夢への道筋

青臭いけど、人が夢の実現のために発揮できる力って無限。夢を実現するための方法論について徒然なるままに。

原点

2006-01-26 01:17:01 | ちょっといいはなし
今週はブレないことの大事さを痛感した。

ある超スーパーな人の仕事の話を聞いていた時の言葉に自分の役目は「ブレないようにすること」だという話があったことが1つ。そして、二つ目は、ホリエモンの逮捕。

自分の原点、チームの原点、組織の原点、会社の原点。
原点が見失われたときに人は迷走する。
うまくいっているかのように見えても綻ぶ。
原点があれば、環境が変わっても、何を変えるべきか、迷いはない。

自分の原点をパッと考えてみた。

いろいろあるけど、自分の今の活動の原点が出来るきっかけとなった経験は以下の4つ。
1986年~:思春期にシンガポールに3年住んでアジアそして世界のダイナミズムに触れたこと
1990年~:アメリカンフットボール選手として自分の限界突破に挑戦したこと。そして、チームとして行動することの面白さと難しさを経験した。
1994年~:「世界と中国」研究会という中国と世界のあるべき関係について考える研究団体を仲間と設立・運営したこと
1995年~:村井純教授の下でインターネットの技術に本気で取り組んだこと

そして、1996年にそれからの僕の活動の原点となるビジョンを仲間と一緒に作った。


1997年そのビジョンは事業化に向けて足を踏み出し、AIPという会社を仲間や博報堂と一緒に設立した。

ビジョンを作って、10年目に突入した。

当時掲げたビジョンの大きさに比べるとまだ実現できたことはまだまだ限られている。何かを達成したとは口が割けても言える状況にはない。

しかし、ビジョンに則って行動している。それには自信と誇りを持っている。


原点を見失わないこと
難しいけど、行動あるのみ

10年後の日本

2006-01-04 00:38:46 | 書評
『日本の論点』の要約版みたいな感じなのかもしれませんが、時局をコンパクトに上手にまとめてあるので、買ってみました。

10年後の日本

読んでみて感じたことは、今の時代は、コンドラチェフの長期波動のように50年~60年の循環の変わり目にあるんだなあということを痛感しました。

明治維新から第二次世界大戦までの5,60年は「近代化」による脱亜入欧を目指した日本が、第二次世界大戦の敗北により敗戦後の日本の5,60年は軽武装を前提とした「高度経済成長」を確立しました。そして、その時代がバブルの崩壊とその事後処理をしてる最中に終焉した事実を社会全体として共有したんじゃないかと思います。

ここからの10年は、次の5,60年の基本的な方向性をバシバシ決めるときなんでしょうかね。あるべき論は終わったと思うので、バシっと決めて、行動する。そして、それで損をする人、得をする人ひっくるめて、ビジョンを共有しなきゃいけないときでしょうね。


明治維新や敗戦ほどに分かりやすい時代の変革のイベントはないのかもしれないけれども、いろんな歴史的な転換点が今僕たちの目の前では結構起きてるんじゃないかと想います。


そのいくつかの論点がコンパクトに本書ではまとまってると思います。



個人的に思うのは、長期の利益のために、目先の損をいかに我慢できるのか?もしくは、我慢させるのか?というのが大事だと思いました。

明治維新の時、そして、第二次世界大戦が終わった時には、今の欲望を我慢してでも未来作りのためのリソースをしっかり捻出していたと思います。未来に希望があったから、もしくは、未来への希望を共有できていたから、我慢できたんでしょうね。貧しかったので、我慢するしかなかったっていう現実もあったんでしょうけど。

しかし、昨今は、将来を見据えれば危機感を持たざるをえないヤバい!と思えるような現実はたくさんあるものの、今は別にヤバくないので、未来のために我慢をするモチベーションが社会全体として高まっていないような気がします。


これからの5~60年の日本の創業者たちは今の10代後半から30代前半の人たちだと思うので、それをしっかり自覚して、ちゃんといろいろ考えて行動しなきゃいけませんね。


アジア戦略

2006-01-03 13:58:40 | 書評
この本も5年前に買って、実家に眠っていた本です。
当時、うちの会社の理念になっている「アジア」について歴史的かつ大局的な理解を深めたくて買った覚えがあります。



アジアって言葉が指し示す対象が何なのか、誰が何のために使い始めた言葉なのか、実は十分に理解できていないことに気付きました。

本書は、地理的に歴史的に捉える1つの参考になりました。

シンガポールを中核としたラッフルズのアジア制覇の戦略構想から始まり、第二次世界大戦後にアメリカのプレゼンスが圧倒的となる流れの中で、どういう力学で何が起きたのかを大局的に書いてあります。こうしたアジアの流れに興味を持ち、理解するきっかけになりそうです。

ポルトガル・スペイン・オランダというイギリス以前の欧州列強による前近代的植民地支配、ラッフルズをはじめとするイギリスによる近代的かつ合理的な自由貿易&文明開化による海の帝国形成、大日本帝国による大陸進出・南進戦略とその崩壊、アメリカそして東西冷戦によるアジア戦略、そして、戦後の日本のアジアで果たした役割、これからの役割が書かれています。

商業主義的「海の帝国」、農本主義的「陸の帝国」という二つの力学があるというのは面白かったです。

まあしかし、相当に古くからアジアビジネスというのは中国という大市場を中心においた戦略で組み立てられてきたんだなあということを改めて感じました。

僕自身のアジア戦略にもいくつか参考になりました。

ネットバブル

2006-01-01 23:17:02 | 書評
正月で実家に帰ったときに見つけた本。

ネットバブル真っ只中の2000年10月に出版された本で、僕が購入したのもちょうどその時期。

当時は途中までで読みかけだったので、5年ぶりぐらいに続きを帰りの電車で読んでみました。

新書なのであまり深いところまでは書ききれていないのですが、懐かしい感じがしました。S田さん叩きが中心になっちゃっているのが、本の品格を多少下げちゃっている感がしました。



社長失格でうまく表現されてたベンチャー企業と金融機関との関係(とても資金調達が難しかった)がたった数年でこうまで変わるもんかねぇという時代の流れの恐ろしさを読みながら感じました。



ついでにこの本を読むと、話がもう少し詳しく見えてくると思います。

当時、当事者としての自分から見ていても、S関連やH関連のマネーが本当に日本中のベンチャーを駆け巡っているなーって感じでみてました。

まあ、しかし、2005年でITベンチャーも本当に新しいステージに入ったなあーって感慨深く思うところと、全然変わってないところ両面ありますね。



これらの本で書いてあるような外部環境の理解も非常に大事だと思うのですが、それ以上に「自分が起業や会社経営を通じて、何を社会に提供したいのか?」という信念、戦略、そして、実現に向けた行動が重要だと思いました。

それがはっきりしていれば、またバブルや不況みたいな大変化が起きてもブレることはなく、やるべきことをやるだけなんじゃないかな。



自分の意志がない限りは、外部環境をうまく活かしたり・かわしたりできないからね。



「何を社会に提供したいのか?」年初にあたり、あらためて自分の心で繰り返してみた元旦でした。