破李拳竜・日記

ここでは私・破李拳竜が行ってきた仕事やお遊びとかの日記を、つらつらと載せてあります。

遂に発売「緯度0大作戦」と、岡田眞澄さんの訃報

2006年05月31日 23時11分49秒 | Weblog
 東宝特撮映画作品で、ビデオやLD化されなかった最期の作品「緯度0大作戦」のDVDが遂にやっと発売された。この作品は、製作・田中友幸、監督:本多猪四郎、特技監督:円谷英二という東宝特撮黄金トリオ最期の作品であり、日米合作作品であり、あのガイナックスがアニメ「ふしぎの海のナディア」でかなりインスパイアした元ネタでもある作品だ。

 【STORY】
 南太平洋で海流調査をしていた田代博士、ジュール博士、ペリー記者の3人は、突然の海底火山に巻き込まれ、潜水球に乗ったまま海底に沈んでしまう。
 その潜水球を救出したのは巨大な潜水艦アルファ号。アルファ号艦長のマッケンジーは3人を収容すると緯度0へと向かう。

 緯度0、そこは人工太陽に照らされた別天地だが、マッケンジーの宿敵、マリク博士の操る潜水艦・黒鮫号による攻撃を受ける。
 時を同じくして緯度0へ向かっていた岡田博士親子がマリクに捕まったことを知ったマッケンジーたちは、マリクの本拠地ブラッドロック島へと博士たちを救出に向かう。

 マッケンジーたちの前に立ちはだかるグリホン、大ネズミ、コウモリ人間!
 そして海底から空高く飛翔するアルファ号と黒鮫号の壮絶なバトルの果てに、彼らが見たものは・・・!?
                                         (東宝公式DVD作品解説より。)

・・・しかし実情は、合作相手の「ドンシャープ・プロ」が製作中に倒産し、東宝独自の出資で製作するハメとなったり、当時の契約で、出演者のジョセフ・コットンらハリウッド・スター達や、脚本のテッド・シャードマンとの関係で「今世紀中には2次使用は不可能」と云われ、ビデオなどは発売されなかったのだが、21世紀の「新世紀」となった現代ではその契約も切れ、やっと晴れてDVDが発売されたというわけである。
 そう思った矢先、「緯度0大作戦」のメイン・キャストの一人で、私らの年代にとってはマモル君のパパ俳優というイメージの岡田眞澄さんが死去された・・・。「緯度0大作戦」の海外バージョンのオーディオ・コメンタリーも務めていただけに無念としか云い様がない。
 「マグマ大使」に出演された時は、自分のお父さんも、こんなにダンディでハイカラでカッコ良かったらいいなぁと、当時全国の子供達の憧れの「パパ像」(父親やオヤジ像ではないイメージ)を抱かせた方だった。・・・まあ、そういえばテレビでは理想のパパ像を演じ、素敵な親子関係だったマモルとパパだったが、現場では岡田さんは江木俊夫さんに悪い事ばかり教えて・・・いや、オトナの遊びを色々教えていたそうだ。これも男として江木さんを対等の、男同士の関係として認めていたからなのだろう、やはり岡田さんのダンディズムを感じるエピソードだ。
  アニメ「W3」のお兄さんもカッコ良かったが、マモルのパパはそれが実写になったカッコ良さを感じた。それで「緯度0大作戦」を当時観た時は、岡田さんは マモルのパパの延長として観ていた。本当にカッコ良かったです。

 後年は「仮面ノリダー」のファンファン大佐役で、おやっさんの小林さんと同時に再びチビッ子達の人気者になった。「仮面ノリダー」の最初では「ジョッカー将軍」だったが、シリーズ化の際にファンファン大佐に格下げ(?)になったのね、懐かしく思い出される。
 とんねるず主演のドラマ最終回で、冷酷なプロデューサー役で登場した直後に「ノリダー」出演だったので、そのキャラクターの落差と芸の幅の広さを見せられた。そして「仮面ノリダー」でファンファン大佐が「ノリダーめ!あんまり悔しいから、『マグマ大使』でも観よう。」と言って、「マグマ大使」のマモル・パパの活躍シーンがモニターに映し出され(同じフジテレビだから。)それを観ながら「ああ~この頃は、道を歩いていても笑われずに良かったぁ~・・・。」と言ってる回が、ファンファン大佐のエピソードでは印象深い。
 また後年風貌がスターリンそっくりになると、舞台でスターリン役も演じ、俳優として幅広い活躍をされていた。
 TVのクイズ番組「サルヂエ」では猿の特殊メイクに挑戦していたから、まさに本格特撮俳優とも言えると思う。本当にどんな役でも挑戦していたから、それだけ演技の幅が広い証拠なのだろう。
 曽我さんといい、本当に残念だ。曽我さんとの関係と云えば、「マジレンジャー」の天空聖者マジエル役が最初岡田さんにオファーしたそうだが、入院されていたので曽我さんに代わられたそうらしい。今となってはお二人とも居なくなられて淋しい限りだ。
 お子さんと「ふたりはプリキュア」を観るのが楽しいと言っていた岡田さんの笑顔が残っている。

 「緯度0大作戦」のDVDもやっと発売された矢先の訃報、まことに残念。
         心より御冥福をお祈り致します。

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