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夢への道筋

青臭いけど、人が夢の実現のために発揮できる力って無限。夢を実現するための方法論について徒然なるままに。

マネージメント5原則(5): 規律

2008-04-26 21:34:12 | ちょっといいはなし
マネージメント5原則の最後は「規律」。

 強い組織は、必ずといっていいほど規律がある。規律がある組織が必ずしも強い組織とは限らないのかもしれないが、強い組織には必ず規律がある。

 規律を強めようとすると、マイペースで誰にとっても居心地のいい風土にはならない。やるべきことをやらない者には、しかるべき対応がされる。マネージする方もマネージする方もそれなりに緊張を強いられるし、言いづらいこともしっかり言わなければならない。そのため、日々の活動にはそれなりにエネルギーが必要だ。しかし、組織が勝つため・生き残るためには、安住できるぬるま湯ではなく、やるべきことをやらないとしかるべき対応をする規律のある組織にする必要がある。


僕が高校のときに属していた運動部は、無断で休むのは当然ながら、練習に事前連絡なしで遅刻をしても坊主だった。他にも坊主になることはいくつかあった。たとえば、ポジションによっては初歩的なイージーミスも坊主対象だった。高校時代は、「そこまでやらなくても」とか「理不尽」などと思っていたが、組織を運営してみて今思うのは、坊主という方法以外に何かあったんじゃないかとも思うが、ともかく、あれはあれで強い組織を作るためにありだなあと思った。練習に無断欠勤・遅刻をする選手がいるチームが全国制覇を本当にできるのか、チーム内にも疑問が残るだろう。


織田信長の「一銭切り」のエピソードもそうだ。天下布武を狙う軍隊においては、
そのぐらいのルールはありえるだろう。おそらく当時の織田信長以外の軍隊では
そこまでの規律を持った軍隊がなかったのだろうから、「一銭切り」をする軍隊
に対する朝廷や民衆の信用は高まるだろう。

僕はビジネスにおいて必ず守らなければいけない最低条件としての規律は以下の
3つだと思う。

1.時間
 就業時間・営業時間・納期や月次決算・四半期決算などビジネスにおいては、様々な時間の制約の中で活動している。"Time is money." 時間に対して規律のない組織は、だらしない仕事をする組織になってしまう。

2.お金(および、計数)
 顧客に対して、従業員に対して、取引先に対して、お金が厳密に管理されていない会社はうまくいくわけがない。また、計画も結果も基本的にはビジネスはお金によって組み立てられている。したがって、組織の規律を守る上で数字を厳密に管理できているかは非常に重要なポイントの一つだ。

3.品質
 顧客が期待した品質を提供できていない会社は、成長しない。まして、顧客にコミットした品質を提供できない会社は、生き残ることができない。全ての会社が最高の品質を提供すればいいというわけではない。ただし、顧客に対してコミットした品質を提供できなかった言い訳は成り立たない。品質を守れない会社も規律がない会社といわざるを得ない。

上記のいずれに関しても、規律のない組織が生き残ることは、資本主義原理が適用された事業においては、ほぼありえないと思う。なぜ、顧客が企業に対価を支払うのかというと、上記の3つを企業が顧客対してコミットしているからに他ならない。


規律のある組織とは別の言葉で言うと「約束を守る」組織のことだ。
「約束を守る」組織は、「信用」のある組織だ。
そして、信用のある組織は素晴らしい「ブランド」を持つことになる。


また、規律には「北風と太陽」の両方のアプローチがある。
企業において北風とは異動・人事考課・降格・解雇をちらつかせることで、太陽とは自己実現・達成感に訴えることだろう。当然、「太陽」アプローチがいいに決まっている。ただ、太陽アプローチだけで結果として規律を失ってはいけない。ここらへんがマネージメントの仕事の難しくも面白い部分だと思う。

その他で規律を考える上で重要だと思うのが、

1.おもてなし(ホスピタリティー)
 「おもてなし」をしっかり考えている組織とそうでない組織では大きなパフォーマンスの違いが出ると思う。挨拶、電話対応、WWW/メールでの問い合わせ対応など顧客接点における姿勢に対して規律があるのかどうかは非常に重要だ。
2.情報統制
 組織の規模が拡大するにつれ、本来伝達すべき情報が伝わっていなかったり、本来伝達してはいけない情報が伝わってしまったり、情報のコントロールが難しくなる。ここは気を使うしかないのだが、これも組織の規律を考える上では重要だ。
3.使命感
 なぜ自分たちの組織が存在しているのか?どのような付加価値を提供しているから存在しているのか?つまり、自分たちの仕事の使命に対してどこまで組織のメンバーの理解度は無形だが、非常に重要な資産だ。上から押し付けて理解されるものではないかもしれないが、どれだけ啓蒙できるかは非常に重要だ。一定以上の理解を持った人間しか組織に属すことができない状態を作るべきだ。
4.危機感
 使命を理解させた上で重要なことは危機感を持たせることだ。どうすれば生き残れるのか?どうすれば成長できるのか?逆に、簡単に消滅・後退してしまう可能性についても想像させるべきだ。自分たちが生き残るためには、成長するためには、本質的には何をしなければいけないのかを理解させることも非常に重要だ。危機感のない人間の意識変革もしくは排除をすることも組織運営上は一つの見識だと思う。



僕の把握・想定・伝達・評価はすべて規律を保つ上での必須の仕事だといっても過言ではない。

その上でも非常に重要なことは、最高指揮官の「有言実行」だ。
これなしに末端まで浸透させることは不可能だろう。


2008年マネージメント5原則:
(1)把握
(2)想定
(3)伝達
(4)評価
(5)規律