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好事家の世迷言。(初代)

※はてなブログ『好事家の世迷言。(続)』へ移転計画中。

調べたがり屋の生存報告です。

『うみねこのなく頃に咲』プレイ記録。(その64)

2022-07-12 | うみねこのなく頃に
翼15『Arigato for 556』
初出:2009年8月(EP5と同時)(PC版『翼』に収録)

シエスタ姉妹の4人目・556にまつわる回想。

556は真里亞の持つ「うさぎの音楽隊」の1体だったが、楼座に壊されてしまったという経緯がある。

なお、この作品について、制作側の事情を一点、挙げておこう。

『ひぐらし』時代から作品を支えていたBT氏が2009年7月10日に亡くなっていたと、同年10月22日に竜騎士氏から明かされた事だ。

そして、本作が発表されたのは同年8月。

この事を踏まえて本作を読むと、何とも言えぬ感慨がこみ上げるのは、私だけではないだろう。

以下は、本作最後に表示されるセンテンスだ。



あなたは、ありがとうって、……伝えられるうちに、ちゃんと伝えてますか……?

『うみねこのなく頃に咲』プレイ記録。(その63)

2022-07-07 | うみねこのなく頃に
(プレイ時間:約125時間)

翼13『バレンタインペーパー』
初出:2010年2月(EP6と7の間)(PC版『翼』に収録)

『七姉妹のバレンタイン』とは打って変わって、戦人がすっかり領主として落ち着いた世界観でのバレンタインデー。

戦人へ贈られる、差出人名の選択肢を通る際、彼女らの表情が変化。
手紙の筆跡もそれぞれ違ってるのが細かくて良い。
……それにしても女性キャラ多いな、この作品。

ただ、出来ればこの話は『Arigato for 556』の後に配置してほしかったところ。
(この時点では未登場のシエスタ556からの手紙がある)

ところで、以前から思ってるが、六軒島って、10月の二日間だけを繰り返してるんじゃないのかね。
その日以外のカレンダーの概念あるの?



翼14 『さくたろう、煉獄山へ』
初出:2010年5月(EP6と7の間)(PC版『翼』に収録)

楼座に破壊されたさくたろうが、現世に戻るまでの挿話。
ラストは、EP4で縁寿が寝具店で、量産品のさくたろうを見つけたシーンへつながる。

それでは。また次回。

『うみねこのなく頃に咲』プレイ記録。(その62)

2022-07-01 | うみねこのなく頃に
翼11 『新人司祭コーネリア』
初出:2009年9月(EP5と6の間)(PC版『翼』に収録)

私はコレ、思考停止しないと読めない。
臨場感も没入感もない。

学校では優秀だった新入社員が現場で苦労して一皮むける、というテーマは悪くない。
問題は、それの描かれる舞台が、曲がりなりにも「天界」だとゆー事だ。
我々俗世の生々しい職場事情に、名前だけファンタジーのガワをかぶせたチグハグさに頭痛がしてくる。
せめて背景画を宗教施設っぽくするとか、何とかならんかったんか。
天界にも自販機あるのか、昭和のプッシュホン使ってるのか。トイレあるのか。

なお、余談ながら。
この話には竜騎士07氏の経験がそのまま投影されてるという説を聞いた事がある。



翼12 『だれのおちゃかい?』
初出:2010年3月(EP6と7の間)(PC版『翼』に収録)

ラムダデルタ&フェザリーヌからの誘いを受けるベルンカステルの一幕。
思惑を見抜かれ、結果的に誘導されるベルンは、まるで沙都子のトラップを受ける圭一の如し。
比較的ほのぼのと平和に終わる話なので、個人的に好み。

それでは。また次回。

『うみねこのなく頃に咲』プレイ記録。(その61)

2022-06-24 | うみねこのなく頃に
翼9.『七姉妹のバレンタイン』
初出:2009年2月(EP4と5の間)(PC版『翼』に収録)

最初に一言。
原作(PC版)をリアルタイムで追っていた読者たちは、これの発表当時に何を思っただろう。

ロノウェの作ったチョコレートを七姉妹が、それぞれ意中の相手に贈る。
上位も下位も過去も未来も混然一体で収拾不能。
そもそもロノウェが「舞台裏の余興」と言ってる始末。

ところで、テンパリングしたチョコをそのまま絞り袋に入れて出していいの?
クリームとか足さないの?
冷蔵庫で急いで冷やしたら分離せん?



翼10 『ベアトリーチェのホワイトデー』
初出:2009年3月(EP4と5の間)(PC版『翼』に収録)

改めて一言。
原作(PC版)をリアルタイムで追っていた読者たちは、これの発表当時に何を思っただろう。

『七姉妹のバレンタイン』の続編という、まさかの展開。
前作に続き、と言うかそれ以上に、「舞台裏の余興」の内輪ノリが加速勢している。EP4で殺すだの死ねだの言い合っていたあの緊張感は遠く。
中心たるベアト&戦人の脳天気さが、甚だしくも著しい。
もう完全に、小学生くらいの「らぶらぶすとーりー」だものコレ。
完全に駄々っ子と化してるベアトもそうだが、
そのベアトをリスの頭呼ばわりしてる戦人も十二分に鳥頭と思うのは私だけじゃないと思う。
ところで、98年の世界へフツーに干渉してるベアトが謎。
もしや、これを創作したのは縁寿だったりするんだろうか。

それでは。また次回。

『うみねこのなく頃に咲』プレイ記録。(その60)

2022-06-19 | うみねこのなく頃に
翼8.『勤労感謝の日の贈り物』(PC版『翼』に収録)
初出:2009年11月(EP5と6の間)

PC版での初読当時、この話は一体いつの設定なのか混乱した。
18歳の戦人が右代宮一族と島外で会う事は、「6年ぶりに親族会議で再会した」という基本設定とムジュンしてしまう。

しかも、譲治の「たまにはお茶でも」という発言。
つまり、この時点で彼らは久しぶりの再会でなく、既に交流を交わしている事になる。
せめて、この話が事件直前、1986年夏頃なら辻褄が合う。
が、「勤労感謝の日」(=11月下旬)という題が邪魔をする。
彼らは事件より1年以上前から交流していた計算になってしまう。

「実は戦人は先んじて、右代宮一族と交流していた」と見なせば成立するが、そうすると紗代が三重ペルソナに悩んでいるという前提が崩れかねない。
どんなに口止めしても「紗代←→戦人」間へ情報は漏れるだろうし、口止めする理由がない。
紗代としては、戦人の方が島に来ないとダメなのか。
「銀座の老舗文具店で買ってきた」とベアトが言ってる以上、紗代も島外へは出てるだろうに。

※幻想を剥いで「魔法=創作」と規定※
マリアージュ・ソルシエールにおける活動の一環。
六軒島での真里亞のプレゼント報告を基に、ワルギリア(を演じる熊沢)が戦人を含めた物語として創作、その途中からベアト(を演じる紗代)が改変した。
……という物語を十八&幾子が創作した。

以下、余談。
楼座が付き合ってる男性・アキヒトは『ひぐらしのなく頃に』の『罪滅し編』に同名の者が登場している。
楼座の言う「胸にリボンのあるフロントスリットの白ワンピ」は、明らかに竜宮レナの私服のアレだ。

それでは。また次回。

『うみねこのなく頃に咲』プレイ記録。(その59)

2022-06-14 | うみねこのなく頃に
翼6.『Memois of the ΛΔ』
初出:2008年9月(EP3と4の間)(PC版『翼』に収録)

『Letter of Bernkastel』の続編と考えられる。
本来の位置はリストの2番目だろう。

ラムダデルタによって述べられる、二人のニンゲンについて。

一人目の、見こんだ少女の声は、明らかに鷹野。
絵羽とは違う声音に、プロの技量を思い知らされる。

二人目にはボイス無し。
だが、ベアトの基となった人物である以上、EP7で答えは出る。
碑文暗号を解き、当主権限を得た紗代である。



翼7.『ある料理人の雑記』
初出:2008年11月(EP3と4の間)(PC版『翼』に収録)

郷田が右代宮家の料理人になるまでの経緯と、彼が体験した怪異。

よりによって嘉音(=紗代)相手にベアトを否定したのが、郷田の運の尽きである。
台所の事件については、順当に考えれば、紗代に命じられた源次が仕込んだはず。
金蔵が外出したというのも、郷田は直に目撃できていないだろう。

それでは。また次回。

『うみねこのなく頃に咲』プレイ記録。(その58)

2022-05-31 | うみねこのなく頃に
翼4.『朱志香の母の日プレゼント』
初出:2010年5月(EP6と7の間)(PC版『翼』に収録)

朱志香が金蔵の蔵書からゼパル&フルフルを召喚するというトンデモ前提。
朱志香の得たマジックアイテムが本当に魔力を発揮している、と明確に描写されているため、私としては混乱の極み。
なお、朱志香の友達のサクに立ち絵あり。



翼5.『朱志香と恋のおまじない』
初出:2010年6月(EP6と7の間)(PC版『翼』に収録)

『母の日』の続編。
月1間隔で悪魔を召喚してる朱志香は、私には違和感の塊。

一つめ、二つめの「おまじない」は、常識的な内容に感じたため、受け入れやすかった。
食べ物を使って秘密を共有すれば、それは既に仲直りと同然。
スカート姿の10代女子が靴下を履き違えてたら、親しい仲なら目に留まる。
自分の好きな人を思い浮かべながら眠れば、夢に出てくる確率は上がる。
最後の三つめの「おまじない」は、どちらかと言うと非合理的。
ただ、コレは失敗して良かっただろう。
紗代の三重生活ををますます追いつめる結果になり、惨劇が早まりかねなかった。

それでは。また次回。

『うみねこのなく頃に咲』プレイ記録。(その57)

2022-05-18 | うみねこのなく頃に
翼3.『ゲームマスター戦人』
初出:2009年12月(EP6と同時)(PC版『翼』に収録)

EP6が創られる前とされる、楽屋オチ。
冬コミとか、ディスクとか、switch版を考慮してない表記も気になる。
十八の創作風景が投影されていると考えると、一段と恥ずかしい。

ただ、その試練を越えて読み下すと、なかなか強かなミスリードを仕込んでいると言える。
本来、源次・熊沢・南條の三人は、共犯枠が前提だから探偵側は元から不可能。
演技力ゼロの郷田は、その共犯枠にさえなれないから被害者役しか当てられないのだ。

なお、「全員に見せ場を」という事で他編を俯瞰すると、以下の人物はスポットの当たる場面があると思われる。(カッコ内は例示)

源次(EP7:ヤスに碑文暗号のヒントを授ける)
熊沢(EP7:ヤスに“魔法”を教えた)
郷田(『ある料理人の雑記』)
エヴァ(EP8:島を破壊する一方、縁寿を導く)
夏妃(紗代の最大の仇敵の一人)
蔵臼(EP4:山羊を殴って撃破)
朱志香(EP4:ロノウェと戦う)
霧江(EP7:裏お茶会)
留弗夫(EP4:ベルフェゴールと戦う)
絵羽(EP1:共犯枠)
秀吉(EP3:エヴァの犯行を止めようとした)
譲治(EP4:ガァプと戦う)
楼座(EP2:共犯枠)
真里亞(EP4:縁寿に“魔法”を教えた)
さくたろう(EP4:『さくたろう、煉獄山へ』)
七姉妹(『七姉妹のバレンタイン』)

最も割を食っているのは、南條だろう。
金蔵が日伊軍から逃げた時や、ヤスを“家具”にした時など、活動は基本的に裏方。
金蔵生存のミスリード役としても、源次や熊沢と重複しているのが残念である。

それでは。また次回。

『うみねこのなく頃に咲』プレイ記録。(その56)

2022-05-11 | うみねこのなく頃に
翼1.『Letter of Bernkastel』
初出:2008年8月(EP3と同時)(PC版『翼』に収録)

『ひぐらしのなく頃に』で用いられた「ルールXYZ」を、ベアトの「ゲーム盤」にも当てはめようとする、ベルンカステルによる考察。

文中の「友人」はフェザリーヌを指していると考えるべきか。
竜騎士07氏が執筆した時点では、梨花&羽入のような対等な関係に描く予定だったのかもしれない。

因みに『ひぐらし』の「ルール」は以下のような形で提示されている。
X:症候群による惨劇(ランダムで犯人が事件を起こす)
Y:終末作戦(雛見沢大災害)
Z:村八分の風土(“オヤシロ様の祟り”信仰)

『うみねこ』の「ルール」は、以下のようになるだろうか。
X:買収された者たちによる殺人(共犯者たちによる狂言トリック)
Y:時限爆弾(六軒島爆破事故)
Z:幻想描写(探偵以外の語り手は虚偽を述べる事が出来る)



翼2.『魔女たちの七夕は甘くない』
初出:2009年6月(EP4と5の間)(PC版『翼』に収録)

真里亞の夢に現れたベアトが「楼座を家にいさせる(=会社を潰す)魔法は簡単」と述べる。
→現実の紗代が、楼座に(金蔵として)資金援助をしていた?

縁寿の家族を「絵羽が実際奪った」とベルンが発言→後の展開の示唆

『うみねこのなく頃に咲』プレイ記録。(その55)

2022-05-05 | うみねこのなく頃に
switch版を手に入れてから約1年。
毎日少しずつ読み進め、EP8まで辿り着いた。
これでやっと肩の荷が降りて安堵する、あるいはネタが切れて焦る、と述べたいところだが、そうはいかない。

というのは、ここから再び拷問の時間が始まるからだ。
EP8まで読了して、はじめて番外編群、まずは『翼』が発動する。
念のため説明すれば、これらは本編の合間(と完結後)に発表された作品をまとめた物。
ボイス付きは、今回の家庭用ゲーム機版が初出となる。

つまり、本来は基本的に、本編と並行して読んでいく代物なのだ。
個人的には、全ての出来事が一応大団円で終わった後に、コーネリアの就職やら、縁寿のコミケやら、制作側の楽屋ネタやらを音声付きで読むのはかなり辛い。
せめて、どのEPの間に発表された作品なのか明記してほしかった。

というわけで。
次回以降は、そういった原作(PC版)の初出時期などについても言及しつつ感想を述べていく予定。
もうひと頑張りです。

それでは。また次回。