樵(きこり)の日記

福岡県の奥八女に棲む一人の樵が、田舎から発信する「自分発行き先不明」の情報切符。

斧の柄を作ってみました

2009年02月28日 | 林業

山仕事で使う斧の柄を作ってみました。


斧は主に枝打ち用として使っていたのですが、近年はチェンソーで枝払いするようになったので、斧の使い道は伐木の際、クサビを打ち込む時に使うだけと変わってきました。

斧の柄は、長く使っているウチに消耗して、やがて弛んで抜けたりします。また折れたり割れたりしますので、柄だけ交換しなければいけなくなります。昔の人達は山で柄に最適な木を切って自然乾燥し、自分で作って交換してたりしてましたが、最近はそんな事しなくなって、お店で購入するのが一般的になりました。


我が家でも昔、親父がそうやって作ってる姿を見て、


「あんな面倒なコトしないで買えばいいのに・・・(-_-;)」


なーんて思ってましたが・・・(笑) 自分も親父みたいになったなァ・・・、そう思うと、結構笑えます(笑)



去年の秋、現場に樫木(かしのき)がありましたので、それをチェンソーで適当な大きさに伐っておいて自然乾燥させておきました。まだ充分乾燥してるとは思いませんでしたが、とにかく作ってみようと。昔から柄に使う木は樫が多く、材質的には堅くて粘りがあります。樫にもアカガシ・シラカシなど、様々な種類がありますが、とりあえず、あるもので作ります(^^;)


ご覧の通り、真っ直ぐではなく、曲線で作ってみました。というのも、外国製の柄は全てこのような形状なんです。今まで使っている柄は皆真っ直ぐで、何故外国はそんな形なんだろう?と不思議でしたが・・・。


いざ一本作ってみると、その意味がすぐに分かりました。人間工学とでもいうのでしょうか。どこを持っても力が入る感じで、斧を振ってみると、その使いやすさに驚きます。調子こいて何本も作ってみましたが、それぞれ角度も違うしみんな同じようには出来ませんでした。今現在山の仕事で使ってますが、そこそこ使えてます(笑) みんな僕の斧の柄がグニャグニャ曲がっているので笑ったりしてますが、実際持ってみるとみんな感心します。自分で作ったというと、もっと驚きます(笑)


確かに伝統的なものも守らなければいけませんが、良いものはどんどん取り入れていきたいな~と思ってます。