先日オフ会的に催行した街歩き『東京古埋立地と呑み散歩』で、
久しぶりに訪れた佃島。
2020年には多くの場所が様変わりしてるであろうこのエリアの、
戦前の遺産建築をピックアップしています。
※佃島の概要は前回の記事を参照
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/af/f2d01f2726ffff449358d197bf303690.jpg?random=72f77a8b17d6a89696420423a1c3ead1)
→google map
前回の記事でアップした出桁長屋から清澄通りを渡って、
旧佃島の方向へ歩くと、
ほどなくして素晴らしい看板建築が見えてきます。
三軒ならんだ商家はいずれも仕舞屋のようですが、
三軒三様の店構え。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/cf/80178375e0c83bd029b0287b9f1ffc40.jpg?random=94050fe0776feb291178729d3382c59d)
まずは右端の長谷部精米店。
出桁の町家造りにもかかわらず、
戸袋や1階の屋根が銅板製の珍しい町家です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/ca/7f7b1fa390b462af28d21e0a9447acf2.jpg?random=25c6c4189a257409b3c8ae5928e65ba7)
戸袋は松皮菱模様、
1階屋根の軒先には七宝模様が施され、
とても凝った造りなのがわかります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/83/345d880653ba5f736cc27499eaf870e1.jpg?random=9d10bc9399821bdce70e054f28c60c20)
さらに特筆すべきは屋根瓦。
前回の記事でも触れたのし瓦の数。
のし瓦とは、屋根の頂点に載るかんぶり瓦の下に積まれた瓦のことで、
かんぶりと併せて十段に積まれているように見えます。
通常の瓦屋根の場合、せいぜい三段前後でしょうか。
こののし瓦の高さは、財力の現れでもあり、
同時に、建物への気合いの現れでもあると聞きます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/2e/246cff6afa5474cfba6804b1f79f2ca8.jpg?random=fb8d9acdfc3139d033a5b01304df1d40)
真ん中の月島タイヤーさんは、
洗い出し人造石の壁面に、
鎌倉文学館を思い出す瑠璃色のS字瓦を使った庇瓦が特徴的な、
シンプルかつこの時代の一つのスタンダードとも言える看板建築。
因に奥の母屋の屋根を見ると、
長谷部精米店と同様の造りをしているので、
もともと町家造りだったものを、
看板建築に改装したのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/ab/e1333d15aed2b83a49335773085c79f9.jpg?random=74839ba23fd04641d60ca851d63ea707)
最後は左端の中島商会。
1階軒上の看板から最頂部まで、
東京ならではの銅板葺き看板建築。
上部の劣化した箇所を銅板で貼り直した跡が観られます。
暗褐色になっているので、
次期に黒褐色から緑青色へと変化し、
他の部分と同じになるのではないでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/8d/df6592bd2e7d315deec66bc03434372f.jpg?random=912445d9d415657eb10b6c31ce2ea713)
中島商会の戸袋は長谷部精米店よりも凝った、
重ね亀甲と網代の切り返し模様になっています。
また庇の角にRが取られているのも、
こまかな気配りを感じます。
◆
もともと着物の生地などに使われていた江戸小紋。
それを銅板の戸袋に最初に施した発想には驚かされますが、
思えばヴィトンのモノグラムやダミエも、
日本の家紋や市松模様からヒントを得たもの。
幾何学的な江戸小紋が、洋風を装った看板建築に取り入れられたのは、
自然な流れだったのかもしれませんね。
久しぶりに訪れた佃島。
2020年には多くの場所が様変わりしてるであろうこのエリアの、
戦前の遺産建築をピックアップしています。
※佃島の概要は前回の記事を参照
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/af/f2d01f2726ffff449358d197bf303690.jpg?random=72f77a8b17d6a89696420423a1c3ead1)
→google map
前回の記事でアップした出桁長屋から清澄通りを渡って、
旧佃島の方向へ歩くと、
ほどなくして素晴らしい看板建築が見えてきます。
三軒ならんだ商家はいずれも仕舞屋のようですが、
三軒三様の店構え。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/cf/80178375e0c83bd029b0287b9f1ffc40.jpg?random=94050fe0776feb291178729d3382c59d)
まずは右端の長谷部精米店。
出桁の町家造りにもかかわらず、
戸袋や1階の屋根が銅板製の珍しい町家です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/ca/7f7b1fa390b462af28d21e0a9447acf2.jpg?random=25c6c4189a257409b3c8ae5928e65ba7)
戸袋は松皮菱模様、
1階屋根の軒先には七宝模様が施され、
とても凝った造りなのがわかります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/83/345d880653ba5f736cc27499eaf870e1.jpg?random=9d10bc9399821bdce70e054f28c60c20)
さらに特筆すべきは屋根瓦。
前回の記事でも触れたのし瓦の数。
のし瓦とは、屋根の頂点に載るかんぶり瓦の下に積まれた瓦のことで、
かんぶりと併せて十段に積まれているように見えます。
通常の瓦屋根の場合、せいぜい三段前後でしょうか。
こののし瓦の高さは、財力の現れでもあり、
同時に、建物への気合いの現れでもあると聞きます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/2e/246cff6afa5474cfba6804b1f79f2ca8.jpg?random=fb8d9acdfc3139d033a5b01304df1d40)
真ん中の月島タイヤーさんは、
洗い出し人造石の壁面に、
鎌倉文学館を思い出す瑠璃色のS字瓦を使った庇瓦が特徴的な、
シンプルかつこの時代の一つのスタンダードとも言える看板建築。
因に奥の母屋の屋根を見ると、
長谷部精米店と同様の造りをしているので、
もともと町家造りだったものを、
看板建築に改装したのかもしれません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/ab/e1333d15aed2b83a49335773085c79f9.jpg?random=74839ba23fd04641d60ca851d63ea707)
最後は左端の中島商会。
1階軒上の看板から最頂部まで、
東京ならではの銅板葺き看板建築。
上部の劣化した箇所を銅板で貼り直した跡が観られます。
暗褐色になっているので、
次期に黒褐色から緑青色へと変化し、
他の部分と同じになるのではないでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/8d/df6592bd2e7d315deec66bc03434372f.jpg?random=912445d9d415657eb10b6c31ce2ea713)
中島商会の戸袋は長谷部精米店よりも凝った、
重ね亀甲と網代の切り返し模様になっています。
また庇の角にRが取られているのも、
こまかな気配りを感じます。
◆
もともと着物の生地などに使われていた江戸小紋。
それを銅板の戸袋に最初に施した発想には驚かされますが、
思えばヴィトンのモノグラムやダミエも、
日本の家紋や市松模様からヒントを得たもの。
幾何学的な江戸小紋が、洋風を装った看板建築に取り入れられたのは、
自然な流れだったのかもしれませんね。
最近はSNSにかまけて、ブロッグ更新がおろそかです〜(^ o ^;)
看板建築の戸袋にあしらわれた江戸小紋は、そこそこ知られたものですが、
現代から考えると、家の壁に細かな細工や模様を入れることは滅多にないですよね。
こういった、家のデザインに伝統文化を融合しようとした奮闘の歴史は、
残すべきだと思います
テレビ(アド街)で黒沢氏提供の東京都内の写真を見た!とのことで近況を何か知ってる?という問い合わせ。このブログのことや著書のことをお知らせしておきました。
三宅さんとも久しぶりだったのでいろいろ話しましたが、また会いたいですね。こちら年寄りの介護があってなかなか出かけられませんが、まあ、そのうち。
アド街は東池袋の回の気にスポで、歴史発見館の画像を使われました〜。
しかし普通見逃すと思うけど、三宅さん、よく見つけたね。
情報の把握量の違いを感じるよ〜
東京へ出られる時があったら、連絡下さ〜い