うまさいと

お馬さんは好きですか?

豪州の快速馬、急遽引退。

2005-06-09 21:14:40 | 競馬
FASTNET ROCK RETIRED(sportinglife)

ということで、早くもFastnet Rockの引退が決定してしまいました。先日もお伝えした通り、英国へと向かう途中で体調を崩したことが原因なのですが、既報では「予定していたRoyal Ascot Meetingの二戦は回避、July C.に出られるかどうかは近日中に判断する」という報道のされ方だったのですが、突如引退が決まってしまいました。

これはFastnet Rockのオーナーの一人がSue Magnierさんであるというところからきています。私が間違っていなければCoolmore Studの経営者の一人(というかオーナーの奥さんで合ってます?)なので、種牡馬としての道を選択したというところでしょうか。今後は豪州のCoolmore関係の牧場に帰って種牡馬入りするようです。

さて、まずこの遠征の表の目的というのは「Global Sprint Challengeの制覇」だったわけですが、誰でも知っている通り「シャトル種牡馬としての道を広げる」というところが裏のメインテーマだったのでしょう。一昨年のChoisirの成功(豪州のCoolmore所有のHunter Valley Studsで種牡馬入り。愛国のCoolmore Studにもシャトル)で一躍そのレベルの高さが証明された豪州のスプリンターは昨年度はウィルスの感染によって活躍できなかったExceed And Excel(豪州のDarley Studで種牡馬入り。愛国のKildangan Studにもシャトル)にしても人気が出ています。そして、今回のFastnet Rockもシャトル種牡馬となることは確実でしょう。

さて、この3頭の父親を見てみますとFastnet Rock, Exceed And Excelの父がDanehillであり、Choisirの父もDanehill Dancer、つまりDanehillの孫にあたります。Ballydoyle, Godolphinという二大陣営が数年前に亡くなったDanehillの血を買い求めた(Fastnet Rockに関しては元々持っていたのか)ことは明らかであり、これは「欧州におけるDanehillの需要がいかに高いか」ということを如実に表しているのではないかと考えます。シャトル種牡馬としてなら北半球でも南半球でも活躍できますし、欧州でも定評のあるDanehillの血、さらに「レベルの高い」豪州のスプリンターの血ともなればさらにその需要が上がることでしょう。今回の遠征も「競走成績を上げることによって、北半球での種牡馬としての価値をさらに高めるため」であるわけでしょうし、オーナーサイドはRoyal Ascot Meetingという英国競馬の最も華やかな開催に間に合わなかったということで、宣伝の機を逸したと判断したのでしょう。豪州でもG1を2つ勝っているために、敢えて無理はさせず、南半球の繁殖時期に余裕を持って間に合わせるようにした、というのが今回の引退の真相ではないかと。個人的には、もう少し走る姿を見たかったなぁ。