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生誕100年記念 富永直樹展

2013-12-19 | アート
休日に映画館にいくか美術館にいくか迷った末
ふらりと行ってきた長崎県美術館で開催されていた企画展。
ということで見てきました、「富永直樹展」。

長崎生まれの彫刻家である彼は、学生時代の日展入選から
3年連続で日展特選を受賞する、日本の彫刻界を代表する作家のひとりであり
その一方で「国産四号電話機」(いわゆる『黒電話』)や
プラスチックラジオSS-55のデザインを手掛ける、
戦後インダストリアルデザインの先駆者としての側面も持っています。

そんな彼の初期作品の特徴は
一般的には「裸の」「女性」を作ることが多かった彫刻界において
「着衣の」「男性」を多くつくり、スポーツマンをモデルにすることで
その肉体の躍動感を表現したことでもあります。
女体の美しいラインの対極にある鍛え抜かれた男性のパワフルさを
ブロンズという素材で表現した作品のもつ圧倒感は、ものすごいものがありました。

そして家庭を持ち、穏やかな生活を送る中で
歴史や宗教、そして日々の幸せをテーマにした作品・・・
出島にやってきたカピタンたちや若いシーベルト、
聖者やキリスト(富永自身はキリスト教徒ではなかったそうですが)
そして家族や、妻の愛した飼い猫たち。

今回はブロンズ像作品の多くを『実際に触ることができる』という
展覧会となっており、質感や意外な軽さ(中は空洞ですからね)
なによりも作家の手の感覚を味わえることが魅力となっております。

12月23日までの開催となっていますので
特に猫好きの方にはおすすめしたい展覧会でございます。
(2月から大阪の阪急うめだギャラリー、4月から長野の茅野市美術館に巡回予定)

常設展の新規収蔵品展、そして県民ギャラリーの長崎県高等学校総合文化祭美術展も
一緒に観てきたわけですが、高校生の作品の中にも「この発想は面白いなぁ」と
思えるものがあったりと、なかなか楽しめる1日でございました。
クリスマス前の連休(冬至→天皇誕生日)には美術館デートというのもいいのでは。
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