夢への道筋

青臭いけど、人が夢の実現のために発揮できる力って無限。夢を実現するための方法論について徒然なるままに。

上海帰りの飛行機で聞いた話

2006-12-09 20:05:32 | ちょっといいはなし
今週は北京・広州・上海を巡業して、さきほど帰京しました。
北京と広州の温度差に体がびっくりしてしまいました。


たまたま飛行機で隣に座った人が、地方で創業20年超の60代のオーナー社長で、日本の本社で100名、上海で150名ぐらいの会社を経営されているとのことで、ずっと話し込んでしまいました。


彼が言っていた経営の仕事のポイントは3つありました。

1)マーケティング
・どういった業界のどういった事業でどういったポジションを取るのか?
・その業界は、どういう歴史を歩んで、これからどう進んでいこうとしているのか?自社・他社を問わずいろいろな人たちと対話したり、新聞・雑誌・書籍を読んだり、現場の働きぶりや、商況、決算などの情報、などなど可能な情報源から徹底的に研究し尽くして、自らのビジョン・戦略感を絶えず構築し続けること
・上記と重なるが、業界・事業・自社のSWOT分析をしっかり行う
・結果として、どのような領域にどのような質でどのような規模(カネ・ヒト)で戦うのかの方向性を決定する
 
まず、マーケティングから仕事は始まる

2)組織作り
どんなに優秀な人間でも「一騎当千」は実際には難しい。
人間の時間は一日24時間。工夫すれば有効活用できるが、人間の集中力には限界があることを知るべき。

最初は経営者自らが先頭切って奮闘することが重要になるが、客が増え、社員が増え、事業規模が拡大すれば、ヒトに仕事を任せなければ、全ての仕事が中途半端になってしまう時期がいずれ来る。

自分が最優秀選手であるチームから、ヒトに仕事を任せ、自分がフィールドに立たなくても試合に勝てるシステム作りが最重要テーマになる。

マーケティングをして出た計画に基づいて、組織作り・運営に時間を費やす。

組織作りに重要なこと。
(1)信用できる仲間を発見し、巻き込む(採用)
(2)どうすれば仲間に100%以上の力を発揮してもらうことが出来るのか、
   役割分担や仕事のフローを整理したり(組織力向上)、仲間一人一人
   の力をよい向上させれるよう啓発(個人力向上)する。
(3)腐ったりんごは、周囲に悪影響を及ぼす。雑草や害虫を排除したり、
   雑草や害虫の侵入・増殖を防ぐ策を厳しく徹底的に実行する。
(4)組織の使命・方向性・価値観、それから目標に対する進捗を、大げさ
   で、ちょっと頭がおかしいんじゃないかと思われるぐらい、頻度多目
   で繰り返し繰り返し、通達・共有する。(洗脳)
(5)組織作りは、初心者には無理。100名の組織を作るのであれば、100名
   の組織で働いたり、作ったり、指揮した経験者に任せるべき。
   そういった人物が採用できるまでは組織の拡大はしない方がマシ。
   成功体験より失敗体験を持つ人物が必要。成功体験は人を傲慢にするから。
   失敗体験はヒトを謙虚にする。
   ただし、そういった人物とどう信頼関係を保つことができるのか、だけは
   事前に綿密に策を持つべき。それが出来るかどうかであなたがリーダーで
   あり続けられるかどうかは決まってしまうし、それができることが、
   あなたがリーダーである存在意義だ。

理論や理屈でなく、人を魅惑したり、従わせ、この人のためであれば頑張ろう、人生を賭けようという気持ちを持たせるパワーのある経営者がいい経営者だ。学校じゃ教えてもらえない。だから、価値があるんだ。

投資家は、カネを投じて、カネを生み出すが、経営者はヒトの集団を料理して、価値を生み出すのが仕事だ。


3)信用作り

目先の売上げ拡大やコスト削減の施策が、信用を失う結果になっているのであれば、その施策は行うべきでない。


売上げを最大化して、コストを最小化しろとよく言われるが、それだけでは浅はかな考えだ。


売上げを作るのは営業部長の仕事、商品を作るのは生産部長の仕事、経費を管理するのは経理部長の仕事かもしれないが、信用を作るのは社長の仕事。


信用がある会社には、ヒトが集まってくる。ヒトが集まれば、いい商品・サービスを提供する事ができる。そうすれば、客が集まってくる。すると、銀行や証券会社などからカネが集まってくる。カネが集まってくれば、もっといいヒトが集まり、もっといいモノを提供でき、客もカネももっともっと集まってくる。

信用を得るために必要なあらゆる努力をすること、信用を失う事態を招かないよ うに細心の注意払うこと。


決して、No.1営業になることや、No.1職人になることや、経理部長をやることだけが社長の仕事ではない。


いい評判を最大化し、悪い評判を最小化するために何が出来るか、よく考えてごらん。

また、信用を作るためには、自分の会社が日本のために、社会のために、世のため、人のために、何をしているのか、経営者が志を持ち、社内に対しても、社外に
対してもしつこく伝える必要がある。

マーケティング→組織作り→信用作りといった循環が経営の仕事だと教わりました。

そのためにも、日々のルーチンワークに時間を奪われると出来ない仕事だから、どんどんヒトに仕事を任せることを覚えなさいと言われました。


あとは、「40歳になるまでの残りの時間の過ごし方で人生がほぼ決まるから、死ぬ気で頑張りなさい。日本を世界を変えるつもりで大きな志をもって仕事をしなさい。」と言われました。


思わず、ひょんなところで、偶然にも有意義なコトを得る事ができました。

○○社長、貴重なお話、大変ありがとうございました。

謝々。