「櫛形山」は山梨県西部、南アルプスの前衛峰…標高2052mの山です。この山は南アルプスと富士山が眺められる展望の山です。
その昔、櫛形町(今の南アルプス市)に住む友人(佐賀県出身の山好きの友…山で知り合った櫛形町の方の元に嫁ぎました)に「自分の庭のような山だからいつでも案内する」と言われていた山です。でも実現できないまま30半ばで友は病を得てなくなり、私も足を向けられずにいました。友のお墓参りの時に見上げた「櫛形山」…ようやく登ることができました。
この日は早起きして夫と一緒に原村から出発…田んぼの水鏡に「甲斐駒ヶ岳」が映っていました。
諏訪南ICから中央道を進み、双葉JCTから中部横断道を増穂ICまで行きました。甲斐駒と富士山を見ながら行きました。
増穂ICを出て西に向かい、林道をくねくね上ること1時間…ようやく登山口に着きました。
駐車場の空き具合が心配で早めに出発したのですが、停まっていた車は1台だけ…山の中でも2人の方にしか出会いませんでした。櫛形山の案内図と、登山道入り口の鹿よけ扉です。
登山道出発地に咲いていたのは「ベニバナエンレイソウ」です。周囲は「コバイケイソウ」の群生地でした。
登山道に群生していたのは「シロバナノヘビイチゴ(モリイチゴ)」とGoogleレンズで出ました。とても小さな花ですが、葉も花もイチゴによく似ています。
少し登ると早速「富士山」の展望が!雲が薄く広がっていましたが、素敵な「富士山」の眺めでした。
登山道は森の中ですが、所々に展望が開ける場所があって素晴らしい「富士山」が眺められました。
裾野の里も眺められる素晴らしいロケーションの場所もありました。「富士山」の展望を堪能しました。
途中に南アルプス眺望ポイントがあって、そこからはまさに眼前に雄大な南アルプスが眺められました。まずは北から「北岳」「間ノ岳」「農鳥岳」です。
長野県側からは奥まった場所にあって中々全容を見られない「北岳」…この「北岳」が目の前に見られるのは感激でした。
次に百名山では「塩見岳」です。山頂が望めるだけですが…
南のエリアには百名山の「悪沢岳(荒川岳)」「赤石岳」「聖岳」が見えます。
この南アルプスの眺望の北端には「甲斐駒ヶ岳」も見えました。
ここから山頂に向かって歩きました。周囲には「ダケカンバ」の大木(古木)がいくつも見られました。
「サルオガセ」が木々にたくさんかかっていました。「サルオガセ」は樹皮に付着して懸垂する糸状の植物で地衣類の総称です。
この辺りは原生林の様相を呈していました。
苔むした倒木や洞の空いた倒木もありました。
山頂に着きました。標高2052mの山頂付近は木々に覆われていますが、富士山方向は展望が開けていました。山頂からの富士山です。
この付近に咲いていたのは「コミヤマカタバミ」です。とっても小さな花ながら、凛とした素敵な風貌でした。葉でカタバミと分かります。
登山道で見かけた「キジムシロ」と「スダヤクシュ」です。
山頂からかなり先に行くとこの山を有名にした「アヤメ平」がありますが、シカの食害で激減して今は保護中とのこと…時期も早いので先に進まず下山しました。下山中にも「富士山」を眺めながら進みました。
再び南アルプス眺望ポイントに戻って南アルプスを眺めながらお弁当を広げました。誰もいない素晴らしい場所で良い時間が過ごせました。この木にとまっている鳥は?ですが、その後気持ちよさそうに飛んでいきました。
下山して駐車場の登山道とは別のトレッキングコースを見ると「北岳展望デッキ」の案内が…気になって往復1時間のコースタイムだったので行ってみることにしました。この道にも「シロバナノヘビイチゴ」がたくさん咲いていました。
展望デッキに着きました。「北岳」が眼前に見えました。
「甲斐駒ヶ岳」も見えましたし、「鳳凰三山」の向こうに「八ヶ岳」も見えました。
途中をショートカットしてコースタイムの半分、往復30分で駐車場に戻りました。麓までは1時間の林道…「富士山」を眺めながら下りました。
友のことに思いを馳せつつの展望の山旅…「櫛形山」は富士山と南アルプスをじっくり眺められる素晴らしい山でした。この山行きの歩数は13862歩でした…