長距離走の一般的なトレーニングでは、強度の高い、いわゆる「ポイント練習」と、ジョギングなどの強度の低い回復を目的とした練習を交互に繰り返し、身体の超回復(super compensation)を狙います。ここで問題となるのはどのくらい回復の時間をとるかです。ポイント練習から回復の時間が十分でないまま次のポイント練習をしてしまっては、オーバートレーニングとなってしまいます。また、回復の時間が長すぎると、超回復で向上した体力の水準がもとの状態に戻ってしまい、十分なトレーニングの効果が望めなくなってしまいます。そこで、私たちは経験から回復の時間を判断してトレーニングのスケジュールを立てています。ただ、この判断を間違ってしまい、十分なトレーニングの効果を得られない場合も少なくありません。そんな場合は、次の情報を参考にしてはいかかでしょうか。Jan olbrecht著のThe Science of Winning に、科学的な根拠に基づく様々なトレーニングの回復に要する時間が記されています。この本は水泳の専門書ですが、陸上競技にも応用できると思います。
様々なトレーニングの回復に要する時間
出典:Jan Olbrecht, 2013,The Science of Winning [Kindle Edition]F&G Partners
Training Type (トレーニングタイプ) ※< >内は陸上競技における具体的なトレーニング
Extensive Endurace (低強度有酸素運動)
<ジョギング>8時間~12時間
Intensive Endurance(高強度有酸素運動)
<ペース走、ビルドアップ走> 24時間~30時間
Sprint / Short sets (短距離スプリント走)
<短距離スプリント走> 30時間~40時間
Extensive Anerobic Training (低強度無酸素運動)
<ビルドアップ走、インターバルトレーニング> 36時間~48時間
Extensive Strength Training (低強度筋力トレーニング)
40時間~60時間
Intensive Anerobic Training (高強度無酸素運動)
<インターバルトレーニング、レペティショントレーニング> 40時間~60時間
Intensive Strength Training (高強度筋力トレーニング)
48時間~72時間
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