黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

長崎さるく #45 軍艦島見学リポート1

2009-08-29 05:21:49 | 長崎さるく
シリーズでお送りしている長崎さるく。
今回は今年の4月に一般公開されて注目を浴びる軍艦島の、
上陸見学リポートです。



軍艦島の上陸見学は、
直接申し込み制のやまさ海運さんや各地からのツアー形式で行ける近ツリさんなど、
いくつかのアプローチがありますが、
この日は軍艦島を世界遺産にする会のツアーに参加しました。
長崎港の大波止桟橋の裏手に集まり、
船酔い防止運動などを軽くして出発です。



普段は大波止~高島間の定期便を運行する竹島丸に乗って出発です。
長崎市が出す軍艦島の上陸基準には波高0.5mという項目があって、
これは年に100日もクリアできない基準ですが、
幸いこの日は快晴のベタ凪だったので、
難なく接岸できることになりました。



島が近づくにつれて見えてくる、
かつての可動式浮桟橋のドルフィン桟橋。
今回の見学路建設で、
最も往年の姿から遠ざかってしまった施設です。




かつてはタラップが潮の満ち引きに応じて上下する構造でしたが、
現在は階段状のタラップをもうけ、
干満に応じてちょうどいい高さの場所から下船する構造です。





下船風景。
潮が満ちてきたら左側の一段上の場所から、
また潮が引いてきたら右側の低い場所から下船、
といった感じです。




ドルフィン桟橋から島へは固定の渡橋が設置され、
その先の島内への入口まではかなり補修工事がほどされています。






渡橋の床面は網状に作られ、
その下に40tのコンクリートが詰まった鉄管が、
しっかりと固定されています。
この一帯は海流の流れが強く、
特にドルフィン桟橋と堤防の間に流れ込む海流は勢いを増して、
より強い海流になるため、
網状の床面や丸い鉄管は、より抵抗を少なくする苦肉の策のようです。
事実、稼働していた時の渡橋は固定式ではなく、
船が着いた時だけ堤防側から桟橋へ降ろす、
可動式の渡橋が設置されていました。



橋を渡りきった付近の、堤防が決壊したところから見える島内。
高台の高級職員アパートや貯炭場のコンベア支柱跡等が見えます。
おそらく最初にリアルに島を感じるスポットではないでしょうか。





3つ前の画像の左端に写る入島口から、
後ろを振り返って渡橋の方を見た光景。
コンクリートで補強されてはいるものの、
操業時に使われていた出入口の場所をそのまま使用しているので、
かつての入島の感じを味わう事は出来ると思います。




入島口を入ってすぐ横にある人道トンネルの入口。
かつてはここから地下トンネルを通って炭鉱施設を越え、
住宅棟エリアへ直接でられる造りでしたが、
現在は金網で塞がれています。

次回は島内の様子です。
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なお、軍艦島一般公開の上陸リポートは、
ワンダーJAPAN Vol.12にも掲載されているので、
興味のある方はぜひご覧になってください。



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また軍艦島に関してより詳しくお知りになりたい方は、
オープロジェクト運営のサイト軍艦島オデッセイをご覧下さい。



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3 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
友人が (えいはち)
2009-09-22 11:34:28
今月行ってきたので、写真を送ってもらいました。
ブログとかやってないので、僕のところに載せさせてもらいました。
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▼96さんへ (廃墟徒然草)
2009-08-31 11:59:40
渡橋はいつ高波で流されてもおかしくない、
といわれているので、
いかれるならば、早めの方がよろしいかと思います。

でも96さんのお写真は、普通の景色をとてもいい感じに撮影さているので、
逆に軍艦島はおもしろくないかもしれないと思いました。
カメラをむければ誰でもそこそこ画になる島ですから、
あまり撮影のしがいがないんじゃないかと。
私の勝手な思い込みですみません(汗)
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Unknown (96)
2009-08-30 22:04:16
うーむ...

いつか行けるであろう日を

夢見ています。
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