『南極 (人)』(by京極夏彦)、読了。
全8話の連作短編集。
『どすこい。』の事実上の続編でもある。
本命は『ぬらりひょんの褌』。
かつて漫画『こち亀』とのコラボ本で読んだのを再読したく、探したらこの『南極』が見つかった。
この本を一言で表せば、「ギャグ漫画を小説でやってみた」である。
「主に1970年代のギャグ」と注釈を付けた方がいいかもしれない。
『どすこい。』同様、他作者の他作品をパロった内容が、何とも馬鹿馬鹿しく、くだくだしく展開される。
作家(?)南極夏彦を中心に、初期の『ダメおやじ』を更に一層酷くしたようなイジり(というかもはや虐待)ネタが激しく続く。
昔の少年漫画は、確かにこういうノリが強かったなあと、私としてはしみじみしてしまった。
そう、本作は『どすこい。』に比べると、素直に笑えるというより、感心させられてしまう部分が多い。
元ネタが『独白するユニバーサル横メルカトル』のパロディに至っては、作り替えたタイトルを一目見ただけでもうお腹いっぱいだ。
驚くなかれ、『毒マッスル海胆ばーさん用米糠盗る』。何だコレ。
第1話の『海で乾いていろ!』は、文章のみならず挿絵まで京極氏が手がけているというから驚かされる。
最終話、赤塚漫画とのコラボ『巷説ギャグ物語』に至っては、小説と漫画におけるギャグ考察が非常に興味深い。どっちもメリットデメリットあるのね。
最後に小ネタ。ハードカバー版の本作、ひもの栞、いわゆるスピンが何故か4本もずらずらとある。
……すだれ頭みたいってゆーネタなんだろうね、多分。
それでは。また次回。
全8話の連作短編集。
『どすこい。』の事実上の続編でもある。
本命は『ぬらりひょんの褌』。
かつて漫画『こち亀』とのコラボ本で読んだのを再読したく、探したらこの『南極』が見つかった。
この本を一言で表せば、「ギャグ漫画を小説でやってみた」である。
「主に1970年代のギャグ」と注釈を付けた方がいいかもしれない。
『どすこい。』同様、他作者の他作品をパロった内容が、何とも馬鹿馬鹿しく、くだくだしく展開される。
作家(?)南極夏彦を中心に、初期の『ダメおやじ』を更に一層酷くしたようなイジり(というかもはや虐待)ネタが激しく続く。
昔の少年漫画は、確かにこういうノリが強かったなあと、私としてはしみじみしてしまった。
そう、本作は『どすこい。』に比べると、素直に笑えるというより、感心させられてしまう部分が多い。
元ネタが『独白するユニバーサル横メルカトル』のパロディに至っては、作り替えたタイトルを一目見ただけでもうお腹いっぱいだ。
驚くなかれ、『毒マッスル海胆ばーさん用米糠盗る』。何だコレ。
第1話の『海で乾いていろ!』は、文章のみならず挿絵まで京極氏が手がけているというから驚かされる。
最終話、赤塚漫画とのコラボ『巷説ギャグ物語』に至っては、小説と漫画におけるギャグ考察が非常に興味深い。どっちもメリットデメリットあるのね。
最後に小ネタ。ハードカバー版の本作、ひもの栞、いわゆるスピンが何故か4本もずらずらとある。
……すだれ頭みたいってゆーネタなんだろうね、多分。
それでは。また次回。