやはり落ち着く空間でした。
あづみの公園は広大な敷地のほとんどが落ち葉に覆われていて見事でした。
しかも沢山の木々の落ち葉が重なって、ふかふかの絨毯の様!
気持ちの良い散策ができました。
長々の記事…お付き合いいただいてありがとうございました。
返信する
広大、壮大な展示ですね (くちかずこ)
2021-11-27 15:30:29
自然の中に点在するのですね。
でも、個人的な感想は・・・
自然には勝てない、かな。
やはり、自然は凄い!
立つ、
湧く、
流れる、
ただそれだけなのに凄い!
よく歩かれましたね。
くちこは、先ず、探すことから落ちこぼれます"(-""-)"
返信する
くちかずこさんへ (タッジーマッジー)
2021-11-27 23:50:00
こんばんは。
この芸術祭の展示は、自然の中に点在するものも多かったです。
屋内のものは古民家や使われなくなった蔵や空き校舎…
テーマも「北アルプスの水、木、土、空」でした。
それぞれの作品もですが、その背景にある(あるいは一体化している)自然に注目でした。
くちこさんが言われるように自然は凄い!そう私も感じました。
そうした場面にたくさん出会ったこの芸術祭めぐり…
何度も足を運んでいる大町市ですが、改めてその素晴らしさを実感しました。
やはりこの北アルプスの麓ならではの自然、
海から塩を運ぶ街道筋だった歴史、
それにこの土地で人々が紡いできた生活、
それらがこの芸術祭を作り上げている感じがしました。

車での移動でしたが、それでも2日間良く歩いたものです。
マップ片手に車のナビと歩きはスマホのナビを活用しながらでしたが、
それでも道を間違えたりして、結局時間切れで3か所は見られませんでした。
とにかく自然の中が多かったので、駐車場からも良く歩きました。
さすが次の日は疲れが出て、筋肉痛もありました。
もう無理はできないと、歳を感じたことでした…
返信する
お疲れ様でした♪ (みさと64)
2021-11-28 10:38:52
こんにちは。
北アルプス国際芸術祭のレポートは、1話完結かと思ったのですが、
まさか「そのⅡ」があろうとは!(笑)
しかも、白馬でのお泊まりで大町の散策も楽しまれたとは・・・
これ以上ないくらいの充実の二日間でしたね♪

タッジーマッジーさんの、芸術を愛されるその情熱には本当に頭が下がります。
美術館へは遠くても出かけているウチの娘なのに、わたしの誘い(お願い?)には、
「わたしはこういった芸術には全く興味がないの!
 宗教画とかが好きだからね…」と、けんもほろろに断られてしまいました。
そりゃあわたしだって、芸術はほとんどわからないし、興味があるとはいえないけど、
地元開催なんだからせめて1ヶ所くらいは連れて行ってもらいたかったです!
まぁ、終盤になったらあれこれバタバタしちゃって、お出かけができなくなり、
結局タッジーマッジーさんのブログで楽しませていただいたわけですが・・・
あれこれ検査やら説明に何度も呼び出されて、たくさんの承諾書も書かされて、
ようやく明日が本番です(笑)

㉙持田敦子「衝突(あるいは裂け目)」
この作品にはビックリ! これもアートなのですね!
やっぱりわたしには、こういった芸術は理解できないなぁ〜(笑)

高瀬渓谷を通って「七倉ダム」まで行かれたのでしたら、
もうちょっと早く、紅葉の時期だったら良かったのにね!
昨年すずらんの妖精さんと二人で行ったのは10月26日で、
その日も、もう紅葉は終盤でした。
いつの季節でも、このエメラルドグリーンは美しいですね♪
「国営アルプスあづみの公園」にも来られたのですね・・・
今年は見に行くことができなかったけれど、
花フェスタの時にシェードガーデンに植えられた、
たくさんのクリスマスローズが気になっています。
来年の花の季節には様子を見に行ってみたいと思っているのですが・・・

二日間で34作品のうち31作品も鑑賞されたとは、
これはもう表彰ものですよ! 本当によく回られましたね。
そうそう、初めは何ヶ所かは見に行くつもりで、
事務局まで出かけて、このマップを入手してたのですよ(笑)
おかげで、こうして居ながらにして国際芸術祭を楽しむことができました。
ありがとうございました♪
返信する
みさと64さんへ (タッジーマッジー)
2021-11-28 18:37:57
こんばんは。
この芸術祭はコロナのこともあってほゞ諦めていたのですが、
最終段階になって県内感染者が0の日が続いて、思い切って出かけました。
母のショートステイ計画もあったので泊りがけとなった次第です。

私もとんと芸術のことは分からないのですが、
ジャンルは問わずその空間が好きというか、作品の前に過ごす時間がいいというか…
そんな感じで出かけているので、
娘さんのようにちゃんとポリシーがあるのはすごいなって思います。
いろいろ準備でお忙しかったことと思いますが、いよいよ明日なのですね。
どうかご無事で順調に済みますようにとお祈りしています。

たくさんの作品の中には、なかなか理解しにくいものもありますね。
㉙持田敦子さんの衝撃的な作品もそう…
私は古い教員住宅の設備や備品の昭和レトロなところや、
壁も机も椅子もすっぱり切り取ったその切り口ばかり注目していました。(笑)

高瀬渓谷へは2回目でしたが、前回も紅葉の時期を逃し、今回ももう終盤でした。
でもその渓谷の美しさはいつ行っても素晴らしいですね。
「国営アルプスあづみの公園」は久しぶりで行きました。
四季折々何度も行ったのですが、この晩秋の時期は初めてでした。
とにかくたくさんの樹木があるので落ち葉の絨毯がすごかったです。
春のクリスマスローズも気になるところですよね。
たくさんのクリスマスローズが咲く様子はきっと素敵でしょう…
 
34作品のうちの31作品…あと3作品が残念でしたが、時間切れでした。
近くならきっと次の日にでもまた出かけたかもしれませんが、
体力も限界で次の日はぐったりでした…
長々とお付き合いいただいてありがとうございました。
返信する
あれっ? (take)
2021-11-30 00:17:06
こんばんは。
私はまた「しでかしていた」ようです。
一昨日の夜遅くに送ったコメントはどこに行ったのでしょう。
長々と書いたコメントです。
次の日は「松本行き!」・・準備万端怠りなく、とも書いていました。
今更ね・・

大町市、アートも自然ものすばらしい、と書いていました。
さ、どうしましょ。
もう次のブログがアップされていますね。

今宵はここまでに・・

追いつけない私ですが 楽しませていただいています。
返信する
takeさんへ (タッジーマッジー)
2021-11-30 20:00:23
こんばんは。
あらっ?…そうなんですか、それは残念!
ぜひtakeさんの感想をお聞きしたかったのに…
松本行きだったのですね。
それはもうすっかり気持ちは松本へ飛んでいたのかも?!
松本ではきっとパルコの美術館でしょうか、
それにYくんと過ごす時間も貴重!
コロナが収まっているこの時期だからこそのお出かけができて良かったですね。
また松本のブログアップを楽しみにしています。

本当に大町市はアートも自然も素晴らしかったです。
そしてその自然も歴史ある街並みもそこに根付いた生活までも一体化したような作品たち…
そうした作品に感動しながら大町市ならではの芸術祭だったと巡ってみて思いました。
こうした取り組みは以前に新潟県の「越後妻有アートトリエンナーレ」でも、
瀬戸内海の直島での「瀬戸内国際芸術祭」でも感じたことでした。

長々綴った記事でしたが、楽しんでいただけて良かったです…
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