久しぶりに、“若さん”から、タイムリーな話題が届きました。
神楽坂研究号外として、“不思議の国アメリカその2”で、トランプ大統領関連、特にフロ
リダでの親密ぶりなどにまつわる話題として興味を持たれる方も多いと思います。
連日、話題にこと欠かない時の人、トランプ大統領の就任早々の矢継ぎ早の大統領令で、
各地で混乱を招いているようですが、このところ、FRBのイエレン議長との金融政策
方針でソリがあっていないとの報道もあり、さらなる混乱の様相が懸念されています。
ま、取りあえず、“不思議の国 アメリカ2”を見てみましょう。
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◇大統領のフロリダのゴルフ場と別荘
トランプ・ナショナル・ゴルフ・ジュピター(フロリダ)
トランプ新大統領は、就任直後からTPP 離脱、入国制限令などの大統領令(Executive
Order)を連発。 反対デモ頻発し、連邦地裁からの差し止め判決で足踏み。 就任後も
TWITTERで言いたい放題。 マスコミをFake News(偽報道機関)と呼び記者会見は全面対決。
あの有名なAlternative Facts(もう一つの真実=嘘)という新語を作り上げました。
一方、株式市場は、ホームラン期待(大幅減税、大規模インフラ投資)で史上空前の2万ドル
維持です!
新大統領の発言は政治的方向性が不透明。 就任前の日米安全保障問題発言への懸念に
加え、アベノミクスに対するゆさぶり発言も出ました。米国貿易赤字の7割を占める自動車
輸出で特にトヨタをメキシコ工場建設問題も含め名指し、安倍首相も衆議院解散どころで
なくなり 2月10日米国へ緊急出撃。結果、笑顔の共同声明は中身なし。国会でも「ゴルフを
すると人柄がわかる。ルールは守る人」というだけで「日米首脳怪談」としか言いようが
ない状態です。少なくとも懸念された課題(Post-TPP、貿易摩擦、安保)の解消に向けて
の方向は見えません。
ゴルフ接待(外交!?)の場所はフロリダ州オーランド(デイズニーワールド、ケネデイ
宇宙センター)空港から2.5時間、南に下ったトランプ氏経営のリゾートでした。(写真上)
元々リッツカールトンが開発、経営不振に陥っていたのを買い叩きました!(2012年)
そして、国定歴史建造物で個人の別荘(Mar-a-Lagoマー・ア・ラゴ)で両首脳の晩餐会。
その時を狙いすまして、北朝鮮はミサイルを発射!緊急連絡を電話で聞いている大統領
のテーブルの映像を来賓がネットにアップしました。 映像で状況がわかるだけでなく、
機密のドキュメントも一部解読できるレベルのスマホ撮影でした。 マスコミ、民主党が
国家安全保障上大問題だと攻撃しています。
◇ゴルフリゾート会員預託金返還訴訟で敗訴!
節分(現地2/2)Bloomberg報道。湿地帯特有の池に囲まれたなジャックニクラウス設計、
避寒地のコースで日米首脳はゴルフをしました。 トランプの名を冠した再生リゾート物件
です。改修後の営業再開時、会員預託金は返金しないと契約変更。そして”Made Great
Again“(見事に再生した!) と発表。 一部会員から「預託金がパー(PAR)になるなんて
約束違反だ」(It wasn‘t quite up to par for some members)と訴訟。地裁は返金命令
の判決。(総額約5億円=預託金+金利)しかしトランプ側は訴えた会員に対して施設利用禁止
を解かず、利用権利すべてを失うと脅し、控訴のようです。昨年6月時点の訴訟勝敗は480勝
38敗(勝率93%)。 預託金総額46億円は絶対返金しないと最後まで争う構えです。
トランプ氏は、「ルールを自分の都合よく解釈し、時に脅しも得意」と解釈すべきだと思
います。ビジネススタイルはつねにその姿勢に貫かれています。 マンハッタンの再開発で
のし上がった時からのやり方です。安倍首相も側近もわかっていると思いますが。
◇別荘(マー・ア・ラーゴ)は「冬のホワイトハウス」
ゴルフ接待/外交 別荘全景(Mar・a・Lago) 日米首脳晩餐会の席
ゴルフ場から車で約30分南のパームビーチにあるトランプ所有の別荘と会員制のクラブで
す。(写真上中)もともと1924年女性事業家が建設、国に寄贈しましたがニクソン以外は
利用芳しくなく、結局運営主体のポスト財団に返還。 1980年国の歴的建造物に認定。財団
は維持が大変で売りに出しました。トランプが嗅ぎ付け $15Mの購入価格提示に対して拒否
され、逆に別荘近辺にビルを建て景色を台無しにすると得意の脅し。
5年後、半値($8M)で買い叩き、600坪の舞踏室、核シェルター、テニスコートなどを増築。
完成直後の90年初めカジノ経営につまずき本業が経営危機、債権者への返済の一環のため
敷地分割分譲の申請も自治体から却下。 以来会員制高級クラブ(入会金2,200万円)として
運営されてきました。買収して以来、様々な訴訟(訴えたり、訴えられたリ)が続きました。
地元空港の騒音被害訴え、滑走路増設阻止し空路変更を勝ち取りましたが、大統領に当選
すると手のひら返しで大統領専用ヘリの発着が別荘にできるよう特別許可させました。
「冬のホワイトハウスとして」国費で運営、2月から公式利用開始、家族でスーパーボール
観戦のため滞在、初の外国来賓招待は安倍首相夫妻でした。
◇安全保障担当補佐官解任!閣僚辞退で揺れています!
今回の首脳会談にも同席していた大統領指名の国家安全保障担当補佐官フリン氏本人が
辞任発表。(現地2/13、わずか在任23日)報道は大統領が首にした(get fired or forced
to resign)という表現です! 大統領選でのロシア・ハッキングへの報復制裁発動時、駐米
ロシア大使と移行期のフリン氏との接触内容についての虚偽報告が解任原因でした。
噂通りロシアは大統領の「秘密」を握っているのでしょうか? プーチンは、柔道はじめ
スポーツ万能の様子、でもゴルフはやらないはずなので接待外交はどうなるのでしょう?
続いてイスラエル首相との共同声明(現地2/15)の日に労働長官指名承認をA.パズター
氏が辞退表明! 政権はスタートから波乱です。 議会承認が必要な閣僚以外に行政部門に
おけるポジションは 3,500もあり船出は素人目にも大揺れです。民主党中心のニューヨー
カーは、スマホで上記のニュースを見てストレス発散のようです!
◇2015年POLTIFACTの「嘘つき大賞!」
メーター表示 Politifact.com メーター表示
「半分真実」 「政治における真実を分類」 「嘘のでっち上げ」
12回ピューリツアー(P)賞受賞、1884年(明治17年)創業の米国地方紙「Tampa Bay Times」
は POLIFACTというウエブサイトで政治家の発言の信ぴょう性を評価、フォローしています。
予備選出馬する前にトランプ氏は「2015年嘘つき大賞」の受賞者! トランプ氏のスコア
カード(嘘つき評価):評価総数(367件)真実はわずか4%(14)、概ね真実12%(44)、半分事実
と異なる(14%)、概ね嘘(19%)、嘘(33%)、でっち上げ(17%=Pants on fire)。発言の84%
(308件)は「嘘」(恐るべし!)。 逆にマスコミをFake NEWSと呼ぶ米国大統領を選んだ
アメリカは不思議な国です。 つづく
By S. Wakabayashi