CDジャーナルムック「ビートルズストーリーVol.4 1966」によると50年前の1966年4月から5月にかけてビートルズは新しいアルバムのレコーディングに勤しんでいた。Revolverだ。さらに5月3日には彼らの来日公演が決まったとの新聞報道がなされた。そして6月30日から5日間にわたってビートルズは我が国に上陸した。そうしたビートルズ旋風が吹き荒れたタイミングの中、その10日前の6月20日にアメリカ・キャピトルからリリースされた新譜がYESTERDAY AND TODAYであった。
50年後の追体験、今回はブッチャー・カバーの回収問題で大きな話題になった本アルバムである。私は特にこのアルバムが好きだ。中学生の時初めて聴いたビートルズのレコードだったからだ。しかしそれは自分で買ったのではなく、友人の家に行って聞かせてもらったものだ。当時はビートルズのことはあまり知らなくともYesterdayは良い曲だという認識があり、少しずつビートルズが身近になりつつあった。その時、この名曲を聞くことのできるレコードとしてとても印象に残ったアルバムなのである。
オープニングのDrive My Car、大好きな曲だが最初に聞いたのはRubber Soulではなくこのアルバムだった。そのRubber Soulからセレクトされたのは、Nowhere ManやIf I Needed Someoneなど自分好みの曲が並ぶ。そしてDay Tripper、We Can work It Outというシングルヒット曲も収録。さらに本アルバムには発売前のRevolverからの3曲が含まれていて、それらはオリジナル・アルバムより先にリリースされたことになる。(実際にはI'm Only Sleepingなどは英国盤の決定ヴァージョンと違うミックスが収録されているのだが。)
私の所有する本アルバムは中古で購入した国内盤と米国盤のアップル・レーベル、そしてキャピトル・レインボー・レーベル復刻盤の3枚である。米国アップル・レーベルはSTEREO盤でレインボーの方もジャケットにはSTEREOと表記されている。しかし針を落とすと音がどう聞いても中央に定位している。調べるとステレオ編集テープが間に合わなく従来のモノラル録音をプレスした盤が短期間出荷されたらしい。いわゆるミス・プレス盤である。というわけで偶然モノ盤とステレオ盤の両方を所有することになった。そんなレア・アイテムがあるからこそビートルズは面白いとなるのである。
さて、間もなくビートルズの来日50周年ということでテレビ等ではこのところ特集番組を放送している向きがある。今の若者達は50年前のこの一大イベントにどの程度興味関心を持っているのかわからないが、私の世代以上は大いに盛り上げるのではないかと思う。それなりに楽しみたい。そして、次はいよいよ8月5日のRevolverである。