夢への道筋

青臭いけど、人が夢の実現のために発揮できる力って無限。夢を実現するための方法論について徒然なるままに。

日本、調子いい?

2006-02-25 12:24:20 | ちょっといいはなし
今日の日経新聞朝刊の一面を見て、ポジティブになった人は多いかな?

三菱UFJとみずほ、米に金融持ち株会社

バブル崩壊の痛手から完全に抜け出したという印象を持てた。

地方景気「好転」71%・日経調査、近畿・北陸で改善顕著

電機や電子部品産業の好調な北陸・近畿が特にいいらしいとのこと
すばらしい

それに関連して、

液晶テレビの世界シェア、ソニーが初の首位に・10-12月

よしよし。

そして、「続ニッポンの力」では、『「すそ野」は世界を制す』とありました。

「すそ野」とは、完成品メーカーを頂点としたピラミッドで、その底辺を支える材料・装置・部品メーカーのこと。

経済産業省の調べでは、日本の完成品メーカーの世界シェアは27%。それが電子材料になると65%になるとのこと。

世を騒がすiPodが頂点の携帯音楽プレーヤーも、すそ野を含めると半導体の材料でシェア7割、素材によっては9割とのこと。

こうしたすそ野では、安い労働力だけでは太刀打ちできず、完成品メーカーの要求に応えるための努力の長い年月の積み重ねの結果が求められるとのこと。

技術立国ニッポンの地道な努力の積み重ねがこうした結果に結びついてるんですね。

上流工程の仕事やマネーゲームがもてはやされる中、非常にいい話だなあと思いました。

人に出来ないことをしっかり出来るっていうのが大事かなと思いました。

ITベンチャーもこれは一緒ですね。



あとは、荒川選手の金メダル。
アメリカ、ロシアの強敵を抜いての金メダルは立派。他の競技ではメダルがなかったし。


これだけ見るとなんかGood Newsばっかりで、ポジティブシンキングのいい週末になりそうです。

僕のベンチャービジネスあるべき論

2006-02-20 23:59:26 | ちょっといいはなし
今週末、この本を読んだ。



検索エンジンの歴史について書かれていた。

アルタビスタ、Yahoo、Google、オーバーチュアなど検索エンジンビジネスの変遷が書かれていた。

本を読んで思ったこと。
なぜ日本にJerry Yang & David FiloやLarry Page&Sergey Brinが登場しなかったのか?

彼らの意義を整理すると1)自らの大学時代の研究活動をベースに、2)インターネットの技術を駆使し、3)卓越したビジョンを形成し、4)世界に冠たる企業の創業を行い、5)今も創業した会社で指導的立場を担っている、ことだと思う。

日本でも同じような方向性で起業を試みた若者たちは星の数ほどいたはずであるが、上記の5条件を満たしている人物を見たことはない。

何が駄目だったのか?
実際にJerry Yang & David FiloやLarry Page&Sergey Brinと同じ場所で同じ時間を過ごしたことはないので、今はまだ推測だが、僕なりにこの10年の活動を経て、仮説を持つに至った。それを総括することは、僕のこの10年の時間の総括になり長くなり過ぎるので、また別の機会にしたい。

まず最初に断っておくが、日本でも大成功をしているベンチャー起業家・経営者はたくさんいる。これは、まず誇るべきことで、日本が駄目である根拠にはならない。というか、東証マザーズ・NASDAQ Japanの創設やゼロ金利だった時代背景がかなりプラスに働いたのだと思う。ライブドアショックでその弊害も顕在化した。これはこれで修正すればいいだけのことだと思う。

しかし、それででも、僕が上記に指摘した5条件を満たした人物や会社は日本発ではまだ登場していない(僕が知らない・気付いてないだけかもしれないが)。

僕の仮説の一部を紹介したい。

何が違うのか?

1)学生起業家の意識&役割
 日本では、オーナーであること(資本を提供する役割)、経営者であること(株主・従業員・顧客などステークホルダーの利害を最適化する役割)、事業構想力があること(事業企画・ビジョン形成をする役割)、の3つが求められる。そして、起業家もこの3つの役割を果たすことが基本的な使命だと疑わない。
 しかし、僕に言わせると、3つの役割はそれぞれ別の能力や経験が必要で、3つを兼任することはかなりの経験を積んでも困難を極める。
 しかも、小さなビジネスを大きなビジネスに育てあげるリーダーが3つとも兼任するのは事実上、ミッションインポッシブルに近く、それが出来る人は天才である。


 3つを兼任しなければ自分の想いを潰されてしまう恐怖感もあるだろうし、3つを兼任した方が自分のペースで出来るという考えがあるのは非常に良く分かるが、ビジネスのステージが上がれば上がるほど、企業の社会性が増すが故に結局自分ひとりで判断することは非常に難しくなる。一人で判断するにしろ、非常に高い見識がないと、最後には追い出されてしまうだろう。

 僕はどれが偉いとか得だとかではなく、分業をして、新しい時代を切り拓いたり、今の社会の問題点を解決することに自分が出来る全力を尽くすことが大事だと思う。


 僕の個人的な考えだが、若き起業家こそ、高級外車に乗ることやいいマンションに住むことやプライベートジェットを持つことをモチベーションとするのではなく、どれだけ自分の能力を社会の進歩や幸せに貢献できたかを誇りにすべきである。


2)大学
 我が母校も日本の中では非常に優れた環境を提供していたと思う。しかし、Jerry Yang & David FiloやLarry Page&Sergey Brinの母校には適わない。
環境もそうだが、学生の質でも負けていたんではないかと思う(言いすぎ?)。

 HPにはじまり、Sun Micro/CISCOなど数えるときりがないが、ベンチャービジネスにおいて、大学の果たす役割は非常に重要であるが、日本では果たしてそうなのだろうか?

 日本では、大学ではなく、社会人経験者で比較的大きい企業のスピンアウト組の成果がめざましい。日本のベンチャーはビジネスモデル企画能力よりもビジネスモデルを完成度高く実行する経営能力で勝利している企業が大きいような気がする。

 大学のせいだけにするのではなく、僕たち卒業生のアウトプットも大事だろう。

3)ベンチャーキャピタル(&金融機関)

 マネーゲームをしているだけのベンチャーキャピタル、旧来の銀行と同じようにお堅い手続きだけ踏んで低リスクに利ざやを稼ごうとするベンチャーキャピタル、リスクはベンチャー起業家に最大限押し付けるベンチャーキャピタル。

 志の低いベンチャーキャピタルからは、志の低いベンチャービジネスしか生まれない。

新しい時代を切り拓くための志を持って、かつ、しっかりとしたベンチャーキャピタルとしての専門能力を活かして、立ち振る舞うプロのベンチャーキャピタルが必要だと思った。

僕は、経営者や従業員からは、冷酷かつ厳しく見えてもいいと思う。
アマチュアではなくプロとして真剣に仕事をするベンチャーキャピタルであれば。

4)経営者
 20代でまともに経営者はそれほどいないし、出来ていたとしても、まあ脇は甘い。人間としては元気が良くても、経営者としてはまだまだ隙がある連中がほとんどだと思う。

 さきほども述べたが、起業家と経営者に求められるものは違うのである。
日本では、オーナー兼CEO兼ビジョナリーという三位一体の人物が会社のリーダー像としては基本形だという受け止められ方をしているような気がする。したがって、会社が倒産したり、会社を売却しない限り、中核の経営者はなかなか会社を離れない。

そういった背景から、転職がこれほど一般化しているにもかかわらず、流動している質の高い優秀な経営者はまだまだ少ないような気がする。

もっともっと流動する経営者が増えるべきで、プロの経営者が増えることが確実に産業を活性化すると思う。

 また、若き起業家と遭遇したときは、後輩を指導しながら経営者として起業をサポートしてあげるぐらいの挑戦心に長けた大人がたくさん登場するべきだろう。



あと、製造業は輸出産業として世界での厳しい競争で戦ってる割に、日本のベンチャーはどうだろう?

大きい課題だと思う。

まず日本を制覇してからでなく、アジアで世界で、最初から勝てる設計をすべきだろう。



ふー、一気に書いてしまった。

これらはまだ僕の仮説だし、まだ仮説の一部。
もっとたくさんの経験やもっとたくさんの世界の事例を見ながら、仮説の検証をしていきたい。そして、今の僕にもっと社会に貢献するために何が出来るのか、イメージを広げていきたい。


勝利の哲学

2006-02-15 01:21:20 | 書評
僕はチームで勝利を目指すことが人生で最も生きがいを感じる行動の1つです。
チームで勝利を目指すうえで、必要な哲学が記してある本は古今東西いろいろあると思うのですが、僕が一番好きな本はこの本。





僕が最も熱くなった漫画の一つは、スラムダンク。
なぜ熱くなったか。語りだすと長いのだけれども、その理由をこの本はうまく説明してくれている。

僕が会社で大事にしているのは、第13章「本物のチームワークとは?」

キーワードは3つ。

1)信じ合うこと
2)自己犠牲
3)与えること


ちなみに題材は28巻。
山王戦で、三井は限界を超えた疲労の中、桜木のリバウンド、赤木のスクリーンアウトにより、3ポイントをバンバン決める。
それは、三井が意識朦朧とする中、桜木・赤木などチームメートを心の底から信じて、自分の出来るベストを尽くしているから。

信じることの出来るチームメートとプレーが出来るから自分の限界を超えたプレーをし、卓越したパフォーマンスを発揮する。

Excellentなチームにのみ許される光景です。

会社でもスポーツチームでも、頑張ってて良かったと思える瞬間は、こうした光景に当事者として参加できるからなのかなって思います。

一人一人がチームに貢献するだけの力量がなければ参加する権利はないんだけど、参加する権利が得られれば一人だけの努力では得られない成果を得られるのが、チームプレーなんでしょうね。

結果とプロセス

2006-02-05 15:43:13 | 仕事術
今週末は非常に日差しが強かったので、夏のころを思い出した。

ちょうど去年の夏真っ盛りの頃に新任の役員と一緒に営業していたときのこと。
「うちの会社は結果重視の文化ですねぇ」
と言われた。

彼曰く、うちの会社の「結果重視」は、結果さえ達成すれば「何をやってもいいんだ」もしくは「やるべきことやらなくてもいいんだ」的な印象を受けるとのことでした。また、こういう仕事のやり方は個人事業者のやり方で、これでは組織は大きく出来ないと指摘されました。そして、「プロセスを大事にすべきだ」と。

「痛いところ突いてくるけど、めちゃめちゃいいこと言う人だなあ」と思いました。

一人もしくは少数チームであれば、エース級の人が一人でスーパーな頑張りを見せてくれさえすれば、結果が出るので、まあ、結果重視でもいいんです。

ただ、これはビジネスとしては、アーリーステージの特徴だと思います。

ステージをあげていこうとすると、1)もっと大きい仕事をする、2)永続性を持たせる、という2つを追求する必要があります。

もっと大きい仕事をしようとすると、もっとたくさんの人間を動員しなければいけません。永続性を持たせようとすると、一人しか出来ない仕事をなくして、業務を(最低)二重化したり、後任への引継ぎをしなければいけません。

そうすると、どうやれば仕事で結果を出せるのか?という「How」をメンバーで共有しなければいけません。そして、仕事を分業する設計をしなければいけません。アーリーステージでは、結果を出すためのノウハウがエースの一人の頭の中にだけあれば良かったのが、ステージをあげようとすると組織にノウハウを実装しなければいけません。

このHowや設計が「プロセス」になります。
このプロセスを踏めば「成功するよね!」っていう認識がうまれると、組織化は一気に進みます。

属人的なビジネスを仕組みに変えるために、プロセス重視の考えはかなり大事です。

ただ、この「プロセス」は人から思考能力や当事者意識を奪う可能性があります。前任者や過去のエースの言われるがままに仕事をし、環境の変化に対して対応できなくなる可能性が大きいです。

楽天の成功コンセプトに「仮説→実行→検証→仕組化」という言葉があります。
僕は、仕事のサイクルは常にこれを大事にしています。自分で経験を積んだり、いろんな人の仕事を見ていて、この言葉の大事さを感じます。

しっかり自分で仮説を立て、それを実行し、検証を行い、それをさらに仕組化する。

まず、仮説を立てて仕事している人がそれほど、多くないと思います。
目先のことをこなすので精一杯の人が多いですね。
次に仮説を検証するために実行をしている人が少ないです。
かつ、真剣に、実行結果を検証している人もそんなにいないし、検証結果を次の仮説作りに活かすという1サイクルをまわしている人もいない。
さらに、仕組化となるとさらに難しい。

僕は、このサイクルをはじめたら、格段に仕事が面白くなりました。
自分の狙った(仮説)通りに仕事が進むと悦びを感じます。
狙いをはずしちゃったときにも、一つ仮説を作っておけば、なぜ外したのか答えが見つけやすいです。

「結果だけ出せばいいんでしょ!」的な投げやりな仕事のやり方よりも仮説を作って、しっかりプロセスを踏む仕事のやり方は面白いと思いますし、この方が結果に対してしっかり責任を取ってることになってると思います。

結果は結果で非常に大事です。
何が何でも結果を出してやろうという執念がある人は、成長がとても早いです。
プロセスだけを重視して結果を重視しない人は、評論家タイプの人に多いです。

僕が言いたかったのは、結果重視・プロセス軽視も駄目で、結果軽視・プロセス重視もどっちも駄目ってことです。

結果もプロセスも自分でしっかり当事者意識を持って重視できる人が仕事で成功するんじゃないかなと思います。

会社の経営に置き換えると、結果だけを重視した会社は、会社のあり方がブレるケースが多くみられます。

 いい例が、ライブドア。週刊東洋経済2月4日号によるとライブドアの昨年度の営業利益貢献度が大きかったのは、ターボリナックス株売却益とMSCB引き受けの二つが圧倒的な割合を占めていたようですね。
 良くも悪くも変化し続ける会社なんだなあと思いました。利益出してるんだから、何が悪いんだって怒られそうですね。