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憲法九条とフリーチベット

2008-06-26 11:59:44 | チベット
 今年の3月14日、ラサにおける中共による大弾圧の後、北京オリンピックの聖火リレー等において、世界中の良識ある人々がフリーチベットの声を挙げたのは何ゆえであろう。

 それは、中共の非道が世界中に白日のもとにさらされたことが契機であったことはいうまでもない。  

 であるが、ひとつにはチベットが東洋の神秘とでもいうべき、仏教思想に基づいた理性的な統治者であるダライ・ラマを頂点とする極めて特異な政治形態と、チベット仏教文化が消滅にさらされていることの世界中の人々の危機感、そして中共に国を奪われたチベット人たちへのシンパシーの表現にほかならないからであろう。
 もうひとつは未だに苛政を人民に強制する、共産主義国家への世界中の人々の嫌悪感と恐怖感の本能的な現れであると私は考えている。

 1945年、日本政府は涙をのんで、ポツダム宣言を受け入れ大東亜戦争が終結した。
 いっぽうシナにおいては日本軍との戦闘において疲弊した蒋介石の国民党軍との内部抗争において、中国共産党が勝利を収め、中共軍がシナ全土を制覇したのが1949年。

 中共はいよいよ周辺諸民族国家への侵略の野心をあらわにし、1951年5月には北京においてチベット国大臣(カロン)のアポ・アワン・ジクメーを団長とする、5人のチベット政府代表団にたいし、中国軍のチベット入りを許可し、チベットの外交権を中国政府に委譲する旨が規定する内容の、いわゆる「中共・チベット17ヶ条協定」を強制的に締結させた。
http://www.tibethouse.jp/history/19510523.html

 結果として中共軍は、同年9月9日ラサに侵攻し、これに不満をいだくチベット国民は1957年3月10日一斉蜂起し、中共軍はこれにたいして大弾圧を行い、8万7千人ものチベット人が虐殺され、ダライ・ラマ法王はインドに亡命することを余儀なくされた。以下のリンクはダライ・ラマ法王ご自身によるこの日の記述である。
http://www.tibethouse.jp/history/19590310.html

 このように日本が戦争に負けたことと、チベットが中共に侵略されたことにはおおいなる関係があるのである。

  おしむらくはチベットが隣国のネパールのように、世界情勢に細心の注意を払い、国境の軍備を固めて、防衛政策に万全の力を入れておれば、このような悲劇は回避されたかもしれない。
 チベット東部の人々は「カムパ」とよばれ、勇猛果敢で、血気盛んなことで知られるが、このような人々を中心に近代的軍隊を組織し、最新の装備と、軍事訓練を施していれば、かれらはかならず仏法とダライ・ラマを守る強靭なチベット国軍として必ずや中共軍の侵略を駆逐し、国土の防衛の任務を全うしたのに違いない。
 だが、国防に関しては吐蕃王朝滅亡以来、シナの歴代王朝に依存し、ながらく鎖国を続けてきたというチベットの特殊事情のなか、当時十代で法王に就任することとなったダライ・ラマ14世にそれを求めるのは酷というものであろう。

 このようにチベットの歴史をみれば、国家の平安というものは軍事力によって維持されることがあきらかである。

 同様に日本の戦後の平和が「憲法九条」によって守られたなどというのは幻想である。戦後60年間日本が戦争をしなかったのはたんに戦争をする必要がなかったから、という理由以上のものでも、以下のものでもない。もしも「憲法九条」を改憲したら、ふたたび日本軍が他国を侵略するかもしれない、などというような暴論がよくもまあ今日までまかり通ってきたものだと思う。

 このところチベット問題に関連して、わたしは戦前、そして戦後の日本について思いを寄せることが多い。「憲法九条」などというものは、戦前の日本の軍事力を恐れた、西欧列強や共産主義勢力が「日本人としての筋金」を骨抜きにするためにいっぽうてきに押し付けたものにすぎないのである。

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2 コメント

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おっしゃる通りです (Harimaotaidu)
2008-06-29 11:37:33
おっしゃる通りです。
大体日本国憲法は占領下における暫定統治法です。
もう故人になられていると思いますが、当時作成した米軍関係者も年老いて再来日した時”えー!まだ使っているのですか??”と絶句したぐらいです。
→当時そんな”兄ちゃん”が作ったもんですよ。
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Unknown (tetsuyo)
2008-07-01 06:15:53
Harimaotaidさん、コメントありがとうございます。
このような主張をするとすぐ「右翼」といわれるような風潮は徐々に改まってきているように感じます。
米国の本心はそろそろ日本も自分の国くらいは自分で守ってほしいと思っているのではないでしょうか?
日本がきちんと自分の国を守れるようになって困るのは、中共とか北朝鮮のような国だけですね。
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