樵(きこり)の日記

福岡県の奥八女に棲む一人の樵が、田舎から発信する「自分発行き先不明」の情報切符。

北京オリンピック 劉翔の棄権

2008年08月19日 | スポーツ

男子陸上110mハードルに出場した中国の劉翔選手の棄権について、かなり話題になっている。これまでの日本人選手に対する中国国民の激しいブーイングを受けて、多少感情的になっていた我々日本人もこの話題に敏感に反応している感じ。劉翔選手がアテネで反日的な発言をしているから、なおさらかもしれない。


ソウルの時も感じたが、いまだに中国、韓国を始め、東アジアの人達から根深い反日感情を持たれていることを考えると、やりきれない気持ちになる。これまでの北京オリンピックでの日本人に対する中国の反応は、決して褒められたものではないと思う。スポーツの世界に社会的な感情を持ち込むのはおかしいとずっと思っていたし、悔しくもあり、中国を恨んだりもした。ただ、それだけ為しがたい事を戦時中にやっていたから、今があるのかも知れない。スポーツは別物、という割り切りは・・・それほど簡単な事じゃないとも思う。北京オリンピックや中国で開催される国際大会がなければ、僕ら日本人は中国の人達の根深い感情をここまで肌で知り得ることは無かったかも知れない。


反日をコメントで明確に打ち出している劉翔選手に対する風当たりは、当然ながら強い。ただそういう人が中国にいるということは、事実として受け入れていかなければいけないのかも知れない。


それにしても・・・自国開催で棄権することになって、劉翔本人も辛いし悔しいと僕は思う。それはマラソンの野口みずき選手や土佐礼子選手が、オリンピックを目標として掲げ、それに向けて調整したにも関わらず万全じゃなかったという意味において、同じだと思う。だから日本の新聞社も冷静に、ネットでの反応なんかまで記事にしないで、煽らないで欲しいと思う。それがたとえ事実であってもフェアなやり方じゃないような気がするからだ。



したり顔で偉そうな事を書いてきたが、僕自身も
「私はアジアの、黄色人種の代表だが、その中に日本人は含まれない」
と発言した劉翔選手に対して嫌悪感は・・・確かにある。しかし、アスリートとしてこういった挫折を乗り越えて、再びトラックに戻ってきて欲しいとは思う。