夢への道筋

青臭いけど、人が夢の実現のために発揮できる力って無限。夢を実現するための方法論について徒然なるままに。

起業家が大切にしなければいけないこと

2011-04-03 21:15:58 | ちょっといいはなし
今回の震災は、日本の歴史的転換点になったんだろうと思います。

そんなことを考えながら、久々にブログを更新しようと思いました。

「起業家」について最近感じた3つのエピソードを。

(1)カルチャーについて

母親と久しぶりに話したのだが、超名門校に通っている三男の弟について話をしていたときに、その超名門校は「人のレベルが違う」という話をしていた。
どんなに勉強を頑張っても浮くことはないだろうし、勉強をやらなければいけないという気持ちになる環境なんじゃないかと思うと言っていた。
三男が超名門校に入学した時点で良かったなあと思っていたが、いい校風の学校に入って本当に幸せなことだなあと改めて感じた。

それを聞きながら、会社について考えてみた。

会社って、戦略も大事、お金も大事、提供している製品・サービスも、営業も大事出し、人も大事なんだけれども、やっぱりカルチャーって大事だなと思った。
素晴らしいカルチャーを持った会社は仮に一時的にお金がなくなっても復興できるが、その逆はないだろうなと思う。

思うに、ビジョンがカルチャーを作り、カルチャーが人を作り、人が戦略を作り、戦略が事業を作り、事業がお金を生み出すのがいい循環だと思う。

その会社のカルチャーを統治することが、起業家=創業者にとって結構大事なことなんだと思う。

おそらく、会社の歴史が長くなればなるほど、会社の規模が大きくなればなるほど、カルチャーは効いてくるし、変えるのが難しくなると思うので、何を許容して、何を許容しないのかをカルチャーに植えつけられるかどうかは結構大事だと思う。

起業家の日常的な行動・言動・判断、つまるところ起業家の人柄そのものがその会社のカルチャーに小さくない影響を与えることを自覚する必要がある。

自分が思うに、会社によっていろんなカルチャーがあっていいのだけれども、そのなかでも世の中に必要とされる会社のカルチャーとして普遍的に大事な要素が二つある。

それは、当たり前と言われるかもしれないが、「勤勉」と「倹約」。

いろいろ大事なことは局面局面であるが、会社のカルチャーとして大事なことをつきつめていくと、この2つが本質的に遂行されている会社が生き残り続ける可能性は結構高い。
後は、他の要素は、異文化融合をして多様性を持たせていくのが、会社を長生きさせる秘訣だと思う。

起業家は自分が「勤勉」と「倹約」を身を持って実践しているのかどうか日々問いかけながら、生きていく必要がある。

(2)即興性と計画性

自分でいくつか事業をしてきて感じたことは、成長性に必要なことは計画性(計画立案力・計画進捗管理力)であるが、生き残りのために必要なことは即興性(変化力)であり、この2つは相反する方向のベクトルなんではないかという仮説を持つようになった。

言葉を代えると、成長には、自分たちが伸びる市場に参入し、この方向でいけば右肩上がりになる勝利の方程式(変数とその相関関係)をある程度見極めた上で計画を作り、計画通りに物事をすすめることが大事だ。その道筋さえ見えていれば、後は資源の量(ヒト・モノ・カネ)を投下すれば、だいたいにおいて事業は成長する。(Happyになれるかどうかは一旦おいておいて)
これには、おそらく左脳的な力が重要だ。

一方、生き残れるかどうかは、上記の話とは関係はない。だいたいにおいて事業が死ぬときは、指揮官が想定していない事態がどこかで発生してしまっているからなのだ。その変化に早期に気づければまだいいのだが、だいたいにおいて、すぐに気付けず、気づいたときにはもはや手遅れの時が結構多いのではないか。事前に想定されている事態であれば、組織力でなんとでもなるのだが、想定外の事態が起きたときは組織は脆い。

だから、「いろいろな事態をちゃんと想定しておこう」というのも一つの真理なのだが、もう一つ、想定していない事態に対応できる力も必要になる。

それが「即興性」だ。こっちは右脳的な力だ。

感覚的には計画性は正規軍が得意とし、即興性はゲリラ部隊が得意とする。海軍と海賊とも言い換えられる。

ゲリラ部隊では成長は難しい。というか、無理がありすぎる。しかし、ゲリラ部隊はしぶとい。

起業家は得てして即興性には強い。しかし、計画性に長けている人は限られている。それが、成長し続けられる会社が少ない一因だ。また、創業者が第一線から退いてダメになっちゃう会社もある。それは大きな組織では、時代の変化に対応する即興性が出しづらいからだ。

起業家は、「計画性」軸は人に任せちゃうのがいいのだと思う。その代わり、即興性が必要なシーンでは自分が組織を担保すべきだ。

こういう観点で自分の会社をしっかりと見ることができるかどうかが、起業家がその会社に必要とされ続けられるかどうかの分かれ目だろう。


(3)ゼロの状態を知っているかどうか

起業家が会社をはじめたときはゼロの状態だ。今ではどんな大きな会社もその道を通ってきている。

ゼロの状態を知っていることは、組織の方向性を判断するときに非常に重要だ。

なぜならば、何かをやめる判断をするときは、ゼロの状態よりもプラスになりうるのかそれともプラスには絶対になりえないのかで判断できるからだ。
言葉を代えると、原点をしっているかどうかになる。原点があいまいになると、たいてい組織は迷走する。

明治維新の修羅場をくぐった人たちが引退した日本政府や軍は迷走したんだと思う。戦後の焼け野原で創業した人たちいなくなった会社も同じようなものだろう。

アメリカがすごいと思うところは、アメリカ合衆国の独立宣言が今もアメリカ人もしくは世界の人々が大事にしていて、共感しているからだ。

自分は、自分が立ち上げた事業・サービスがゼロだったときをいつも思い浮かべる。そして、自分たちが世の中を幸せにしている(もしくは幸せにできる確信がある)限りはいいのだが、原点と比較して、その確信が持てなくなると事業・サービスの存続について真剣に考えてしまう。

おそらくそれは経営者的な観点とは違うのだろう。

ステークホルダーの利害を最適化しながら判断するのが経営者だとすると、起業家は自分が事業を立ち上げる前のゼロの状態と比較しての判断力が必要とされるのではないだろうか。
常に原点をアクティブな状態にしておくことが起業家には求められる。


今回の震災でが、いろいろな人達の原点になるのではないかと思う。