本日は長崎くんちの中日。ついでに祝日。
諏訪神社から降りてきた三柱の神は御旅所に留まり、
奉納踊りの各町は庭先廻りで各町を巡り、
出店は(昔にくらべれば大分減りましたが)御旅所周辺に密集して
子ども達はくじを引き、大人たちは思い思いに楽しんでいます。
そして御旅所から出島ワーフ(と並んでいる出店)を抜けていくと、
長崎県美術館がございます。
10/6から11/11まで開催の「明和電機 ナンセンスマシーン展」に
御旅所にお参りした後向かってみました。
彼らが表舞台に出てきた94年ごろ、渋谷のパルコや原宿のラフォーレでは
多くの日本の現代美術アーティストたちが
まだ企業体力のあったソニーミュージックなどの後援を得て、
様々な展覧会を開き、人を集めていました。
その中の最初のスターが明和電機であったわけです。
「魚をモチーフにした楽器を作り、企業という体裁でライブパフォーマンスを行う」
「工業製品としての量産化もコンセプトに含まれ、『魚コード』などの大量生産販売を実施」
という明和電機の活動コンセプトは、アートの枠を飛び越えた「タレント」としての需要もあり、
SMEとの契約もあってその初期においてはテレビ出演も多く、
SMEのアート部門撤退後は吉本興業に移籍、露出は減るものの商品展開を強化し
「ノックマン」や「オタマトーン」などのヒット商品を生み出すことになります。
そういった「かわいいものをつくるおもしろい人」的な側面が強いアーティストではあるのですが
活動初期の「魚器(NA-KI)」シリーズ、
そして現在も展開している「エーデルワイス」といった作品シリーズの中には
グロテスクな形で「命」というものに踏み込んだ作品もあり、
「それだけじゃない」という部分を、この今までの作品をまとめた展覧会では味わうことができます。
そして昨年に起こった、スウェーデンの雑貨チェーン、フライングタイガーで起こった
「『魚コードUSB』コピー品問題」についてもコーナーが割かれております。
(その後の詳しい経緯も書かれた「明和電機ジャーナル」も会場で発売中です)
アートとマスプロダクト、そして著作権との関係についても考えたくなる展覧会となりました。
あ、写真撮影は自由、触って楽しめる展示もありますので、
お子様連れでのご来場もおすすめですよ。
土佐社長もわりと来場し解説を行ったりもする模様です。
(ライブチケットは完売しているようですが)