破李拳竜・日記

ここでは私・破李拳竜が行ってきた仕事やお遊びとかの日記を、つらつらと載せてあります。

さらば!車先生・・・。

2007年02月28日 00時05分33秒 | Weblog
高松 英郎さん
26日午前、心筋こうそくのため自宅で死去、77歳。高知県出身。葬儀・告別式などは親族のみで行う。

  ・・・残念である。私にとって高松英郎さんは、「柔道一直線」での、講道館を追放された孤高の柔道家・鬼車こと車周作以外の何者でもなかった。「柔よく剛を制す」の理念で柔道の体重別試合を反対し、実戦柔道にこだわり続けた車周作のモデルはいうまでもなく、木村政彦や阿部健志郎だ。高松さんもその事は御存知でだったので、木村政彦は意識して演じたそうだ。
  その直後、NHK大河ドラマ「天と地と」で演じた忠義の家臣役、金曜時代劇「天下堂々」など、またヒーロー物では「変身忍者・嵐」の主人公・ハヤテの父親・谷の鬼十役などが印象深い。
  しかもこの世代の俳優は実際に戦争を体験しているから、演技にリアリティが出せる。私が印象に残っているのはとある戦記物で、戦時中厳格な将校を演じ、戦後死なせてしまった部下の事を思いながら生き残り余生をすごしたとある軍人の姿だった。
  また、その風貌が漫画『巨人の星』に登場するキャラクター星一徹に似てる事から、一徹のコスプレして日テレ巨人戦中継のキャンペーンCM、バラエティー番組に出演!実際に星一徹の声を担当した加藤精三氏が高松さん演じる星一徹にセリフをアテた事もあった。嗚呼、ボキャ天巨人の星ネタの星一徹役の人がぁ…。
  バラエティーでは実写・星一徹のイメージも定着し、あの時点でもはや星一徹と車周作が混同・同一視されてしまったか!と思った。しかも星一徹がテーブルをひっくり返したのは劇中でもたった1回きりなのに、あたかもトレードマークのようになってしまったのも、「伝説」が作られていく過程を観る思いだった。  

  しかし、私が一番バラエティーで面白かったのは、ビートたけしと大橋巨泉の番組で、劇画やドラマに出てくる必殺技を、実際に行ってみよう!という企画で、鬼車!車周作の必殺技・地獄車を再現しようという事となり、高松さんが30年ぶりに車周作になって登場し、ナ、ナンと!本物のオリンピック柔道家・ウィリアム・ルスカに、「ルスカよ、お前に地獄車の原理をさずける!」と云って、ルスカが車周作の教えを受けて、地獄車を再現するという、それはトンでもない最高の企画だった!
  ・・・また、「仮面ライダーX」でのXライダーの必殺技の名前が「真空地獄車」だが、これは同じくアクションを担当した大野剣友会側から出たアイデアらしいが、ヒーローが使う技なのにまんま「地獄車」とは、おそろしく血なまぐさいネーミングで、まさに「必殺」技だッ!!!

  厳格な男役が似合い、迫力ある昔気質の堅物ガンコオヤジ役を演じられる方で、しかし厳しさの中に見せる優しさが光る演技がもう観られないというのは悲しい。
  ・・・亡くなる前日の25日まで、2時間ドラマのロケに参加していたという。最期まで仕事に殉じた役者魂を見せられた。また、「柔道一直線」の単行本には未収録だが、国際大会で活躍する直也を場末の酒場で見守りながら心臓発作で最期をとげた車周作のイメージにも、高松さんの最期が重なった。・・・合掌。 

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