夢への道筋

青臭いけど、人が夢の実現のために発揮できる力って無限。夢を実現するための方法論について徒然なるままに。

起業家が大切にしなければいけないこと

2011-04-03 21:15:58 | ちょっといいはなし
今回の震災は、日本の歴史的転換点になったんだろうと思います。

そんなことを考えながら、久々にブログを更新しようと思いました。

「起業家」について最近感じた3つのエピソードを。

(1)カルチャーについて

母親と久しぶりに話したのだが、超名門校に通っている三男の弟について話をしていたときに、その超名門校は「人のレベルが違う」という話をしていた。
どんなに勉強を頑張っても浮くことはないだろうし、勉強をやらなければいけないという気持ちになる環境なんじゃないかと思うと言っていた。
三男が超名門校に入学した時点で良かったなあと思っていたが、いい校風の学校に入って本当に幸せなことだなあと改めて感じた。

それを聞きながら、会社について考えてみた。

会社って、戦略も大事、お金も大事、提供している製品・サービスも、営業も大事出し、人も大事なんだけれども、やっぱりカルチャーって大事だなと思った。
素晴らしいカルチャーを持った会社は仮に一時的にお金がなくなっても復興できるが、その逆はないだろうなと思う。

思うに、ビジョンがカルチャーを作り、カルチャーが人を作り、人が戦略を作り、戦略が事業を作り、事業がお金を生み出すのがいい循環だと思う。

その会社のカルチャーを統治することが、起業家=創業者にとって結構大事なことなんだと思う。

おそらく、会社の歴史が長くなればなるほど、会社の規模が大きくなればなるほど、カルチャーは効いてくるし、変えるのが難しくなると思うので、何を許容して、何を許容しないのかをカルチャーに植えつけられるかどうかは結構大事だと思う。

起業家の日常的な行動・言動・判断、つまるところ起業家の人柄そのものがその会社のカルチャーに小さくない影響を与えることを自覚する必要がある。

自分が思うに、会社によっていろんなカルチャーがあっていいのだけれども、そのなかでも世の中に必要とされる会社のカルチャーとして普遍的に大事な要素が二つある。

それは、当たり前と言われるかもしれないが、「勤勉」と「倹約」。

いろいろ大事なことは局面局面であるが、会社のカルチャーとして大事なことをつきつめていくと、この2つが本質的に遂行されている会社が生き残り続ける可能性は結構高い。
後は、他の要素は、異文化融合をして多様性を持たせていくのが、会社を長生きさせる秘訣だと思う。

起業家は自分が「勤勉」と「倹約」を身を持って実践しているのかどうか日々問いかけながら、生きていく必要がある。

(2)即興性と計画性

自分でいくつか事業をしてきて感じたことは、成長性に必要なことは計画性(計画立案力・計画進捗管理力)であるが、生き残りのために必要なことは即興性(変化力)であり、この2つは相反する方向のベクトルなんではないかという仮説を持つようになった。

言葉を代えると、成長には、自分たちが伸びる市場に参入し、この方向でいけば右肩上がりになる勝利の方程式(変数とその相関関係)をある程度見極めた上で計画を作り、計画通りに物事をすすめることが大事だ。その道筋さえ見えていれば、後は資源の量(ヒト・モノ・カネ)を投下すれば、だいたいにおいて事業は成長する。(Happyになれるかどうかは一旦おいておいて)
これには、おそらく左脳的な力が重要だ。

一方、生き残れるかどうかは、上記の話とは関係はない。だいたいにおいて事業が死ぬときは、指揮官が想定していない事態がどこかで発生してしまっているからなのだ。その変化に早期に気づければまだいいのだが、だいたいにおいて、すぐに気付けず、気づいたときにはもはや手遅れの時が結構多いのではないか。事前に想定されている事態であれば、組織力でなんとでもなるのだが、想定外の事態が起きたときは組織は脆い。

だから、「いろいろな事態をちゃんと想定しておこう」というのも一つの真理なのだが、もう一つ、想定していない事態に対応できる力も必要になる。

それが「即興性」だ。こっちは右脳的な力だ。

感覚的には計画性は正規軍が得意とし、即興性はゲリラ部隊が得意とする。海軍と海賊とも言い換えられる。

ゲリラ部隊では成長は難しい。というか、無理がありすぎる。しかし、ゲリラ部隊はしぶとい。

起業家は得てして即興性には強い。しかし、計画性に長けている人は限られている。それが、成長し続けられる会社が少ない一因だ。また、創業者が第一線から退いてダメになっちゃう会社もある。それは大きな組織では、時代の変化に対応する即興性が出しづらいからだ。

起業家は、「計画性」軸は人に任せちゃうのがいいのだと思う。その代わり、即興性が必要なシーンでは自分が組織を担保すべきだ。

こういう観点で自分の会社をしっかりと見ることができるかどうかが、起業家がその会社に必要とされ続けられるかどうかの分かれ目だろう。


(3)ゼロの状態を知っているかどうか

起業家が会社をはじめたときはゼロの状態だ。今ではどんな大きな会社もその道を通ってきている。

ゼロの状態を知っていることは、組織の方向性を判断するときに非常に重要だ。

なぜならば、何かをやめる判断をするときは、ゼロの状態よりもプラスになりうるのかそれともプラスには絶対になりえないのかで判断できるからだ。
言葉を代えると、原点をしっているかどうかになる。原点があいまいになると、たいてい組織は迷走する。

明治維新の修羅場をくぐった人たちが引退した日本政府や軍は迷走したんだと思う。戦後の焼け野原で創業した人たちいなくなった会社も同じようなものだろう。

アメリカがすごいと思うところは、アメリカ合衆国の独立宣言が今もアメリカ人もしくは世界の人々が大事にしていて、共感しているからだ。

自分は、自分が立ち上げた事業・サービスがゼロだったときをいつも思い浮かべる。そして、自分たちが世の中を幸せにしている(もしくは幸せにできる確信がある)限りはいいのだが、原点と比較して、その確信が持てなくなると事業・サービスの存続について真剣に考えてしまう。

おそらくそれは経営者的な観点とは違うのだろう。

ステークホルダーの利害を最適化しながら判断するのが経営者だとすると、起業家は自分が事業を立ち上げる前のゼロの状態と比較しての判断力が必要とされるのではないだろうか。
常に原点をアクティブな状態にしておくことが起業家には求められる。


今回の震災でが、いろいろな人達の原点になるのではないかと思う。



















起業家としての戦い方

2009-12-13 22:39:58 | ちょっといいはなし
時代を先取りし過ぎて負けるのは起業家らしい負け方だ。時代に追いつけず負けるのは起業家ではなくなってしまった瞬間だ。

時代を先取りするにしても最低限のルールがある。それを板倉氏の
「社長失格」を読んで学んだ。

①外部資金に依存しない(コントロールできる範囲しか調達しない)
②市場規模を無視した予算(特に売上計画)をつくらない
③顧客、従業員を軽視しない(VC、銀行、證券、メディアばかりに時間を割かない)

この3つさえ出来ていれば、あとは自分の信念を世に問うために邁進するのみ。

経営と仕事の違い

2009-12-12 04:15:03 | ちょっといいはなし
今日はタクシーの運転手からのいい話を聞けた。神の啓示かもしれないと思った。

このタクシー運転手は、資産家で、年に3本ぐらいの設計の仕事をしていて、家族5人のガソリン代だけで毎月25万円ぐらい使っていて、奥さんはジャガーに乗っているらしく、彼は仕事をする必要がないのだが、2年ぐらい遊んでいたら、人間がダメになってしまったので、毎日仕事をする必要性を感じ、タクシー運転手をしていると言っていた。

彼は、自身はITのことは分からないが、ITの会社の経営をすることは出来る自身があると言っていた。彼自身は、設計の仕事をしていたときに、設計の仕事は良くできたが、経営がその当時出来たかというと、経営はできていなかったと言う。


彼は、「仕事」と「経営」の違いに気づいたという。

僕は彼に「経営とは何ですか?」と思わず本気で聞いてしまった。
彼は、「ヒトをつくることとヒトを使うこと、それに人間性を磨くこと」だと答えた。思わず僕は「深いですね。」と言ったら、彼は「これは当たり前のことで、実は浅い話だよ。」と返されてしまった。

「孫さんや三木谷さんと同じぐらい堀江さんは頭がいい人だったが、人間性では彼らの方が上だったんだろうね」と言っていた。


そして「仕事ができる社長は多いが、経営が出来る社長は少ない。」とトドメの言葉をもらった。

要は「ヒトをつくることとヒトを使うこと、それに人間性を磨くこと」のはずなのだ。

今日は、何だか原点を改めて考えさせられるきっかけをもらった。

事業の質

2009-11-15 22:58:22 | ちょっといいはなし
システムをつくるときには、提供する機能が同じだったとしても、同時アクセス数や会員数によって、難易度が大きく異なる。

少ない同時アクセス数や少ない会員数では発生しなかった問題が大規模なサイトでは発生するし、気にもしていなかったことを気にしなければならない。システムテストの内容も異なる。かかわるプロジェクトメンバー数も多くなる。


小ないユーザー数ではシステムがうまく回っていたとしても、ユーザー数が増えた途端にシステムにいろいろな隙がみつかってしまう。インデックスをはり忘れたり、apacheの設定が甘かったり、ロードバランサーの設定も大雑把過ぎたり、テーブルレイアウトがもう少し工夫できたり、そのコードはそうは書かないだろうという細かい実装の問題だったり。。。

そうしたシステムは、たとえビジネスとしてその規模の想定している範囲内においてうまくまわっていたとしても、ユーザー数が増えるとともに隙をつぶして進化し続けたシステムに比べると結局のところ質はよくない。



最近これって事業にもあてはまると感じることが多い。

売上・案件数が少ないうち、クライアント数や社員数などかかわっているステークホルダーの数が少ないうちには気づかなかった問題が事業が成長するとともに、いろいろ発生してくる。


まったく同じ機能を提供する事業だったとすると、売上1億をまわしている会社と売上100億をまわしている会社では、社員数やクライアント数の違うため組織設計や業務設計はそもそもおおきく異なるだろうし、それだけでなく、クライアントに対するコミットメントや社員に対する期待値も結構大きく異なることが多いと思う。

一概に売り上げの大小で決まるとも思わないが、一般論として売上1億の会社よりも売上100億の会社の社会的責任はかなり重いからだ。


No.1になるためには、その事業領域で最も責任意識の強い会社にならなければならないと思う。No.1になるためには最も強い意識を持たなければ顧客の絶対的な信用は得られないだろうし、No.1の会社に対しては顧客もより厳しい要求をする。

これを乗り越えられてこそ、高い「事業の質」になると思う。

この責任を果たす覚悟がない会社は、事業の質は上がらないだろう。

価格を下げることで多少のミスには目をつぶってもらおうという意識を持ち、それがさらなる価格の下落につながってしまう状態は、極めて低い事業の質だと思う。そんな事業は持続可能ではないというのが競争原理なんだと思う。



自分のやっている事業が2倍・5倍・10倍・100倍になったときに、どのような「事業の質」が求められるのかを真摯に考えて、着々とそれを実現するための準備を進めていくのが事業の責任者のあるべき姿なんだろうなと思います。


今週の気になる数字

2009-11-15 22:18:03 | ちょっといいはなし
最近、新聞やWEBのニュースで気になる市場数字をクリッピングしていたのですが、その一部を列挙してみます。

■今週の日経新聞で気になった数字

<11月8日(日)>
ホンダ国内生産の輸出は08年5割超→2割まで減らしたい(伊東社長)

<11月10日(火)>
上位10車種販売台数シェア 07/10:30%未満→09/10:40%以上

中国自動車販売台数1月~10月累計1089万台(年間1300万台突破見通し)

<11月11日(水)>
車・電気10年3月期費用削減約5兆3600億(従来の120%積み増し)

10月工作機械-42.6%(昨年同月比)国内-55.8%/海外-32%

09年9月時点スタバ1.6万店(うちUS1.1万店)

インスタントコーヒー市場210億ドル(世界)21億(JP) 6億(US) (シュルツCEO)

<11月12日(木)>
全国コンビニ店舗数4.5万
 セブン 28%
 ローソン 22%
 ファミマ 17%
 サークルKサンクス 14%
 ampm 2%

マツダ09年度中国販売18.5万台(昨対比37.5%)

インド10月新車販売16.8万台(昨対比33%)4-10月累計105.2万台
ベトナム0月新車販売1.2万台(昨対比103%)

<11月13日(金)>
ソニー連結売上の2%程度が情報システムに投じており保守や運用にかかわるコストは年間1000億円を上回っている。
HP:05年に売上高の4%だった情報システムの運用コストを08年には同2%以下に抑えたという。

電報:市場規模は現在520億円 (ソフトバンクが参入)

<11月14日(土)>
全上場企業4-9月売上199兆(-22.6%)経常利益5.4兆(-60.8%)
※業種別では「医薬品」のみプラス
全上場企業09/04-10/03月売上423兆(-12.0%)経常利益12.0兆(1.4%)

コンビニ都内店舗数
 セブン 1650
ローソン 1250
 ファミマ 1150
 ampm 550
 サークルKサンクス 650
「コンビニは5万店舗で完全に飽和」(ファミマ上田社長)
電博ネット関連の売上高
D 9年3月期1500億→14年3月期2500億
H 9年3月期600億→14年3月期1200億

<11月15日(日)>
冬のボーナス 736,453円昨対比-14.04% 夏比0.67 平均年齢38.3
08年度ホンダ二輪車地域別販売台数
 アジア 752.3万台(昨対比13%)
 日本 23.2万台(昨対比-25%)
 北米 32.0万台(昨対比-29%)
 欧州 27.6万台(昨対比-12%)
環境関連VC投資09/1-3月 11億ドル 09/7-9月17億ドル


今週のマネージメントに関する考察

2009-11-08 23:52:33 | ちょっといいはなし
季節は冬に入りそうで入らない感じですね。今週感じたこと。

1)「血の量」と指揮官の判断
人間は目の前で流れている血に関しては感情的に反応する。その対策は迅速に行う。目の前の人の痛みには敏感だ。しかし、目の前で血が流れていることがその組織にとってどれだけの重要性なのかを冷静に判断することは難しい。そして、血の流れている量そのものが組織の重要性を乗っ取ることもある。目の前で血が流れている問題が組織の生き死にどれだけのインパクトがあるのかを指揮官は正確に判断する必要がある。太平洋戦争の小説を読みながら、自分の目の前の問題を振り返り、それを痛感した。「今日の痛み」より「明日の死」が大事なのだ。

2)人の気持ちが分かる指揮官について
人を使う立場にある人は自分のことを犠牲にしてでも組織のことを優先できる人が望ましい。しかし、自分の気持ちや痛みに鈍感だったり、麻痺している人は十分に気をつける必要がある。人を使う立場にある人は人の気持ちや痛みを分かる必要があるからだ。自分の痛みが麻痺している人は、表面的にしか人の痛みを理解できない可能性がある。したがって、自分の痛みに麻痺しておらず、自分のことを大切にできる人が人を使う適任者なのかもしれない。

3)誤った指示 < 放任・放置
誤った指示を部下にしてしまうことは当然ながら上司としてNGだ。しかし、部下を放任したり、放置をしている上司はさらによろしくない。誤った指示は修正できるが、指示をしていないとそもそも組織としての学習ができない。自分が預かった経営資源を有効活用することを放棄している。誤りを修正できる賢明さを持ってさえいれば、誤った指示は指示をしないことよりも歓迎すべきだろう。

4)イノベーションが起きる組織

だいたい下記の5つのステップを踏む必要がある気がする。
改めて列挙してみると、簡単じゃないですね。

 A)イノベーションに使えうる素材を知っていること
 B)イノベーションを起こせる人たちが顧客ニーズを知っていること
 C)顧客ニーズとイノベーションの素材を正しくリンクすること
 D)そのプロトタイプ版を作り、ゲリラ軍でトライアルすること
 E)正式版を作り、正規軍に導入すること

5)仕事で数字を扱う場合の原則

サイバーエージェントの西條専務の数年前のブログに数字の扱い方という記事がある。仕事で数字を扱わない管理職・経営者はいないと思うので、一読の価値があると思います。


11月07日(土)のつぶやき

2009-11-08 00:14:44 | ちょっといいはなし
06:27 from Echofon
最近、IBMがなぜかresearchliveによく登場する。RT @researchlive: IBM opens analytics support centre in India http://bit.ly/3S6wAq
08:08 from Echofon
日経一週間分復習。各企業、費用削減が進み増益傾向。増収材料は政策、環境、新興国のみ。米国消費に明るい材料が欲しい。九月の輸出はいい感じだったのか?
by robowatanabe on Twitter

選択の重み

2009-11-07 10:30:43 | ちょっといいはなし
日経新聞11月7日9面:共産陣営崩壊から20年の教訓
ポーランド映画監督アンジェイ・ワイダ氏インタビュー

---自由のある現在のポーランドをどう見ていますか?
「自由をどう使うかは一人ひとりが決めることだ。自由を手にすることは選択の重みが生じること。私は当時、人々は全員が自由を望んでいるのだと考えていたが、そうではないことに気付いた。旧体制では考えたり、決断したり、行動したり、熱心に働いたりする必要がない。覚悟の要らない、そんな旧体制に居心地の良さを感じる人々が予想以上に多かった」



「自由 = 権利」はある一面では事実だが、権利を行使するには【選択の重み】が伴う。選択の結果に対する責任を自分で取らなければならないからだ。この意味を権利を持つ人がどれだけ正確に理解できているかで、社会や組織の民度(レベル)がわかるような気がする。

「決断したり、行動したり、熱心に働いたりする必要がない」という組織は、生き残れないんだなということも感じた。

「旧体制に居心地の良さ」は人間の本質の一面であり、この側面を見逃しても、組織は束ねられないと思った。

考えさせられる記事だった。

11月06日(金)のつぶやき

2009-11-07 00:13:59 | ちょっといいはなし
00:16 from web
これくるかな?
Conversition adds subs option to Twitter monitor | News | Research: http://bit.ly/4pSq9D via @addthis
00:27 from web
Edyと楽天、何が起こるのか?
02:32 from web
学校で教えてほしかった。ビジネスパーソンには義務化してもいいぐらいの素晴らしい本。

小宮 一慶 (単行本 - Aug 6, 2009) の '日経新聞の数字がわかる本 「景気指標」から経済が見える' を Amazon でチェック! http://bit.ly/1wXLLf
20:54 from web
重大なことを考えるとき、会社で夜を徹して考えながら疲れきって寝袋で仮眠をとると、起床時に必ず頭の整理ができていて、腹がくくれていることが多い。自分の中での結論:「迷いがあるなら、徹夜して考え抜け!」
21:50 from Echofon
やばい!最近会ってない。


by robowatanabe on Twitter

本気度

2009-11-01 23:50:34 | ちょっといいはなし
先週一週間で感じたリーダーとして大事なこと。

それは、「本気度」だ。

スポーツチームにおいて監督やキャプテンがリーダーシップを発揮するとき。それは、「あの人が誰よりも勝ちたがっている」と誰からも思われることだ。それはその人が、勝つことに一番本気だと思われている。

政治家であれば、「この国を絶対豊で幸せな国にする」だとか、企業経営者であれば、「絶対成長させる、絶対成功させる、絶対No.1をとる」といった、目標や結果に対する確約度合いが「本気度」だろう。

本気度はリーダー自身が「見せる」ものでもあるだろうし、周囲に「見える」ものでもある。

本気度って、いろいろある。
スピード感は非常に大事。のろのろしていては、本気度が伝わらない。
一方、継続性も大事。長く続かないことには、本気度は伝わらない。
継続性と近いのは、頻度や繰り返しの回数。すげー頻度ですげー繰り返されていると本気さは伝わる。一方、頻度も少なく、繰り返されないことはに本気さはない。
それとまたちょっと違うのは、「詳細さ」。詳細をすべて知っていると本気さは伝わるが、漠然としか知らない人からは本気さは伝わってこない。
詳細さに関連するのは、「基準が明確」かどうかだ。何をもって受け入れられて、何をもって許容されないのかの基準が明確であり、許容されないことは何があっても情けでは許容しないことは、本気さを示す一つのあり方だ。「基準があいまい」「何でもあり」では本気さは伝わらない。
基準にもつながるが、「成功した時に得られるもの/失敗した時に失うもの」を具体化することでもコトの本気さは伝わる。何が得られ、何を失うのかが不明確な戦いは戦う意味が分からないからだ。
どれだけ「ヒト・モノ・カネ」などのリソースを配置するかも本気度があらわれる。
ヒトを使っていく際に気をつけなければいけないことは「本気でヒトに求める」ことだ。赤の他人だと思って中途半端に遠慮するぐらいなら、使わない方がいい。許容すること許容しないことを事前に明確にして合意をした後は、許容しないアウトプットを出された場合には許容できるアウトプットが出るまで妥協してはいけない。これは仕事を依頼する側と依頼される側の戦いでもあり、その戦いをぬるくしてしまうと本気さは消滅する。そして、組織は成長しない。
最後に大事なのはリーダーが逃げないこと。逃げ腰、責任逃れが少しでも垣間見えると本気さは水の泡になる。あらかじめ言い訳を考えていたり、できない理由を自分ではなく他人や環境に求めてしまうとどんどん逃げ腰になる。不測の事態が発生したとしても、正面から向き合い、あらゆる手を使って障害を取り除こうとすることで、逃げない姿勢であることを自他ともに認めることになる。


いろいろつらつら書いてみたが結局「リーダーが逃げないこと」が大事。
その他は、逃げないことの裏付けでしかないかもしれない。

自分の周囲にいるリーダーたちが「逃げていないかどうか」をチェックして欲しい。

そして、あなた自身が逃げていないかどうか。あなたの人生のリーダーはあなた自身だからだ。


起業当初のアーリーステージの振り返り

2009-10-23 22:17:43 | ちょっといいはなし
最近、会社のステージが変わったこともあり、会社設立当初を振り返ってみた。

<ありがちな傾向>
・重要な経営指標は、キャッシュフローがプラスになること。それ以外はなかなか頭が回らず、すべて結果論。
・計画との差異を追求するよりも、結果よければすべてよし。あとは、夢のような成長率を熱く語れていればそれでいい。
・経営陣はスケーラビリティを求めるが、現実はカスタマイズで顧客の要望を満たさないと売上が上がらないので、カスタマイズ路線に流れる。
・カスタマイズをして売上をたてていると、なんでも屋になってしまい、何にフォーカスしていいか売上から判断しようとしても判断がつかなくなってしまい、リソース配分を見誤ってしまう。
・品質よりも要求された機能が実現できているかで精いっぱい。
・頭が働き口がうまい社員より、手足を動かし汗をかける社員が評価されやすい。かつ、頭が働き口がうまい社員と手足を動かし汗をかける社員はなかなか協調しない。
・出社時間や社内の申請書など細かいルールを守らなくても、徹夜で無理をすれば何事も許される。
・資金調達は、緻密な合理性よりも、多少の現実感さえあれば、勢いと迫力が重要。
・効率の問題で、小さいお客さんでヒットを積み上げていくことよりも、大口顧客・戦略パートナーでホームラン狙いをするので、営業組織は育たず、トップセールス依存型。
・技術と営業とオペレーションはなかなか分業できておらず、少数のエースでなんとか仕事がまわる。業務フロー・マニュアルは存在しない。
・人を育てることよりも、即戦力を求める。コネでの採用は成功確率や定着率が高いが、公募は採用しても定着させるのが難しい。採用プロセスは、場当たり的。
・何事もはじめてで、手慣れていないので、すべてがバタバタしている。とても頑張っているが、生産性が高いかどうかは確信できない。
・設備投資は、このタイミングで大規模なものを行うと外す可能性が高い。とにもかくにもプロトタイプ(試作)を売った方が安全。
・競合が誰と問われても、誰だかよくわからない。市場規模も緻密には答えられない。
・社風・企業文化に関して関心は払われない。
・経営理念は存在しない、もしくは、文字が存在しているだけで軽視される。
・夢ばかりが膨らみ、たくさんの事業を手掛けようとしてしまう。
・顧客に対する価値が何なのかをしっかりと把握できていないのに、自分たちがやりたいことを顧客に押しつけようとする。
・いろいろ頑張るが、なかなか結果が出ずに、預金残高だけがどんどん少なくなり、焦燥感で心の余裕がなくなる。

<もう一度当時に戻れるとしたら、何を重視するか?>
・どのような会社にしたいかをとにもかくにも熱く語り尽くす(特にどのような価値を提供していく会社にしたいか?)
・社員・役員に求めるものを明確・頻繁・丁寧に厳しく伝えていく。逆に、会社・仕事へのニーズをしっかり引き出す。
・売上はなんでもありではなく、自分たちの強み(独自の付加価値)を活かした事業での売上を大事にする。


あらゆる可能性を議論し尽すこと

2009-10-22 22:54:11 | ちょっといいはなし
最近、仕事をしていて、大事だなと感じることの一つに「あらゆる可能性について議論をし尽せているかどうか」がある。

環境が激変し、辛い状況・苦しい状況に追い込まれると、慌しくなり、心の余裕もなくなり、限られた選択肢の中からしか、ものごとを選択できなくなり、かつ、その選択も誤る可能性がある。

最近、太平洋戦争に関する小説やノンフィクションを読んでいたのだが、あの当時の日本はまさにそういう状況になってしまったんだと思う。


ちょっとした違和感を見逃したところから、徐々に事態を悪化させてしまうケースはよくあるような気がする。


その違和感を見逃さず、360度から見つめ直し、対策を考えることで、次の一手が見えてくるのだが、ちょっとした違和感は見逃しがちだし、発見できたとしても360度から見つめ直すことは難しいし、さらに対策を発見できたとしても、実行が不十分なことも結構ある。


違和感は、その組織の指揮官が、常日頃から、よく観察することが出来なければ、発見できない。

そして、違和感を発見したら、あらゆる可能性を議論し尽くす習慣を持つ必要がある。


議論は、組織の頭脳を総動員する必要がある。

指揮官一人の頭では、自ずと限界がある。
自分の経験や余計なプライドで、偏った不適切な判断をしてしまうこともあるし、現場の細かいことを把握しきれずに甘い見通しをしてしまうこともある。新たな事態に対して、疲弊したり、混乱していたり、慌しいと、ついつい議論すべき「可能性」を見逃してしまいがちだ。

指揮官は、あらゆる可能性を議論することが「正しい」と皆が理解する環境作りや生産的な議論がなされる環境作りをすることが出来ていれば、それで必要条件は満たされると思う。

そのためには、不断の観察・想像力、議論をするチームの信頼関係・リテラシーを養わなければならない。


危機的な事態が発生する前に多少なりとも準備できていれば、相当なことは乗り越えることができる。しかしながら、準備が全く出来てないことへの対応のクオリティは極めて低いケースが多い。また、準備をしている過程で思わずブレークスルーを発見することもある。


不況の時期に感じるのは、「変化への対応」が極めて重要だということだ。

それが出来ていない組織は、現状に満足しているか、諦めて現状を許容してしまっているのではないだろうか。

そのマインドでは、根拠のない虚勢をはる「非現実的な楽観主義者」になるか、愚痴しか言わない「ネガティブな評論家」だったり、問題を先送りして「自分の出来ることだけやります」といい本当はもっと大事なことがあるのに目前のルーチンワークだけやる「生真面目な現実逃避者」だったりする。

だいたい違和感は環境の変化から生じる。環境の変化に対しては、見逃してもNG、気づけても動けなかったらNGだ。

そのためにも、組織の指揮官には「あらゆる可能性を議論し尽す」組織風土作りが求められる。