「戦争に反対する唯一の手段は、
各自の生活を美しくして、
それに執着することである。」
ピチカート・ファイブのトリビュートアルバムのタイトルとして
小西康陽氏が引用したことで知られたこのフレーズは
吉田健一氏の「長崎」というエッセイからの引用だそうです。
(くわしくはこちらのブログをどうぞ)
久々に長崎県美術館に行ってまいりました。
目的は10日から12月6日まで開催の「1∞ ミナカケル ―ミナ ペルホネンの今までとこれから」。
日本人デザイナー・皆川明によって作られた、日本発の北欧風ブランドとして
ファッションから家具などを手広く手掛け、
青森県立美術館や東京スカイツリーなどのユニフォームデザインも手掛ける会社の
20周年を記念した展覧会となっております。
(長崎開催になった理由は、波佐見で陶器作品を制作している関係性だと思います)
デザイナーとして物語性、そして使い捨てにされない長く着続けてもらえるデザインを目指し
生地づくりの職人さんたちと協力して物を作っていく姿勢を、
その制作過程の豊富な資料での公開や、実際に触れるテキスタイルの森、
そして実際に座って体験することも可能な家具たちのリビングで味わうことができる内容は
見る前は「北欧もどきの日本人ブランドでしょ?」と斜に構えていた態度が
背筋をぴんと伸ばして見るような感じに変わっておりました。
そして、常設展へと移動。
現在、「広島・長崎 被爆70周年 戦争と平和展」が開催されています。
(10月25日まで)
被爆県である広島・長崎の両県立美術館の協働による、
戦争の惨禍と恒久平和の希求を照らし出す展覧会として、
総力戦化の始まりといえるナポレオン戦争、戦車や毒ガスの登場した第1次大戦、
そして核兵器が生まれた第2次大戦の3つの戦争を中心に、
芸術家はどう戦争と関わり、どんな作品を生み出してきたのか。
そして広島・長崎を芸術はどう表したのかを紹介していく内容となっています。
ミナペルホネン展を見た後こちらを見て浮かんだのが、冒頭の言葉でした。
原爆の惨禍から立ち上がった長崎の町を見て書かれた吉田氏の言葉は
現在までこの国が歩んできた道そのものではなかったかな、とも思うのです。
戦争で失われるのは人の命とともに、ミナペルホネンに象徴される快適で美しい生活そのものであり、
それに執着する気持ちがあるからこそ、「戦争はよくない」と心から思えるのでは、と。
第1次大戦後のパリで美しい女性や猫を描き続けてきた藤田嗣治が
日本に戻り、第2次大戦の戦争画を陸軍美術協会理事長として描き続け、
戦後、戦争協力者として批判されることに疲れ、
フランス人「レオナール・フジタ」となり、日本に戻ることがなかったこと。
それ以外にも多くの芸術家たちが戦争によってその人生や芸術を狂わされてきたこと。
そんなことを考えさせられる展覧会でした。
そして「「弱虫ペダル」×長崎県美術館」へ。
長崎出身・さらに言えば元NBC長崎放送社員でもあった渡辺航による
アニメ3期も決定した大ヒットコミックの複製原画展が29日まで開催されています。
原画もですが、それに添えられた渡辺先生の創作論のひとことひとことが胸に刺さるというか
ここまでに見てきたミナペルホネンのスタッフや戦争と平和を描く芸術家、
そして自分自身にも共通するような「作品を生み出す」ことへの情熱を感じられ
これもまた「戦争に反対する手段」なのかもしれないなぁ、とぼんやりと思ったりもいたしました。
展示されている劇中登場車(&渡辺先生の愛車)と同じタイプの自転車の値段が
車1台とそう変わらない値段というのも驚きましたがw 自転車怖ええ・・・
次は長崎歴史文化博物館で開催中の
「日独修好150年の歴史 国際都市・長崎からみたドイツ~もうひとつの交流史~」と
あとは映画1本見に行く予定。
行けたら福岡も行きたいけど、携帯代考えると厳しいかねぇ・・・
各自の生活を美しくして、
それに執着することである。」
ピチカート・ファイブのトリビュートアルバムのタイトルとして
小西康陽氏が引用したことで知られたこのフレーズは
吉田健一氏の「長崎」というエッセイからの引用だそうです。
(くわしくはこちらのブログをどうぞ)
久々に長崎県美術館に行ってまいりました。
目的は10日から12月6日まで開催の「1∞ ミナカケル ―ミナ ペルホネンの今までとこれから」。
日本人デザイナー・皆川明によって作られた、日本発の北欧風ブランドとして
ファッションから家具などを手広く手掛け、
青森県立美術館や東京スカイツリーなどのユニフォームデザインも手掛ける会社の
20周年を記念した展覧会となっております。
(長崎開催になった理由は、波佐見で陶器作品を制作している関係性だと思います)
デザイナーとして物語性、そして使い捨てにされない長く着続けてもらえるデザインを目指し
生地づくりの職人さんたちと協力して物を作っていく姿勢を、
その制作過程の豊富な資料での公開や、実際に触れるテキスタイルの森、
そして実際に座って体験することも可能な家具たちのリビングで味わうことができる内容は
見る前は「北欧もどきの日本人ブランドでしょ?」と斜に構えていた態度が
背筋をぴんと伸ばして見るような感じに変わっておりました。
そして、常設展へと移動。
現在、「広島・長崎 被爆70周年 戦争と平和展」が開催されています。
(10月25日まで)
被爆県である広島・長崎の両県立美術館の協働による、
戦争の惨禍と恒久平和の希求を照らし出す展覧会として、
総力戦化の始まりといえるナポレオン戦争、戦車や毒ガスの登場した第1次大戦、
そして核兵器が生まれた第2次大戦の3つの戦争を中心に、
芸術家はどう戦争と関わり、どんな作品を生み出してきたのか。
そして広島・長崎を芸術はどう表したのかを紹介していく内容となっています。
ミナペルホネン展を見た後こちらを見て浮かんだのが、冒頭の言葉でした。
原爆の惨禍から立ち上がった長崎の町を見て書かれた吉田氏の言葉は
現在までこの国が歩んできた道そのものではなかったかな、とも思うのです。
戦争で失われるのは人の命とともに、ミナペルホネンに象徴される快適で美しい生活そのものであり、
それに執着する気持ちがあるからこそ、「戦争はよくない」と心から思えるのでは、と。
第1次大戦後のパリで美しい女性や猫を描き続けてきた藤田嗣治が
日本に戻り、第2次大戦の戦争画を陸軍美術協会理事長として描き続け、
戦後、戦争協力者として批判されることに疲れ、
フランス人「レオナール・フジタ」となり、日本に戻ることがなかったこと。
それ以外にも多くの芸術家たちが戦争によってその人生や芸術を狂わされてきたこと。
そんなことを考えさせられる展覧会でした。
そして「「弱虫ペダル」×長崎県美術館」へ。
長崎出身・さらに言えば元NBC長崎放送社員でもあった渡辺航による
アニメ3期も決定した大ヒットコミックの複製原画展が29日まで開催されています。
原画もですが、それに添えられた渡辺先生の創作論のひとことひとことが胸に刺さるというか
ここまでに見てきたミナペルホネンのスタッフや戦争と平和を描く芸術家、
そして自分自身にも共通するような「作品を生み出す」ことへの情熱を感じられ
これもまた「戦争に反対する手段」なのかもしれないなぁ、とぼんやりと思ったりもいたしました。
展示されている劇中登場車(&渡辺先生の愛車)と同じタイプの自転車の値段が
車1台とそう変わらない値段というのも驚きましたがw 自転車怖ええ・・・
次は長崎歴史文化博物館で開催中の
「日独修好150年の歴史 国際都市・長崎からみたドイツ~もうひとつの交流史~」と
あとは映画1本見に行く予定。
行けたら福岡も行きたいけど、携帯代考えると厳しいかねぇ・・・