バリ島ではテロの影響で観光客が激減しているという。
世界地図を見ていて、東アジアに限っていうと、あくまでざっとだが、不安定要因の極めて少ないとおもえる国は、韓国、ベトナム、タイ、ブルネイ、シンガポールなど非常に少数の国家を数えるにすぎず、ほとんどの国々の国民はテロや反政府勢力の存在、隣国の脅威、あるいは貧困、独裁政治に悩まされている。
このうち台湾は表面上は平和だが、実をいえば日本と韓国に米軍が駐留しているのでかろうじて安寧を保っているにすぎず、もしこの駐留米軍が存在しなかったら、とっくの昔に中国に併合されてしまっていたであろう。
日本に関しても例外ではなく、潜在的借金が1000兆円ともいわれる今日、これは国際社会においても国内政治においても大きな不安定要因と認めざるをえないだろう。
しかしながら日本は平和だ。一般国民が高級車を容易に買うことができ、捨てるほど食物を輸入して飽食に明け暮れ、国民の税金がじゃぶじゃぶと無駄に使われていく。
日本国民の現在の首相に対する支持率が60パーセントに達しているということは、それだけの人々が現在の政治に満足しているということであろう。ともかく今の日本では反政府活動など存外のことなのである。
いっぽうでこのいっけん平和にみえる国の片隅で、年に3万人以上の人々が自らの命を絶ち、無数の若者が精神的病巣をかかえて「ひきこもって」いる事実を忘れてはならない。
それにしてもいったいいつまでこの平和が続くのだろうか?
おそらくは誰も予測ができないであろう。戦前の日本人の多くは軍部が戦線を広げるのにつれて、それを歓声をもって賛嘆し鼓舞したはずである。しかしその内情は滅亡的なものであった。あれよあれよというままに戦況は悪化し、敵国によって物資はたたれ、国民は塗炭の苦しみを味わい、国は滅びた。
大戦の末期、東条という首相がいた。
敬愛する司馬遼太郎さんはかれについて、
「ドイツの場合、ヒトラー一人に罪をかぶせることができるが、東条はヒトラーほどの思想ももたず、魅力ももたず、また世界を相手に戦争をしかけるにしては、べつだんの戦略能力ももっていなかった。
その程度の人が、憲法上のー慣習もふくめたーあらゆる権能をにぎって、決断ごとに日本を滅亡にむかわせた、というのが昭和史の悲惨さである。かれ自身、自分がやっていることが亡国につながるとは夢にもおもっていなかったのである。みじめこの上ない。」
と評している。
昭和天皇は、この東条英機もふくまれる、戦勝国によってA級戦犯とされた人々が昭和53年に靖国神社に合祀されてから、それまで毎年欠かさずお参りされていた参拝をおとりやめになった。
このことは何を意味するのであろう?
世界地図を見ていて、東アジアに限っていうと、あくまでざっとだが、不安定要因の極めて少ないとおもえる国は、韓国、ベトナム、タイ、ブルネイ、シンガポールなど非常に少数の国家を数えるにすぎず、ほとんどの国々の国民はテロや反政府勢力の存在、隣国の脅威、あるいは貧困、独裁政治に悩まされている。
このうち台湾は表面上は平和だが、実をいえば日本と韓国に米軍が駐留しているのでかろうじて安寧を保っているにすぎず、もしこの駐留米軍が存在しなかったら、とっくの昔に中国に併合されてしまっていたであろう。
日本に関しても例外ではなく、潜在的借金が1000兆円ともいわれる今日、これは国際社会においても国内政治においても大きな不安定要因と認めざるをえないだろう。
しかしながら日本は平和だ。一般国民が高級車を容易に買うことができ、捨てるほど食物を輸入して飽食に明け暮れ、国民の税金がじゃぶじゃぶと無駄に使われていく。
日本国民の現在の首相に対する支持率が60パーセントに達しているということは、それだけの人々が現在の政治に満足しているということであろう。ともかく今の日本では反政府活動など存外のことなのである。
いっぽうでこのいっけん平和にみえる国の片隅で、年に3万人以上の人々が自らの命を絶ち、無数の若者が精神的病巣をかかえて「ひきこもって」いる事実を忘れてはならない。
それにしてもいったいいつまでこの平和が続くのだろうか?
おそらくは誰も予測ができないであろう。戦前の日本人の多くは軍部が戦線を広げるのにつれて、それを歓声をもって賛嘆し鼓舞したはずである。しかしその内情は滅亡的なものであった。あれよあれよというままに戦況は悪化し、敵国によって物資はたたれ、国民は塗炭の苦しみを味わい、国は滅びた。
大戦の末期、東条という首相がいた。
敬愛する司馬遼太郎さんはかれについて、
「ドイツの場合、ヒトラー一人に罪をかぶせることができるが、東条はヒトラーほどの思想ももたず、魅力ももたず、また世界を相手に戦争をしかけるにしては、べつだんの戦略能力ももっていなかった。
その程度の人が、憲法上のー慣習もふくめたーあらゆる権能をにぎって、決断ごとに日本を滅亡にむかわせた、というのが昭和史の悲惨さである。かれ自身、自分がやっていることが亡国につながるとは夢にもおもっていなかったのである。みじめこの上ない。」
と評している。
昭和天皇は、この東条英機もふくまれる、戦勝国によってA級戦犯とされた人々が昭和53年に靖国神社に合祀されてから、それまで毎年欠かさずお参りされていた参拝をおとりやめになった。
このことは何を意味するのであろう?