夢への道筋

青臭いけど、人が夢の実現のために発揮できる力って無限。夢を実現するための方法論について徒然なるままに。

事業の質

2009-11-15 22:58:22 | ちょっといいはなし
システムをつくるときには、提供する機能が同じだったとしても、同時アクセス数や会員数によって、難易度が大きく異なる。

少ない同時アクセス数や少ない会員数では発生しなかった問題が大規模なサイトでは発生するし、気にもしていなかったことを気にしなければならない。システムテストの内容も異なる。かかわるプロジェクトメンバー数も多くなる。


小ないユーザー数ではシステムがうまく回っていたとしても、ユーザー数が増えた途端にシステムにいろいろな隙がみつかってしまう。インデックスをはり忘れたり、apacheの設定が甘かったり、ロードバランサーの設定も大雑把過ぎたり、テーブルレイアウトがもう少し工夫できたり、そのコードはそうは書かないだろうという細かい実装の問題だったり。。。

そうしたシステムは、たとえビジネスとしてその規模の想定している範囲内においてうまくまわっていたとしても、ユーザー数が増えるとともに隙をつぶして進化し続けたシステムに比べると結局のところ質はよくない。



最近これって事業にもあてはまると感じることが多い。

売上・案件数が少ないうち、クライアント数や社員数などかかわっているステークホルダーの数が少ないうちには気づかなかった問題が事業が成長するとともに、いろいろ発生してくる。


まったく同じ機能を提供する事業だったとすると、売上1億をまわしている会社と売上100億をまわしている会社では、社員数やクライアント数の違うため組織設計や業務設計はそもそもおおきく異なるだろうし、それだけでなく、クライアントに対するコミットメントや社員に対する期待値も結構大きく異なることが多いと思う。

一概に売り上げの大小で決まるとも思わないが、一般論として売上1億の会社よりも売上100億の会社の社会的責任はかなり重いからだ。


No.1になるためには、その事業領域で最も責任意識の強い会社にならなければならないと思う。No.1になるためには最も強い意識を持たなければ顧客の絶対的な信用は得られないだろうし、No.1の会社に対しては顧客もより厳しい要求をする。

これを乗り越えられてこそ、高い「事業の質」になると思う。

この責任を果たす覚悟がない会社は、事業の質は上がらないだろう。

価格を下げることで多少のミスには目をつぶってもらおうという意識を持ち、それがさらなる価格の下落につながってしまう状態は、極めて低い事業の質だと思う。そんな事業は持続可能ではないというのが競争原理なんだと思う。



自分のやっている事業が2倍・5倍・10倍・100倍になったときに、どのような「事業の質」が求められるのかを真摯に考えて、着々とそれを実現するための準備を進めていくのが事業の責任者のあるべき姿なんだろうなと思います。