夢への道筋

青臭いけど、人が夢の実現のために発揮できる力って無限。夢を実現するための方法論について徒然なるままに。

日経ビジネス「敬天愛人」vol.9-真心-

2005-12-10 16:22:31 | 敬天愛人


真心について

37条:天下後世迄も信仰悦服せらるるものは、只是一個の真誠也

後世に語り継がれるのは、真心や誠の気持ちがあってのことという意味です。
曽我兄弟についてのエピソードでした。

真誠って言葉がすごなと思いました。

39条:今の人、彩色あれば事業は心次第に成さるるものと思え共、才に任せて為す事は、危うしくして見て居られぬものぞ

「世の中のことは真心がない限り動かすことは出来ない。才識がない限り治めることはできない。」

どちらか片方では駄目で、両方必要。

35条:人を篭絡して陰に事を謀る者は、好しその事を成し得る共、慧眼よりこれを見れば醜状著しきぞ

生死がかかわるときは醜くても勝たなきゃいけないってときもあるのかもしれないけど、もっと上に行くためには直球勝負で勝てるようにならないと安定感がないんでしょうね。

今の姉歯さんの話を見てもそうですが、ビジネスでは、人の欲がダイレクトに絡むお金を扱っているので、真心が消滅すると何も生み出さなくなり、プラスがなくなるだけじゃなく、マイマスの破滅への道が待ってるだけですね。

何が真心なのか常に忘れずに仕事をしたいものです。

日経ビジネス「敬天愛人」vol.8-王道-

2005-11-26 08:13:42 | 敬天愛人


今回は、王道について。

よく比較されるのが、王道と覇道。

言葉のそもそもの意味は以下の通り。

【王道】
 儒教で理想とした、有徳の君主が仁義に基づいて国を治める政道

【覇道】
 儒教の政治理念で、武力や権謀をもって支配・統治すること


今回の記事では、下記の通り。

1)外交の心構え
相手国がいかに強大であろうと自国の正道を貫く覚悟を持って望まなければ、相手に軽く見られ真の外交はまっとうできない。円滑のことを運ぶことだけに終始し、真意を曲げていると最後には相手に支配されてしまう

会社での取引や個人対個人の関係でも同じことが言えると思います。
 
2)万国共通の道
忠孝(国によく仕え、親を大事にして個としての義務を尽くす)、仁愛(他人に対して恵み慈しむこと)、教化(教え導いて善に進ませる)の三つは世界のどこでも共通の天地自然の道である

きれいごとばかりでは自分も身内も守れないという側面もありますが、礼儀正しさを貫くのも中長期的に見ると非常に強力な武器だと思います。

今回の記事では、時の明治政府が欧米列強におびえながら国づくりをしているところや、国全体が文明開化や西洋化といったムーブメントに流されている世相に、危機感を抱いている西郷隆盛の言葉が多かったような気がします。

人からもらいものの価値観や時代に流された価値観では、歴史的に見ても判断基準や行動規範としてだいたい失敗してきたのではないかと思います。

指揮官は、自分の頭や自分の心で、しっかり考え抜いた哲学や思想に基づいて行動すべきだと思います。

自分の中で確信的な哲学や思想がないと明治維新のような大変革期には何を変えて何を変えないべきか判断できなくなって自分を見失ってしまうんだと思います。

自分の中での王道を常にしっかり構築しておくべきなのでしょう。


日経ビジネス「敬天愛人」vol.7-覚悟-

2005-11-20 17:12:20 | 敬天愛人


第7講。覚悟について。

1)国家予算は収入に応じて支出を抑えるもので、支出に応じて収入を増やす(増税)するものではない

2)税金を安くして国民生活を豊かにすることが国力を養うことにつながる

3)正しい道を行っている人は、国中の人に非難されても不満を言わず、国中の人に褒められても奢らない

4)命もいらず、金もいらず、位も金もいらないという人物でしか国家の大業は成し遂げられない

為政者としての覚悟を問う西郷隆盛の言葉でしょうね。

自分の役割や責任に対する覚悟がない人に仕事を任せても、ほぼ失敗しますね。
覚悟を育む機会を持った人だけが、大業を成功させれるんだと思います。

日経ビジネス「敬天愛人」vol.6-大計-

2005-11-20 13:38:34 | 敬天愛人


第六講。大計について。

1)富国強兵というビジョンを掲げたものの、目先の課題にばかり目を奪われる政府の有様を深く案じた

2)自国の文化を知らずに文明開化を行ってやみくもに真似るだけでは国は衰え、文化は廃れる

3)西洋を文明とあがめるだけではなく未開の国に対して残虐なことを行って自分たちを利していることを見逃してはいけない

4)節義・廉恥を失っては西洋各国と同然

今回は以上4点が書いてありました。

「国家100年の大計」という言葉もありますが、目先の利害を無視しても、中長期の目的を達成するのが大計。大計がない組織や指揮官は、今は良くても、環境の変化、状況の変化に対応できない。一朝一夕に大計が創れるものではないけれども、その事実は認識しておくべきだと思います。

日経ビジネス「敬天愛人」vol.5-大義-

2005-11-03 15:21:48 | 敬天愛人

第五講。大義について。

34条、7条、38条の3つについてでした。

1) 作略(策略)は常用すべきものではなく、一時は成功しても、使い続ければ最後は絶対失敗する。競争相手の足を引っ張ることばかり考えるのではなく、競争相手よりも強い力を備えることに集中すべし。

2)策略で一時しのぎをしてしまうと、最後必ずしっぺ返しをくらってしまう。たとえば、不祥事が発生したら隠し通すことはできない。常に原点が何かを考え、それがいかに苦難な道でもそれを選ぶしかない。策を弄して、楽な道を選ぶと待ち受けているのは「死」のみ。楽な道が一見、近道には見えるが、実は原点に戻った行動が一番の近道。

3)日頃から国や世の中のことを憂える真心が厚くなく、ただ時の弾みに乗って成功した事業は決して長続きしない

以上、3点でした。

組織の指揮官をやっていると本当に痛感する指摘です。

やり方のうまさ・下手さというのはあると思うし、なるべくうまいやり方でやった方がいいと思うのですが、策略やタイミング以前に本質的な志や夢や理念は組織を運営する上では非常に重要になってくると思います。

それが「大義」なんだと思います。大義を見失うと、組織や集団というのは欲望のるつぼとなりモラルハザードが生じ、内部分裂や弱者が虐げられ、悲惨な崩壊をするケースが多いですね。

一方で時の権力者が「大義」を振りかざして、弱者を虐げたり、国民に犠牲を強いたり、異文化・異教徒・異民族に攻め込むやり方も人類史上よくある話です。

大義に基づいて行動することも大事ですが、一方で大義そのものも見つめなければいけません。大義そのものを自分の頭でしっかり解釈しないと単なる狂信者集団になってしまいますからね。

組織や社会の運営は難しいですね。

#今週号の日経ビジネスはグーグル・アマゾンの話やヤッパの社長のインタビューなどネットネタ結構面白かったです。

日経ビジネス「敬天愛人」vol.4-利他-

2005-11-03 14:58:07 | 敬天愛人


一週間遅れましたが、第四講。

南洲翁遺訓第21条、第22条、第26条、第24条、第25条の合計5つについてでした。

今回はタイトルは「利他」となっていましたが、僕的には武士道にある「克己」についての解説だったと思いました。

1)謙虚さ、慎重さを忘れ、飛ぶ鳥を落とす勢いだった会社が転落した例をあげ、「己に克つことが出来ないリーダーは、成功はできても成功し続けることはできない」ということ

2)企業・団体の不祥事で右往左往しながら頭を下げているトップを例にあげ、「場当たり的に克つのではなく、常日頃から自分を抑え、律する修行を積むことの大切さ」

3)律することのできない欲が高度経済成長の中で公害を生み、バブルを生み、汚職スキャンダルが噴出し、未曾有の不況に10年以上も苦しみをうんだ。己を愛するだけの精神がこのような事態をうんだ。という点を指摘し、利他の精神を重要性を指摘。

4) 何かの「道」を追求するというプロセスには「私」は入り込む余地はなく、「道」は天地自然の中にある。「人」を相手にするのではなく、「天」を相手に道を追求することの大切さ。

今回はだいたいこういったところが指摘してありました。

中学生のときに校長先生からもらった色紙に「克己」という言葉があり、その言葉の意味を家に帰って両親に教えてもらって以来、感動し、僕の座右の銘となりました。

僕自身は人一倍いろいろな欲望に弱いので、この言葉に助けられたことが、たびたびありました。

克己心が欠如した人や組織や社会は、狂気の沙汰でしかないと思います。
これからも大事にしたい精神です。

日経ビジネス「敬天愛人」vol.3-試練-

2005-10-23 14:06:32 | 敬天愛人
2005.10.17号の敬天愛人第3講についてです。


本講では、南洲翁遺訓第5条、第4条、第19条の3つが取り上げられていました。

まとめると以下の3点について説明してあったような気がします。

1)「志とは辛いこと苦しい目にあって初めて固まるものであり、男子の本懐は志に玉となって挑み、砕けるのも厭わぬ勇気である」という逆境に対する気構えと志への取り組み方について

2)「貪欲が正道を外す」という社会的使命を帯びた指導者にとって私利私欲を追求するのではなく、無私の精神を持つことの重要性

3)「主君・臣下ともに自分が完璧だと思っているときには世の中はうまく収まらない」という謙虚さの大事さ。

辛いとき苦しいときなどネガティブなときにも自分を勇気で奮起せず、今の自分でいいと思ってしまえば、志を忘れてしまう。調子がいいとき・幸せなとき・結果が出たときには謙虚になって気を引き締めなければ、傲慢になり、志を忘れてしまう。

その両面を説いていると思います。
そして、私利私欲のない無私の精神で使命に取り組むこと。

まあ、言葉にするのは簡単ですが、実行は本当に難しいですね。
あとは、無私という言葉の意味するところの認識かな。

僕は、自分の私利私欲を追求することで得られる推進力というか成長力というか爆発力は否定はしないし、それはそれですごくいいと思うんですよね。

 ただし、組織は一般的に、一人の人間の利益や欲求のみを追求するために存在しているケースは少なく、組織の持つ使命を果たすために存在していると思うんです。したがって、組織の指揮官は、自分の私利私欲ではなく組織の使命を果たすために身を投げ打つ事を第一義と捉えるべきだと思います。

自分の私利私欲と組織の使命にコンフリクトが起きたときは、私利私欲を捨てるか、指揮官を辞めるか、二択だと思います。

指揮官は、無私の精神で突っ走って結果を出した後に、自分にとってのリターンは後からついてくるんじゃないかと思います。結果を出す前にリターンを求めちゃ駄目。


南洲翁遺訓いちいちいい事書いてあると思う。
しかし、実行は本当に難しい。
そして、難しいからこそ挑む価値あり!
一歩ずつ前に進もう。

日経ビジネスの「敬天愛人」 vol.2

2005-10-15 16:10:26 | 敬天愛人
先週紹介した日経ビジネスの「敬天愛人」。


今週号もいいこと書いてありました。
リーダーは仕事で「私心」を持ち込んではいけないということが語られていました。

以前にJリーグ川渕さんも「私利私欲のない方向性」を示せるかどうかがリーダーに求められる条件だというような話がありました。

リーダーの「私」が透けて見えると、求心力は「がくぅー」って目に見えてなくなります。人間なので欲がどうしても出ちゃうのですが、しっかり自己を制御し、使命に対してピュアに行動し続けたいものですね。

日経ビジネスの「敬天愛人」

2005-10-08 21:51:31 | 敬天愛人
日経ビジネス(2005.10.03号)で連載が開始された稲盛和夫連載の「敬天愛人」はかなり勉強になりそうです。

「敬天愛人」は、かの西郷隆盛の標語になっている言葉です。相当な修羅場をくぐらないと、こういうことを大事にしようという心構えにはならないと思います。人間、成功を重ねるごとに、もしくは、力を持てば持つほど、この言葉とは180度逆のことをやりそうなものですが。時代の大きな転換期において、こういう心構えの人物が日本の指導者層にいたことは、その時代の人々にとって、幸いなことだったんじゃないかと思います。その成果は、今の時代にも脈々とつながっているんじゃないかな。

 日本を代表する経営者の一人である稲盛和夫氏が南洲翁遺訓(西郷隆盛の教えをその教え子たちがまとめた訓話)を解題し、現代日本のリーダーに求められる心構えについて熱く語るそうですよ。リーダーかどうかはともかく、夢を追いかけてる人には刺激になる連載になるんじゃないかと思いました。

敬天愛人という精神は、ミッションに対してすごいプュアな印象を受け、僕は大好きです。夢に対して純な行動をとり続けた人のみが夢に辿り着けるのではないでしょうか。