ナチュラルな暮らし

穏やかな日常の一コマ

鳥のはく製と講演会~八ヶ岳美術館~

2024-07-10 | ミュージアム

原村にある「八ヶ岳美術館」で「世紀を超えた鳥類標本の全容」と題する企画展が開かれていて、その標本を所有されている「林正敏」さんの講演会もあって参加しました。「八ヶ岳美術館」は標高1350mの所にあって、そこに登っていく道沿いには「アナベル」が植えられていて咲き出していました。

     

     

 

美術館の敷地には「カラマツソウ」が咲き、「清水多嘉示」の作品が展示されています。館内にはたくさんの「清水多嘉示」作品がありますが、館内は撮影禁止ですので屋外の作品です。この2枚目の「みどりのリズム」は岡山の後楽園にもあって、訪れた時に出会って驚いたものです。

     

     

  

     

 

今回の企画展はその膨大な資料が「国立科学博物館」に収蔵されるということで、その前に緊急展示となったようです。科博への収蔵が急遽決まったとのことで、年間計画がたたっていたところをやりくりしての貴重な展示でした。

     

     

 

鳥のはく製や卵、軸図や掛図、道具類等々、3000点にも及ぶ資料…それらの行く末が気になっていてあちこちの博物館に当たっていた林さんですが、この度これらが鳥類の学術資料として重要なものとの判断で国立科学博物館に収容されることになったそうです。貴重な鳥類もたくさんあって、これから遺伝子解析なども為されるようです。展示物も膨大な量でしたが、その一部です。

      

   

  

     

 

はく製には本剥製と仮剥製があるそうです。写真上は本剝製、下が仮剥製のものです。この展示には仮剥製のものが多かったです。

     

     

     

 

ここでこのコレクションの所有者「林正敏」さんの講演を聞きました。林さんは岡谷市川岸地区のご出身、長く日本野鳥の会の諏訪支部長を務められ、塩嶺小鳥バスの案内もされておられる方です。

     

     

     

 

さすが元新聞記者、丁寧な記事も作られ、資料も駆使して納得の内容の講演でした。講演の後には参加者の中から鳥類研究の先生方(NHKこども電話相談室出演の先生も)のお話や元信州大学諏訪臨湖実験所の沖野先生のお話などもお聞きでき、いい時間が過ごせました。

  

 

この日の美術館屋内の天井の様子…このレースのカーテンがいい雰囲気を出しています。

   

 

少し時間があったのでここの「原村歴史民俗資料館」の部分も見ました。原村には大きな縄文遺跡(阿久遺跡など)があってたくさんの出土品があります。その一部がここに展示されていました。昨年秋に阿久遺跡の収蔵庫を見学した時の記録はこちらです…阿久遺跡見学会 - ナチュラルな暮らし (goo.ne.jp)  

今ここで注目の土器はこの「顔面装飾付き釣手土器」です。愛称は「フゥーちゃん」だそうです。

     

  

 

こうした土器を巡って御朱印を集めることもできるようでちょっとビックリでしたが、興味深かったです。このフゥーちゃんは「中部土偶札所巡り 三十一番」の札所だそうです。

     

 

美術館は木立の中にありました。「シモツケ」の花が咲き、キノコも生える林の中です。帰りもアナベル街道を下ってきました。

     

  

     

 

国立科学博物館へ収蔵されれば、なかなかお目にかかる機会が無くなるたくさんの資料を目にすることが出来、丁寧なお話も聞けてとっても良い機会でした。いい機会を設けて下さった美術館に感謝でした…

 

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恵比寿ガーデンプレイスの東京都写真美術館へ

2024-07-03 | ミュージアム

「浜離宮恩賜庭園」の後、新橋に出てそこから恵比寿へ…「東京都写真美術館」が次の目的地でした。恵比寿駅から「恵比寿ガーデンプレイス」に向かいました。その一角にこの美術館はあります。高いビルに青空と雲の動きが映ってきれいでした。

  

 

アガパンサスやローズマリーの植栽された場所の左側下方には山手線が通っています。

     

 

「東京都写真美術館」で開催中の企画展…この中で「今村光彦 にっぽんの里山」写真展とTOPコレクション展「時間旅行」を鑑賞しました。ここは日本はもとより世界的にも数少ない「写真と映像」を専門とする美術館です。

     

 

まずは3Fの展示場へ…ここでは「時間旅行」と題してここのコレクション展が開催されていました。100年前からのコレクションをテーマごとに展示していました。

     

 

1~5の部屋に分かれて展示がありましたので順に記録していきます。ここでは写真撮影が可能でした。第一室「1924年-大正13年」では今から100年前の作品が紹介されていました、1924年は関東大震災の翌年です。

     

  

     

 

第二室「昭和モダン街」は1930年代の活気にあふれた東京が紹介されていました。朝日グラフの表紙や昭和の初めの広告ポスターにも注目でした。

     

     

     

  

  

     

     

 

第三室「かつてここでー「エビスビール」の記憶」ではこの美術館のある「恵比寿ガーデンプレイス」の場所にあったビール工場の紹介でした。ビールの名前「エビスビール」はこの町の地名にもなっています。

     

     

  

 

第四室「20世紀の旅ーグラフ雑誌に見る時代相」ではアメリカの雑誌「LIFE」や「アサヒグラフ」の表紙から時代の変化を紹介していました。

     

     

  

  

     

 

第五室「時空の旅、新生代沖積世」では100年前の写真と現代の作品を一緒に展示してありました。

     

     

     

 

宮沢賢治の詩の世界のように、時間と空間を越えた旅ができたような、素敵な企画展でした…

この後2Fの「今森光彦 にっぽんの里山」展をみました。ここへ行った目的はこの企画展でした。NHKで放映された里山の四季の映像を見て以来惹かれた作家さんです。この方の撮られる里山風景はどこか懐かしい日本の原点のような雰囲気がありつつ、そこに映し出される植物も動物も生き生きしてこちらも元気をもらえました。この企画展は写真撮影禁止でしたのでパンフレットの写真と絵葉書からの写真です。

     

     

     

 

とっても素敵な企画展を見ることが出来て満足の美術館でした。

この「恵比寿ガーデンプレイス」は1994年開業とのことですが、なんと私にとっては初めて訪れる場所! 何年か前に恵比寿から日本画の「山種美術館」へ行ったことがありましたが、こちらは足を延ばせなかったです。 その昔はビール工場があって恵比寿駅も貨物駅の様相を呈していました。田舎に帰省する際、「チッキ」で小荷物を送るのに恵比寿駅まで何度も来たものです。大昔の話ですから今の変わりようは目を見張るばかりです。

ガーデンプレイスの建物と咲いていた花(アガパンサス)と恵比寿駅直結の動く通路「スカイウォーク」です。この動く通路がありがたかったです。

  

     

     

 

この後、買い物をして夕方の新宿発の「あずさ」で帰ってきました。充実の2日間が過ごせて良い旅となりました。東京ではいつもたくさん歩きます。今回は行く場所を絞ったつもりでしたが、歩数の1日目は11861歩、2日目は16124歩でした…

     

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ゆとりの空間~DIC川村記念美術館~

2024-06-26 | ミュージアム

3万坪もの広い庭園を散策した後、美術館に向かいました。この美術館はDIC株式会社が収集した美術品を公開するために作られた美術館で、17世紀から21世紀の作品が収蔵されていて、随時展示されています。この美術館の建物は建築家「海老原一郎」の設計です。それぞれの作品にふさわしい、ゆとりのある空間づくりを目指して建てられたそうです。DIC川村記念美術館 | Kawamura Memorial DIC Museum of Art

     

 

エントランスの空間もその天井やステンドグラス、光の差し込む窓辺や階段部分などとっても素敵でした。

     

     

  

 

中庭部分を眺められる場所には、この美術館についての説明書きがありました。

     

     

     

 

館内の作品は写真撮影禁止で写真がありません。まずはパンフレットからこの建物と作品展示のゆとりのある空間を見て下さい。

     

     

 

たくさんのコレクショの中ではこの「レンブラント」の肖像画「広つば帽を被った男」が有名です。一部屋にこの作品一点だけを展示するゆとりの空間…じっくり鑑賞できました。絵葉書より…

     

 

他にたくさんの注目作品があったのですが、絵葉書から「藤田嗣二」の作品と「パブロ・ピカソ」の作品です。

     

     

 

その他、「ルノアール」や「モネ」、「シャガール」や「マチス」等々…たくさんの作品に出会うことが出来ました。20世紀以降の作家さんでは「カンディンスキー」、「エルンスト」、「マグリット」、「ロコス」のシーグラム壁画も圧巻でした。「ステラ」の作品は展示室でも美術館入口でも存在感を発揮していました。

     

 

この時の企画展は「カール・アンドレ 彫刻と詩、その間」でした。「カール・アンドレ」は20世紀後半~のアメリカの彫刻家、詩人で今回が日本での初個展だそうです。木や金属や石を使った作品は一部触れることもでき、存在感ある作品を身近に見ることが出来て感激でした。

  

 

この美術館での鑑賞の後、娘夫婦とは別行動…ここから佐倉駅まで無料送迎バスが出ているのでそれに乗って駅まで行き、JR総武線快速で1時間ほど、品川に向かいました。バス停にあった「飯田善國」の作品と駅まで乗ったバスです。

     

     

 

広い庭と充実の美術品を鑑賞できてとってもいい時間が過ごせた「DIC川村記念美術館」でした。このバスは総武線の快速と接続できる時間に設定されていて、20分ほどの距離も佐倉市の様子を見学しながら行くことが出来ました。美術館でも毎日ガイドツアーをしてくださっていたり、雨でしたので一人一人にタオルを配布して下さっていたり、たくさん休憩場所があったりと配慮溢れる美術館でした…

     

 

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松本市立博物館へ~常設展と街歩き~

2024-06-05 | ミュージアム

「松本市立博物館」の続きです。企画展(2F)を見た後、常設展(3F)も見ました。常設展では松本市のことについてたくさんの展示がされていました。まず目についたのは大きなジオラマ…お城を中心とした城下町の様子が再現されて解説付きで展示されていました。当時のしっかりしたお堀の様子もうかがえました。太鼓門から入った右には二の丸御殿跡があるのですが、そこには当時建物がたくさんあったのが伺えますし、旧博物館の辺りにも建物が立ち並んでいます。本丸庭園と天守閣は当時のままです。

     

     

 

100年以上前、明治44年に開智学校の先生方が作られたお城の模型も100年の時を経てここにありました。

     

 

ここにも鎧兜など身につけていたものの展示がありましたが、目を引いたのはこの蒔絵の御駕籠(おかご)…豪華絢爛な駕籠は女性が乗ったのだそうです。

     

 

江戸幕府時代での大仕事は街道の整備ですが、松本を中心とした街道地図に注目でした。この地図を見るといかに松本が様々な流通の中心になっていたかが分かります。

     

 

街では商売繁盛を願う「あめ市」が開かれましたが、初市の宝船と七福神が再現されていました。大きな帆のこの船は見ごたえありました。

     

 

松本で注目なのはその手仕事です。「みすず細工」は竹で作ったその繊細な編み目の作品が素晴らしいです。「御神酒の口」は神棚に供える御神酒徳利の口にさす飾りです。「松本てまり」は武家の倹約生活の中から内職として作られたのが始まりとのことです。

     

     

     

 

松本の「七夕飾り」も独特で、さまざまな人形が吊るされます。「押絵雛」も「松本てまり」同様、武家の内職から始まったものだそうです。

     

     

     

 

ここに展示されていた松本の気持ちを表したそれぞれの文…クスッとしながら、なるほどと納得で、松本人の思いが伝わってきました…

     

     

     

 

博物館を出て、近くの「四柱神社」を通り抜けて繩手通りへ向かいました。神社の境内には「シラン」がたくさん咲いていました。白花もありました。

     

     

 

白繫がりで白い「ハト」と白い「ウサギ」です。ウサギはベビーカーに乗って来ていて、境内で遊んでいました。

     

     

 

「繩手通り」を歩いてみました。ここには海外の観光客の方々が大勢おられました。

     

     

 

繩手通りを歩くと「カエル」に出会うことが多いです。脇を流れる女鳥羽川にはカジカガエルがいたそうです。

     

  

     

 

この先のレトロな雰囲気の市営住宅を見ながら歩き、今の時期に花盛りのバラにも出会いました。

     

     

     

     

 

新装なった「松本市立博物館」を見学し街歩きも楽しんだ一日でした。この日の歩数は意外と少なく、6892歩でした。もっと歩いた気がしたのですが…

     

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松本市立博物館へ~山麓線風景と企画展~

2024-06-03 | ミュージアム

新装なった「松本市立博物館」…お城の中にあった古い博物館も良い雰囲気だったのですが、新たな博物館の企画展が気になっていってみました。まずは松本市内へ行く時にたいてい通る「東山山麓線」の風景です。塩尻峠付近では「ニセアカシア」の花盛りでした。

     

 

山麓線沿いの畑では「夏蕎麦」の花が咲いていました。白い花の咲く風景はとっても爽やかです。

     

     

 

北アルプスの雪も大分とけてきました。田んぼはほとんど田植えが終わっていました。麦畑は実りの時を迎えていました。

     

     

     

 

道沿いに花が咲いている場所があります。赤いポピーが目立っていました。

     

     

 

最近増えてきているのはワイン用のブドウ畑です。ワイン用のブドウの生産は長野県が日本一だそうです。

     

 

牛伏川を渡って松本市街地に向かう中山地区の麦畑…麦秋の風景です。

     

     

 

中山地区を下っていくと弘法山の反対側の山は以前から松枯れ被害が出ていましたが、被害が拡大したので広く伐採して植林も始まっているようでした。松枯れは松くい虫による松の感染症でほとんどの木がこれに感染すると枯れてしまいます。

     

     

     

     

     

 

松本市街地では久しぶりに中町を歩いてみました。中町は蔵造りのお店が並んでいます。この日は珍しく歩行者の少ない中町通りでした。

     

 

今は珍しい「はきもの店」や店先の飾りやライトや中町蔵の井戸を見ながら歩きました。

     

  

     

 

こちらが「松本市立博物館」です。ここにも湧水があって「大名町大手門井戸」です。

     

     

     

 

ロビーの吹き抜けには「松本てまり」が飾られています。

     

 

この日の企画展は「戸田家臣団~松本藩最後の武士団~」でした。戸田家は1617~1632年の間と1726~1869年(明治2年)の間に松本藩主を務めています。松本城で最も長く藩主を務めた家です。その戸田家を支えた武士団に注目した企画展では戸田家と家臣たちの資料を展示し、その時代を生きた姿を紹介していました。

  

 

たくさん展示してあったのは鎧や兜など、家臣たちが身につけていたものです。当時の資料がたくさん残されていました。

  

     

     

  

 

上級武士たちが住んでいた三の丸武家屋敷跡から出土したものたち…割れた茶碗を補修して使ったり、下駄がすり減るまで履いたりし、物を大切にする「もったいない精神」が伺える展示もありました。

     

     

     

 

出土品からは暮らしを楽しむ様子もうかがえますし、武士や教養人としての嗜みとしての茶の湯や煎茶などもうかがえます。

     

     

     

     

 

この戸田家の最後の藩主は版籍奉還で東京に出て行ったそうですが、家臣団の人々の多くは松本に留まって、その後の松本の発展にも寄与したようです。その後名を成した方の写真が展示されていました。

     

 

長いこと松本藩主を務めた戸田家…知らないことが多かったので興味深く展示を見ることが出来ました。その後、常設展も見ましたので次に続きます…

 

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