黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

池島炭鉱十年の変貌 01資材クレーン

2017-06-04 17:38:42 | 池島炭鉱
第二の軍艦島といわれる、
軍艦島と同じ長崎市にある炭鉱跡<池島>の全貌をまとめた、
『池島全景 離島の《異空間》』(三才ブックス)の発売記念として、
書籍に収録できなかった池島を、シリーズでお送りしたいと思います。

取材で通った約12年の間に、池島がどう変わったか。
最初は、港の桟橋にあった資材クレーンです。

池島炭鉱の港にある資材用クレーン

画像は2005年(平成17)の様子。
この画像は『池島全景』にも収録しましたが、
2009年(平成21)まで、池島港の海寄りの桟橋には、
大きなクレーンが2基設置されていました。

大型フェリー「かしま」号の最上階デッキからの撮影して、
操縦室と同じ目線なので、
かなり大きな施設だったことがわかります。





池島炭鉱の港にある資材用クレーン

画像は2010年(平成22)の様子。
2009年(平成21)に1号機が撤去され、
その後の数年、2号機だけの時代がありました。

といってもすでに2005年の時点で使用していなかったので、
おそらく撤去費用の問題から、
1基ずつ解体していったのでしょう。





池島炭鉱の港にある資材用クレーン

画像は2013年(平成25)の様子ですが、
2012年に訪れた時はすでに無かったので、
2号機も2011年頃に解体されたのだと思います。

かつてはクレーンの基礎の左側に軌道が敷かれ、
画像中段右寄りに写るグレーの扉の場所から、
各種資材が鉱業所へ運び込まれていました。

ちなみに奥に写る恐竜の様な重機が、
でき上がった石炭を船積コンベアへ搬送するジブローダー。
この年の台風で、操縦室が傾いてしまいました。





池島炭鉱の港にある資材用クレーン

画像は2015年の様子。
クレーンの基礎だったコンクリートの土台の壁面に、
事務所との通信用の内線電話が残っているばかりです。

石炭を船積みするシップローダーは、
2017年の現在でも、かろうじて残っていますが、
資材用の巨大クレーンもまた離島炭鉱になくてはならない施設。
それほど老朽化しているようにも見えなかったので、
撤去されてしまったのは残念です。


“第二の軍艦島”といわれる、九州最後の炭鉱のあった池島の全貌を、
12年以上の取材と400枚超の写真で紹介する国内初の池島本。
『池島全景 離島の《異空間》』絶賛発売中!!



最新の画像もっと見る

post a comment