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モロー オルフェウス
私は小学生の頃星座の観察をするのが好きでした。
古代からある星座にはそれぞれ由来を表す神話があり、
そういったものに触れることによって歴史に対する関心を育ててきました。
歴史に対する関心が美術への興味へとつながっていったので
どんなところから興味が転がっていくかわかりません。
夏の星空を代表するのがベガ(こと座)、アルタイル(わし座)、デネブ(はくちょう座)の
三つの一等星によって形作られる『夏の大三角形』です。
「ベガ」とはアラビア語で「落ちる鷲」を意味します。
アラビアではこと座を羽をたたんで落ちる鷲の姿に見立てたことから
この名前がついたといいます。
夏の夜空の中で最も明るい0.0等の白く澄んだ光の星です。
七夕伝説の「織姫星」もこの星です。
こと座は詩人オルフェウスが太陽神であり音楽の神でもあるアポロンから授けられた竪琴をかたどった星座です。
オルフェウスは妻エウリュディケと幸せに暮らしていましたが、
彼女は毒蛇に噛まれて死んでしまいます。
妻をよみがえらせるため冥界へ向かい黄泉の王ハデスと対面します。
ハデスは現世へ戻るまで決して振り向いてはならないと
オルフェウスに言い渡します。
しかし現世へ戻ってきたと思い後ろを振り返ったところ
まだエウリュディケは一歩足を黄泉に残していました。
そのため彼女は冥界へ連れ戻され、二度と現世へは戻れなくなりました。
妻を永久に失ったオルフェウスはあちこちをさまよいます。
そんな彼をバッカス信者の女達が誘惑しますが、
オルフェウスはそれを拒んだため、彼女らに惨殺されます。
彼の首は竪琴と共にトラキアへ流れ着きます。
そして竪琴は空へ引き上げられ、夜空を彩る星座となったといわれます。
>sekisindho様
クラナッハの描く女性像には独特のエロスが漂っていますね。
一見清純そうに見えるのですが、一筋縄ではいかない女性達で、
彼女達の系譜が世紀末の『宿命の女』につながっていくように思えます。
>red_pepper様
モローは様々な物語の世界を用いて自分の心のうちに広がる小宇宙を描き出しているという感じがします。
単なる物語の「絵解き」ではないところが、彼の作品の魅力だと思います。
私は旅行から考古学や歴史や美術に興味をもつようになりましたので、千露さんとは視点がずれているのが自分でも分かります。
まだまだ知らないことばかりです。
社内資格試験無事終わりましたでしょうか。
今日の記事拝見して、何とはなく安心しています。
私が絵画に興味を持つようになったのは、千露さんのように夢のふくらみが絵画に繋がったようにロマンティックな事は何もなく、渋澤龍彦氏の著作物を読み漁っているうちに、彼の解説するクラナッハのユディットにとても興味を惹かれ、それから徐々に絵画に近づいたわけです。
ですから、頭でっかちでまだ絵のほんとうの良さはよく理解していないかも知れません。
ときどき反省してます。