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やっぱり、気楽にいこう!

つれづれなるままに

幸せな日本人?

2005-10-19 09:51:55 | Weblog
 バリ島ではテロの影響で観光客が激減しているという。

 世界地図を見ていて、東アジアに限っていうと、あくまでざっとだが、不安定要因の極めて少ないとおもえる国は、韓国、ベトナム、タイ、ブルネイ、シンガポールなど非常に少数の国家を数えるにすぎず、ほとんどの国々の国民はテロや反政府勢力の存在、隣国の脅威、あるいは貧困、独裁政治に悩まされている。
 このうち台湾は表面上は平和だが、実をいえば日本と韓国に米軍が駐留しているのでかろうじて安寧を保っているにすぎず、もしこの駐留米軍が存在しなかったら、とっくの昔に中国に併合されてしまっていたであろう。
 日本に関しても例外ではなく、潜在的借金が1000兆円ともいわれる今日、これは国際社会においても国内政治においても大きな不安定要因と認めざるをえないだろう。

 しかしながら日本は平和だ。一般国民が高級車を容易に買うことができ、捨てるほど食物を輸入して飽食に明け暮れ、国民の税金がじゃぶじゃぶと無駄に使われていく。
 日本国民の現在の首相に対する支持率が60パーセントに達しているということは、それだけの人々が現在の政治に満足しているということであろう。ともかく今の日本では反政府活動など存外のことなのである。
 いっぽうでこのいっけん平和にみえる国の片隅で、年に3万人以上の人々が自らの命を絶ち、無数の若者が精神的病巣をかかえて「ひきこもって」いる事実を忘れてはならない。

 それにしてもいったいいつまでこの平和が続くのだろうか?
 おそらくは誰も予測ができないであろう。戦前の日本人の多くは軍部が戦線を広げるのにつれて、それを歓声をもって賛嘆し鼓舞したはずである。しかしその内情は滅亡的なものであった。あれよあれよというままに戦況は悪化し、敵国によって物資はたたれ、国民は塗炭の苦しみを味わい、国は滅びた。

 大戦の末期、東条という首相がいた。

敬愛する司馬遼太郎さんはかれについて、
「ドイツの場合、ヒトラー一人に罪をかぶせることができるが、東条はヒトラーほどの思想ももたず、魅力ももたず、また世界を相手に戦争をしかけるにしては、べつだんの戦略能力ももっていなかった。
 その程度の人が、憲法上のー慣習もふくめたーあらゆる権能をにぎって、決断ごとに日本を滅亡にむかわせた、というのが昭和史の悲惨さである。かれ自身、自分がやっていることが亡国につながるとは夢にもおもっていなかったのである。みじめこの上ない。」
と評している。

 昭和天皇は、この東条英機もふくまれる、戦勝国によってA級戦犯とされた人々が昭和53年に靖国神社に合祀されてから、それまで毎年欠かさずお参りされていた参拝をおとりやめになった。

 このことは何を意味するのであろう?

守銭奴の国

2005-10-17 09:30:01 | Weblog
坂本龍一さんのブログをみていたら、
「アメリカナイズ(というかグローバライズ)された所からは何も創造的なものが生まれてこないということの象徴のようなベルリン。日本もしかり。最近のロンドンやパリの凋落ぶりもしかり。パリにはもうかつての輝きはなくなってしまった。」
という言葉があった。

 ほんとにそのとおりだ。日本全国どこへ行っても同じような風景ばかり。駅周辺はゼネコンをもうけさせることしか念頭にないような建造物ばかり。出発地と目的地をつなぐだけの高速道路。インターをおりて車を走らせればすぐみつけるのがジャスコとイトーヨーカドーとラブホテル。
 旅に出ればもう楽しみは風呂に入って、酒を飲むくらいだ。世の中はだんだんつまらなくなっていく。
 おまけに連日のニュースは楽天やら、村上ファンドやらの浅ましい買収のニュースばかり。かれらは守銭奴とよばれてもいっこうにかまわないそうだ。今の日本から「清貧」という言葉が消え去ってどれくらいたつのだろう。

2ちゃんねるの予言

2005-09-28 15:15:39 | Weblog
2ちゃんねるの郵政板で、2005年8月28日の時点で、9.11選挙を巡るアメリカと日本の動きをほぼ完全に予言している投稿をみつけた。(中曽根弘文氏の寝返り以外)長文だが、ひまな人は目を通してほしい。


107 名前:ウォール街 投稿日:2005/08/28(日) 19:38:18 ID:10Tn13Pq
「人間は従順な動物である。どんなことにも馴れてしまう存在である」(ドストエフスキー)
[小泉政権と自民党多数派は米ブッシュ政権の傀儡(かいらい)政権であることに馴れてしまった。
小泉政権の閣僚と中央官庁の指導層、大新聞社の幹部と記者、テレビ局のキャスターとコメンテーター、 経団連・同友会などの財界指導者など、東京の政官財の指導者は独立国の指導者としてのプライドを捨 ててしまい、米国ブッシュ政権に従属することに馴れてしまった。彼らは日本を米国の植民地にしようとしている]

 米国通の友人H氏から、『ウォールストリート・ジャーナル』2005年8月8日号のインターネット版記事の一部が送られてきた。
 『ウォールストリート・ジャーナル』は「郵政民営化法案は廃案となったが、これは手取りの時期が少し延びたに過ぎない。ほんの少し待てば、われわれは3兆ドルを手に入れることができる」との見方を述べている。
 3兆ドルとは、国民が郵政公社に預けている350兆円のことである。ウォール街は、9月11日の総選挙で小泉首相が勝利し、総選挙後の特別国会で郵政法案を再提出し、成立させると信じているようである。
 H氏によると、これを確実にするため、ウォール街は、多額の広告費を日本に投入し、日本のテレビを動員して、日本国民をマインドコントロールして、小泉首相を大勝利させる方向に・・・・・・


108 名前:ウォール街 投稿日:2005/08/28(日) 19:38:56 ID:10Tn13Pq
2005.8.8(その2)
政治権力と一体化したマスコミの危険性について??広告・マスコミ業界内部からの告発

「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を保障すること」
(放送法第一条〈目的〉二項)
[放送法は民法テレビ・ラジオの中立性を義務づけた法律である]

「不偏不党」を放棄した日本のマスコミ

 小泉政権は来るべき政治決戦=総選挙を「マスコミを使って勝つ」との基本戦略を立てて実行している。日本のマスコミのほとんどが、放送法に規定された「不偏不党」=中立主義を放棄して、ブッシュ・小泉反平和・独裁政治体制の支配下に入ってしまった。
 8月7日(日)昼頃、広告・マスコミ業界と裏情報に詳しい友人A氏から電話がかかってきた。非常に深刻な話なので、私のコメント抜きでA氏の話を以下に記す。

《日本の広告業界は、事実上、丸ごと、アメリカに買収された。日本の広告業界は巨大独占体のもとに 一元化されている。この巨大独占体がアメリカ巨大資本に事実上買収され、アメリカのコントロール下 に置かれれば、日本のマスコミを自由に操ることができる。マスコミ企業は広告巨大独占体に睨まれたら倒産させられてしまう。生きるためには巨大独占体の言うとおりにしなければならない。いまや巨大独占体はアメリカそのものといって過言ではない。ブッシュ政権の意向は、日本の広告業界、マスコミ界にそのまま通るようにもなっている。


109 名前:ウォール街 投稿日:2005/08/28(日) 19:39:57 ID:10Tn13Pq
例外はNHKのみ。公共放送だからだ。NHKだけはアメリカも直接支配できないから、一方で政府・自民党を通じてNHKの政治報道に圧力をかけながら、他方で大新聞と民法テレビと雑誌ジャーナリズムを使って NHKを解体させようとしている。NHKの民法化に成功すれば、NHKもアメリカと一体化した巨大独占体の支配下に組み入れられる。これが、NHKをめぐる事件の本質だ。NHKの最近の混乱の裏側で外国の諜報機関が暗躍したことは、関係者の間ではよく知られている。だから、日本国民はNHKを守らなければならないのである。だが、多くの国民は大新聞と民法のNHK攻撃によって惑わされている。
 アメリカの広告業界はブッシュ政権の影響下にある。小泉首相はブッシュ大統領にとって最良のジュニア・パートナーである。したがって日本の広告独占体もブッシュ世界戦略の道具と化している。
 ブッシュ政権の対日戦略の第一はブッシュ政権の傀儡(かいらい)政権である小泉内閣を保持させ、強大化すること。小泉内閣はブッシュ大統領にきわめて忠実である。
 小泉内閣はいまや衆院解散・総選挙に向かって突進している。9月4日か11日が投票日だ。ここで 小泉首相を勝たせるため、アメリカと日本の巨大独占体は各テレビ局と大新聞に対して、小泉を勝利させるために総力をあげるよう工作を強めている。各テレビ局と大新聞は、この要求を受け入れ、全力をあげることを誓った、との情報が広告業界とテレビ界で流れている。

110 名前:ウォール街 投稿日:2005/08/28(日) 19:41:43 ID:10Tn13Pq
 これから日本の民法テレビ、大新聞は、広告巨大独占体の指導のもとに総選挙で小泉首相を勝利させるための大キャンペーンを行なうことにしている。同時に反対派に対するネガティブキャンペーンを準備している。  
 このためには、民法テレビ局と大新聞は、対抗勢力の民主党と綿貫・中曽根新党勢力を徹底的に叩き、 イメージダウンを図る方針をもう決めている。
 8月7日、日曜日のテレビ朝日「サンデープロジェクト」で、亀井静香元政調会長を出演させ、キャスターの田原氏(テレビ界では小泉首相の盟友といわれている)と田原チルドレンのコメンテーターがいっせいに亀井氏を叩いたのは、総選挙戦への小泉派の攻撃開始の第一弾といわれている。田原氏が1994年の政変(細川・羽田内閣をを倒し、村山政権を設立させた)まで持ち出して、亀井氏のイメージダウンを図ったのも、ブッシュ・小泉体制の総選挙戦略にもとづくものだ、というのが広告界の見方だ。田原氏 は小泉首相の用心棒といわれている。

フジテレビ「報道2001」の黒岩キャスターが、小泉首相側近の山崎拓元幹事長に対しては猫なで声で媚びへつらいながら、岡田民主党代表や自民党反対派の藤井孝雄・小林興起両衆議院議員には非礼きわまりな い挑戦的な言辞を浴びせたのも、総選挙が行われた場合に小泉首相を勝利させるとの広告戦略に従ったものだ、といわれている。黒岩氏は「第二のタハラ」ともいわれている。
 肝心なことは、日本の民法テレビ局と大新聞が、ブッシュ・小泉戦略に組み入れられていることだ。日本国民が考えるべきことは、総選挙戦の間、マスコミを通じて、小泉首相は「善」、批判者の亀井静香氏らは「悪」、民主党も「悪」との大宣伝が繰り返され、総選挙の結果に多大の影響を及ぼすおそれがあるということだ。良心を失ったマスコミが日本の進路を決めるのは日本の悲劇である。

111 名前:ウォール街 投稿日:2005/08/28(日) 19:43:28 ID:10Tn13Pq

 アメリカによる日本のテレビと大新聞の支配は、根本的には日本国民全体をマインドコントロールして、米国のために牛馬のごとく働かせ、日本の富を巻き上げ米国の世界戦略に日本を利用するためである。さらにいえば、日本国民のマインドコントロールによる奴隷化政策である。テレビ朝日の田原キャスターも、フジテレビの黒岩キャスターも米国の日本奴隷化のための小道具として使われようとしている。
 ○○○さん。私の報告は今日はここまでにしておきます。次のことを民主党と反対派の幹部に伝えてくれませんか。
 第一に、「サンプロ」「2001」のようなとくにひどい民法テレビを、「不偏不党」規定への違反として告発してほしい、と。とくに極端な放送の場合は、発言者、プロデューサー、局長、社長を告発すること。
民法テレビと大新聞の監視団をつくり、法廷闘争のための弁護団を編成して、徹底的に戦うこと。
 第二に、自民党の反対派は、たとえば中曽根弘文参議院議員のような良識派の政治家を党首にして早めに新党を結成し(中曽根氏が衆院選に出馬するとよい)、テレビ(とくにNHK)において正式な発言の場を確保すること。正式な発言の場を確保しておかないと田原氏や黒岩氏のようなタチの悪い小泉政治の用心棒からどんなひどいことをされるかわからない。

112 名前:ウォール街 投稿日:2005/08/28(日) 19:44:10 ID:10Tn13Pq
総選挙になったら、民放テレビと大新聞が、小泉首相を勝たせるために、何を始めるかわからない。ひどいことをするだろう。これを警戒し、阻止し、告発する体制をとっておくことを勧めたい。
 以上、日本のマスコミはブッシュ・小泉体制の支配下に入ってしまっているという事実のみ報告します。
 なお、一言つけ加えますが、8月7日のテレビ朝日「サンデープロジェクト」で、田原氏が亀井静香元政調会長に向かって「大新聞の社説が一致して郵政民営化に賛成している。それでも反対か」と傲慢に言 い放って、あたかも亀井氏が世論に反した行動をとっているように印象づける発言をしたが、これはむしろ大新聞がすべて小泉内閣に屈服して、手先となったことを意味する。日本のマスコミが小泉内閣と小泉内閣をバックアップしているアメリカ側の「賛成か反対か、賛成ならそれを新聞紙上で書け」と命令され、
屈服した結果だ。最近になって日本の大新聞がいっせいに郵政民営化支持を社説で打ち出したことは、大新聞が小泉政権の圧力に屈した結果だ。大新聞の堕落の見本として歴史に記録されるだろう。また、テレビ朝日「サンデープロジェクト」のキャスター、コメンテーター、会社幹部を放送法違反容疑で告発
する動きがあることをお知らせします。》

アマゾンで買えない本

2005-09-26 09:05:24 | Weblog
 アマゾンで買えない本があるというので、試しにその本を検索してみたところ、「在庫あり」とのことだったので、注文してみたところ昨日アマゾンから以下のメールが来た。

「Amazon.co.jpをご利用いただき、ありがとうございます。

誠に申し訳ございませんがご注文いただいた以下の商品がまだ確保
できておりません。

関岡 英之 (著) "拒否できない日本
アメリカの日本改造が進んでいる" [新書]
商品の発送が3~5週間ほど遅れます。」

 これは奇怪だとおもい、この本をもう一度アマゾンのサイトで検索してみたら、「通常1~2日以内に発送します」とある。「通常」ってなんだ?ますます奇怪だ。

 アマゾンで買えない本の詳細とは以下のようなものだ。
http://www.zakzak.co.jp/top/2005_09/t2005091623.html
http://plaza.rakuten.co.jp/HEAT666/diary/200509160000/

 そこでほかの本屋で買えるところを探してみた結果、

amazon 通常1~2日以内に発送
楽天 ×
セブンアンドワイ ×
ピーケーワン ×
紀伊国屋書店 ×
Jブック 10月上旬入荷予定
クロネコブック 在庫あり
ジュンク堂 取り寄せ
丸善 ×
旭屋書店 取り寄せ
スカイソフト 取り寄せ
livedoor 3~4週間以内で発送
s-book.com ×
マナハウス 取り寄せ
復刊ドットコム ×
八重洲ブックセンター 在庫あり

×印は品切れか、取り扱い不可で、すぐに手に入るのは「クロネコブック」と「八重洲ブックセンター」のみでその他の本屋はほとんどが取り寄せである。つまりアマゾンだけでなく、ほとんどの大手のインターネットブックショップでは買えない。
 読めないとなるとますます読みたくなるのが人情で、(これが行列に並びたい人間の心情と通じるところか?)「アマゾン」をキャンセルして、八重洲ブックセンターに注文した。おかげで送料、代引き手数料あわせて2冊買える値段になってしまった。(泣

 これは何らかの意図がはたらいているのだろうか?それとも偶然か?不気味な話である。

追伸
記事とぜんぜん関係ないが、今日の読売新聞はひどかったー。一面ぶち抜き万博満員御礼。広告料でたいへんもうけさせてもらいありがとーございましたー、という読者無視の、広告代理店へのメッセージでした。
そうでなければ広告代理店が万博成功を読者に印象づけるため、一誌を買いきったとしかおもえない内容であった。



28万人。

2005-09-19 08:41:29 | Weblog
愛地球博への入場者数が28万人に達したそうだ。
これはもう正気の沙汰ではありません。大衆心理学の研究対象となるのではないか。
愛知県民としてはさんざん税金をつぎ込んで、自然破壊を行ってやっとこ開催した万博が成功に終わるのを喜ぶべきかもしれないが・・・ところがこの成功のイメージはマスコミによってつくられたもので、万博全体の収支面から見ればとても成功と呼べるしろものではないみたいだ。
http://blog.livedoor.jp/tamadaya/archives/31139155.html
私が万博に行ったのは平日の、あまり人出がなさそうな時期に行ったので、入場者数はたぶん10万人もなかったように思うが、それでも企業館などは当然みれず、外国館でも人気のあるところは行列ができていて、昼食時の席を確保するのに苦労したが、28万人もの来場者で、しかも入場規制がかかったとなると、もう会場内は人並みにまぎれてぶらぶらするのがやっとではないか。恐ろしい状況になっていると思う。万博に行く人は行く前からこの時期には混むことがわかっているのであるから、不満などないのかもしれないが、テレビの万博関連のニュースではまったく否定的な報道がない。マスメディアの意図するところであることは間違いない。

「愛知・窮迫」 2

2005-09-16 08:24:13 | Weblog
 愛知万博は開催された。私は当初、万博のような高度成長期の遺物であるがごとき時代錯誤のイベントなど会場には閑古鳥が鳴くと予想した。
 予想は選挙の結果と同じく、大はずれにはずれ、連日10万人以上の人々が会場に訪れ、開催期間中に名古屋市内や愛知県内のホテルや旅館を予約するのも困難となるほど盛況となり、県内に及ぼすその経済効果は大きいと予想される。
メディア側もまさか自らのマーケティングがこれほどの成功を収めるとは予想だにしなかったであろう。広告代理店による自民党のキャンペーン、それによる選挙圧勝と全く同じ構図である。逆にいえば、これほど簡単に広告戦略にのせられる国民の思考力がどんどん低下している証拠ともいえる。あるいは日露戦争における講和条約への不満から暴動をおこして以来の、日本民族の悪しき特色ともいえようか。
誰も愛知万博を批判しないのはなぜ?
ポチは見た!マスコミの嘘と裏
(マスメディア批判の面白いサイトです)

 私も家族にせがまれたばかりではなく、一度ぞくくらいはいいかなと思い、とうとう万博に行ってしまったが、もともと人ごみが嫌いで予想通りくたびれるだけで、いいことなどほとんどなかったが、帰りのリニモの車中での、ある3人の家族のありさまが忘れられず、いまでも目に焼き付いている。

 妻は心底疲れ果てたという表情で、その不機嫌さが他人からみてもあきらかで、うつろな目をして窓の外を眺めている。気の弱そうな夫はそのような妻に気を使っているのであろうか、ぽつりぽつりと何か話しかけるのであるが、妻のほうはけっして夫の顔を見ることなく、気のない相づちを打つだけで、つまり二人の夫婦の間には険悪な空気が漂っている。
 夫の言葉には関西系の訛りがあったので、子供の夏休みを利用して、わざわざ家族旅行で愛知万博にやってきたのであろうことがわかる。小学校の高学年くらいの男の子は、この険悪な雰囲気をなんとか打開することをのぞんで努力するべく、両親に盛んに話しかけるのだが、夫は妻の機嫌の悪さで精一杯で、子供の相手をする余裕がないのか、意識は妻のほうばかりに向いているのである。
  この3人に共通していたのは、疲労からであろう、笑顔というものがまったく表情から消滅して、あたかも能面のようであったこと。そしてお土産であろう紙袋に描かれた、モリゾーとキッコロのイラストが妙にそらぞらしく虚しい空気をかもし出していた。
 楽しいはずの家族旅行、愛知万博会場でこの家族はいったい何を思ったのだろうか?

 また愛知万博関連のイベントで名古屋駅近くの笹島サテライト会場にて、子供たちに人気の「ポケットモンスター」のテーマパーク「ポケパーク」が開催されており、あまりに子供がせがむものだから、連れて行ったところこれまたひどい体験をした。
 会場内アトラクションの待ち時間が4時間5時間は当たり前で、この行列に並んでいる人々の心境が信じられないことはいうまでもないが、子供がどうしてもアトラクションのひとつくらいは見たいというけれども、山国育ちで炎天下は何より苦手なので、とてもこの行列の最後尾に並び始める勇気がなく、見たいと泣き出す子供を説得するだに切なく、家族は険悪な雰囲気になるし、非常に後味の悪い思いをした。

 もちろん万博を楽しむ人も少なからずいると思う。それは事情を心得た近隣のリピーターが中心で、遠方から来場した人々は炎天下に10万人以上の混雑というありさまでは主なパビリオンも見学することができず、食事もまともにとれず、また例外もあるが外国館のほとんどは、かたつけ仕事かお土産物屋のどちらかで、どれほどの入場者が満足して帰路についたのだろうか?
 それともそのように考えている私が例外で、日本人は混雑のなかで行列することを快感と感じる民族なのであろうか?

「愛知・窮迫」 1

2005-09-15 08:27:58 | Weblog
 愛知万博については、この馬鹿げたお祭り騒ぎが終わってから取りあげようと思っていたが、今回の自民圧勝と同類の国民的現象なのでちょうどよい機会であるから、ここで少し考えてみようと思う。

 Brunoくんに紹介してもらった坂本龍一さんのブログに青木秀和さんの選挙結果についてのメールが掲載してあり、そのなかに「愛地球博」について言及した次のような文章がある。

「 愛・地球博も(自民圧勝と)同じようなもので、ディズニーランド人気に代表される「幼児化」
した大衆の感性を、ロボットとヴァーチャル映像を使って刺激して、2000万人を
動員させることができたんです。
ただし、愛・地球博が「愛知・窮迫」となるように、このマーケティングの後に
は膨大な財政赤字が残されます。」

 「愛知・窮迫」とは言い得て妙であるが、そのとおりでこの馬鹿騒ぎが終わって残るものは膨大な財政赤字だけでなく、万博会場を取り壊した後の莫大な産業廃棄物であることが予想される。甚大なる自然破壊であることは間違いない。この万博は「自然の叡智」「自然との共生」をうたったものではなかったか、それともみんなが楽しい万博に、今更こんなことをいうのは野暮の極みであろうか。

愛知万博自然破壊の証拠写真等(2003年4月を最後に更新が滞っている。)
愛知万博中止の会

 私はこの万博が計画されたころから、奇跡的に大都会の近郊に、ぽつんととり残されたように存在した瀬戸市海上地区の村や自然がつぶされることや、国家財政に与える影響の大きさ、また万博といういわばアナクロニズムに反発して開催には反対であった。
 それで何回か催される県の説明会にも個人的に参加してみたが、会場には常に左翼系と思われる反対者がいて、常軌を逸する反対運動をしていたので、(たとえば恫喝に近い大声で反対を叫び、議事の進行を妨げるなど)こんな連中が反対運動をしていれば、県民は嫌悪の情から反対運動に同調せず、行政によって無理矢理に開催にもっていかれてしまうだろうなと予想し、案の定そのとおりになった。
 行政が奇矯な左翼運動を利用して、一般住民に反対運動に対する嫌悪の情を感じさせ、事業を遂行にもっていってしまった典型的な例である。

 当時理性的に万博開催の反対運動をおこなっていた団体に「ものみやま自然観察会」というものがあって、いまどうなっているのだろうなあとYahooで検索したところ、このようなものがでてきただけであり、完全に行政に取り込まれてしまった印象である。代表をされていた曽我部行子さんはごく普通の自然を愛する主婦という感じの方であったが、どのような体験をされたのだろうか。非常に興味のあるところである。この会を支持した当時参議院議員でタレントの末広まきこの一件は茶番であった。

 それでも計画当初は、メディア、とくにラジオは健全で、たとえばパーソナリティーのつぼいのりおさんは番組の中でしきりに中部国際空港を始めとする、愛知万博関連の巨大プロジェクトにたいする厳しい批判を行っているような気がしたが、(つぼいさんのキャラクターにより、その厳しさはオブラートに包まれているようであったが)そのうちそれもなくなった。圧力がかかったのであろう。
 それでもつぼいさんはいまでも番組の中でやわらかくではあるが、万博を皮肉ることを忘れない。さすがである。中部地方のタレントでこのような人はつぼいさん以外見当たらない。
 新聞も始めのころは多様な論調を掲載していたように思うが、プロジェクトが進行するにつれ、批判的な論調は紙面からしだいに消えていったようにおもえてならない。

 ことしの春に「愛地球博」が開催されて以来、これに批判的な論調はついにマスメディアから完全に消滅した。テレビ、ラジオ、新聞等すべてのマスメディアが愛知万博のマーケティングの道具となった。万博終了後、さまざまな深刻な問題が生じてくるのがわかりきっているのにである。これは一種の言論統制であるといっても過言ではないだろうか。