これまでは手帳・ノートを使ったタスク管理を行ってきましたが、3月から様々な試行錯誤の末、Googleの技術を利用したタスク管理方法を編み出したので、紹介したいと思います。
1. 基本概念
Gmailを利用したGTDシステムを自分流にアレンジしました。
主に参考にした参考情報は以下の3つです。
<ツールについて>
・タスクに関する情報をgmailに一元管理します。
・そのための補足ツールとして、Google Calenderを使います。
<運用の基本ルール>
1. いまやらなければいけない仕事は、Gmailの"受信トレイ"に存在するタスクのみである。作業が完了したタスクは、受信トレイには存在させてはいけない。"受信"トレイに存在しない仕事は、今やる必要のない仕事である。
2. タスクは、必ずGmailもしくはGoogle Calenderに必ず登録されている。
2. 準備
(1)タスク管理用のGoogleアカウントを作成する
(2)Gmailの設定 詳細は後述しますが、以下の作業を行います。
1)ラベル作成
2)フィルター設定
(3) Google Calenderの設定 以下の作業を行います。
1) 「設定」→「モバイル設定」でモバイルの設定を行う
2) リマインダーは「モバイル」と「メール」がデフォルトにする。
3. 運用
情報は、以下のカテゴリーに分類できます。
便宜上ここではGoogleアカウント名は"XXX"とします。
A) アイデア これはまだタスクと呼ぶには具体性にかけるが、気になることや思いついたことです。
例)
・タスク管理方法を改善
・体脂肪率がアップしてきた
・英語力UP
事前設定:
フィルタ設定でXXX+idea@gmail.com宛のメールを以下の処理とする。
・受信トレイをスキップします
・既読にする
・ラベル「@Idea」を付ける
入力方法:
XXX+idea@gmail.com宛にメールを出す
アイデアの見出しをSubject欄に記入する
削除条件:
アイデア実行のためのタスクを全て書き出し、XXX+task@gmail.com宛にメールを出したら@Ideaラベルを削除する。全て書き出せない場合は、 @Ideaラベルを削除しない。
レビュー条件:
1日の終わりに、アイデアをタスクにできないかどうかレビューする。
B)やることが明確になっているタスク B-1)期日が決まっていないタスク B-1-1) 緊急度が高いタスク
事前設定:
フィルタ設定でXXX+task@gmail.com宛のメールを以下の処理とする。
・ラベル「@Task」を付ける
入力方法:
XXX+task@gmail.com宛にメールを出す
タスクの見出しをSubject欄に記入する
削除条件:
以下の処理のいずれかを行ったら、「アーカイブ」する。
- @Waitラベルを手動で付ける
- @Somedayラベルを手動で付ける
- Google Calendarでタスクをスケジュール登録する。
レビュー条件:
基本は、「受信トレイ」にタスクを残したままの状態では寝ない。
寝たければ、「受信トレイ」に存在するタスクを削除する。
B-1-2) 緊急度が低いタスク
事前設定:
フィルタ設定でXXX+someday@gmail.com宛のメールを以下の処理とする。
・受信トレイをスキップします
・既読にする
・ラベル「@Someday」を付ける
入力方法:
XXX+someday@gmail.com宛にメールを出す
タスクの見出しをSubject欄に記入する
削除条件:
以下の処理のいずれかを行ったら、@Somedayラベルを削除する。
- @Waitラベルを手動で付ける
- Google Calendarでタスクをスケジュール登録する。
- 作業を終わらせる。
レビュー条件:
1週間に一度全ての@Somedayに存在するタスクに対してこのステータスのままでいいのかを検討する。
B-1-3) 「待ち」状態のタスク
事前設定:
フィルタ設定でXXX+wait@gmail.com宛のメールを以下の処理とする。
・受信トレイをスキップします
・既読にする
・ラベル「@Wait」を付ける
入力方法:
XXX+wait@gmail.com宛にメールを出す
タスクの見出しをSubject欄に記入する
削除条件:
以下の処理のいずれかを行ったら、@Waitラベルをする。
- 作業の完了を確認する
- Google Calendarでタスクをスケジュール登録する。
レビュー条件:
1週間に一度全ての@Waitに存在するタスクに対してこのステータスのままでいいのかを検討する。
B-2) 期日を決めたタスク 事前設定:
フィルタ設定で差出人calendar-notification@google.comからのXXX@gmail.com宛のメールを以下の処理とする。
・ラベル「@Task」を付ける
なお、Google Calenderで登録したメールはXXX@gmail.com宛にリマインダーが送られる設定がされていることとする。
入力方法:
以下のいずれかの登録を行う
タスクの締め切り日時のみを登録:
作業開始日時も作業終了日時も同じ日時としてタスクを登録
例) 「2008/05/01 19:00 ~ 2005/05/01 19:00」の作業として登録する
タスクの作業日時を登録
タスクを処理する作業開始日時と作業終了予定日時を自分で登録しておく
例) 「2008/05/01 19:00 ~ 2005/05/01 21:00」の作業として登録する
削除条件:
以下の処理のいずれかを行ったら、「アーカイブ」する。
- 作業の完了を確認する
- Google Calendarで登録した日時を変更する
レビュー条件:
受信トレイに存在しっぱなしの処理するまで寝ない
4. 運用に関する補足1)作業進捗のUPDATEタスクを一時中断して、別のタスクにうつる場合は、gmailで作業の進捗を「返信」しておくと、作業を再開するときに非常に便利だ。作業途中のファイルを添付しておいても便利だと思う。(ただし、情報セキュリティ・守秘義務上問題のないデータにとどめておくべきだ)
2)作業終了時の処理
作業が終了した場合は、その時点でのメモや成果物のファイルをgmailで「返信」しておくと非常に便利だ。
なお、作業完了の「返信」を行う際は、メールの宛先アドレスを私は以下のいずれかにする。
XXX+ref@gmail.com
今後そのメモやファイルを頻繁に参照する可能性が高い場合は、このアドレス宛に送る。
なお、 XXX+ref@gmail.com宛のメールは"@Reference"ラベルを付けるフィルター設定とする。
XXX+dec@gmail.com
自分が決定した内容(承認した内容・約束した内容など)に関しては、このアドレス宛に送る。XXX+dec@gmail.com宛のメールは"@Decision"ラベルを付けるフィルター設定とする。
3)Ref+Decの処理
XXX+ref@gmail.comやXXX+dec@gmail.com宛のメールは、タスク管理と直接関係がなくても、送信すると情報管理上非常に便利だ。
私は、商談や社内会議の終了後に、メモを簡単に作成し、XXX+ref@gmail.comやXXX+dec@gmail.com宛にメールを送信している。
また、その際に私は自分で全てのメモを入力しているわけではなく、
「他人が作成してくれたメール・添付ファイルをこのアドレス宛に転送する。」「紙で配布された資料もドキュメントスキャナーでデジタル化し、添付する。」などの処理を行っている。(繰り返しになるが、情報セキュリティは気をつける必要がある。)
こうすることで、タスク管理だけではなくgmailが情報管理ツール&ファイルシステムとしても機能する。
4)Google CalenderタスクをGoogle Calendarで登録し始めると、全ての予定をGoogle Calendarに一元管理しないと、結局のところ作業納期が守れずにトラブルに遭遇しやすくなる。そのため、手帳もしくはcybozuなどで管理している他の日程もGoogle Calendarで一元管理することにした。また、その際に私は仕事の予定もプライベートの予定も全て一元管理することにした。
守秘義務や個人情報に関わる可能性のある情報は、イニシャルを利用したり、自分独自の暗号的な文字列に変換したり、工夫をしている。
5) 懸念点(1) 移動中
手帳やノートなどではなくGoogleを利用すると何が問題かというと、ネットが繋がらない場合に仕事にならないということだ。
東京近郊では、E-mobileがあれば、ほぼほぼストレスなく作業ができる。また、ノートPCを広げるのが面倒な場合でも、Gmailなどは携帯電話でも閲覧することができる。したがって、ほぼ問題ないと思っている。
飛行機での移動中や海外で外出しているときに支障がないかは、まだしっかりと検証できていない。
(2) データの冗長化
私は、@gmail.com宛にタスク情報を送る際は、Beckyでメールを作成し、送信している。また、@gmail.comのメールをPOPでBeckyでも受信している。こうすることで、データを冗長化できるとともに、飛行機や新幹線の中では、GmailではなくBeckyにある情報で作業をすることにしている。
6) まとめ
今回紹介したタスク管理方法は、まとめると特徴は下記の通りだ。
・コミュニケーション用途ではなくタスク管理専用のGoogleアカウントを作成する
・Gmail/Google Calenderという2つの無料で利用できるアプリケーションを組み合わせている。特にGmailのラベル・フィルター・スレッド・添付ファイルの4つの機能、Google Calenderのリマインダー機能を有効活用している。
・GTDの概念を有効活用した
・タスク管理の延長線上でファイルシステム機能とスケジュール管理機能もGmail+Google Calendarで実施している。
・Googleの強力な検索機能も活用できるので、いっそう、効率的・効果的な管理が可能。
ただし、以下のデメリットも存在する。
・ネットにつながらないと困る
・情報セキュリティには細心の注意を払う必要がある
皆さんの参考になれば幸いです。