新谷先生講演会の記事に関連して、minminさんから質問をいただきました。
■ 質問
酵素を摂るには生で、という見解は他の方も謳っておりますが、いつも疑問に思うのです。
確かに生だと酵素丸ごと摂れるイメージですが、実際には酵素も消化分解されてアミノ酸になり、あらためて体内で作られる酵素の材料になると思うのですが、どうでしょう。
それなら煮炊きして体内に入れるのとあまり違わないのでは・・・
もちろん加熱して失われる成分は不足するでしょうが・・・
■ 答
勉強を兼ねて調べてみましたので、ちょっと長くなりますが私の理解を書きます。
酵素は免疫・消化・排毒などの体内の作業を(自分では変化せずに)助けるもので、それなしでは我々は生きられない、とても大切なものです。酵素は以下のように分類されるようです。
(1) 潜在酵素(体内酵素)
食物から体内で生成される酵素。ただし生まれた時から体内に存在するものもあると言われている
潜在酵素を働きで分類すると、以下の2つがある
- 消化酵素: 食物の消化を助ける
- 代謝酵素: 栄養物を細胞に届ける、排毒、修復、免疫など
(2) 食物酵素(食品酵素)
食物に含まれ、その食物が消化・吸収される時に直接利用される酵素
食物酵素は生きている食品全てに含まれ、肉にも魚にも野菜にも米にもあります。48℃以上に熱すると多くの食物酵素が分解されて働きがなくなると言われていますが、味噌や醤油の中の酵素はその限りではないという報告もあるそうです。
さて、上記分類によると、食べ物から酵素を利用するには
(a) 食べ物に含まれる食物酵素(2)を直接利用する
(b) 食べ物を消化した上でそこから潜在酵素(1)を生成して利用する
の2ルートがあることになります。そこで御質問に戻ると、「食物酵素が熱で分解されて(a)の利用ができなくても(b)で利用できるのではないか」ということですよね。それはそうなのですが、野菜には野菜を消化する食物酵素、魚には魚を消化する食物酵素が入っており、それをそのまま(a)のルートで使うのが最も効率的なのです。(b)で使うと消化・吸収して酵素を生成する負担がかかる上に、そのものズバリを消化する酵素ができるとは限らないので効率が悪いのではないでしょうか。
このことから、熱で分解されていない食物酵素を摂るために生野菜や果物を食べましょうと言われるわけですが、酵素の働きとは別の話として、生野菜や果物(強い陰性)を食べると内臓が冷えたり代謝が落ちたりして体に不調をきたすことがあります。そこでマクロビオティックでは、生野菜や果物よりも体を冷やさずに酵素を摂ることのできる発酵食品(味噌、醤油、漬物、納豆など)を勧めているわけです。食品を選ぶ際はそのあたりにも注意する必要があります。
■ 質問
酵素を摂るには生で、という見解は他の方も謳っておりますが、いつも疑問に思うのです。
確かに生だと酵素丸ごと摂れるイメージですが、実際には酵素も消化分解されてアミノ酸になり、あらためて体内で作られる酵素の材料になると思うのですが、どうでしょう。
それなら煮炊きして体内に入れるのとあまり違わないのでは・・・
もちろん加熱して失われる成分は不足するでしょうが・・・
■ 答
勉強を兼ねて調べてみましたので、ちょっと長くなりますが私の理解を書きます。
酵素は免疫・消化・排毒などの体内の作業を(自分では変化せずに)助けるもので、それなしでは我々は生きられない、とても大切なものです。酵素は以下のように分類されるようです。
(1) 潜在酵素(体内酵素)
食物から体内で生成される酵素。ただし生まれた時から体内に存在するものもあると言われている
潜在酵素を働きで分類すると、以下の2つがある
- 消化酵素: 食物の消化を助ける
- 代謝酵素: 栄養物を細胞に届ける、排毒、修復、免疫など
(2) 食物酵素(食品酵素)
食物に含まれ、その食物が消化・吸収される時に直接利用される酵素
食物酵素は生きている食品全てに含まれ、肉にも魚にも野菜にも米にもあります。48℃以上に熱すると多くの食物酵素が分解されて働きがなくなると言われていますが、味噌や醤油の中の酵素はその限りではないという報告もあるそうです。
さて、上記分類によると、食べ物から酵素を利用するには
(a) 食べ物に含まれる食物酵素(2)を直接利用する
(b) 食べ物を消化した上でそこから潜在酵素(1)を生成して利用する
の2ルートがあることになります。そこで御質問に戻ると、「食物酵素が熱で分解されて(a)の利用ができなくても(b)で利用できるのではないか」ということですよね。それはそうなのですが、野菜には野菜を消化する食物酵素、魚には魚を消化する食物酵素が入っており、それをそのまま(a)のルートで使うのが最も効率的なのです。(b)で使うと消化・吸収して酵素を生成する負担がかかる上に、そのものズバリを消化する酵素ができるとは限らないので効率が悪いのではないでしょうか。
このことから、熱で分解されていない食物酵素を摂るために生野菜や果物を食べましょうと言われるわけですが、酵素の働きとは別の話として、生野菜や果物(強い陰性)を食べると内臓が冷えたり代謝が落ちたりして体に不調をきたすことがあります。そこでマクロビオティックでは、生野菜や果物よりも体を冷やさずに酵素を摂ることのできる発酵食品(味噌、醤油、漬物、納豆など)を勧めているわけです。食品を選ぶ際はそのあたりにも注意する必要があります。
ありがとうございます。
「酵素」の考え方については、様々な見解があるようなので興味がありました。rice-addictさんの説明、分かりやすかったです。極陰性の生野菜や果物を、
酵素の為に食べるかどうか、ここがマクロビオティックと他の健康法との相違点になるのですね。
私も「胃腸は語る」を読んでから、今まではあまり食べなかったけれど生野菜も食べなきゃいけないのかも、と思っていました。
でもよく考えるとぬか漬けなどは生野菜だし、無理してサラダを食べる必要はないですよね。
勉強になりました。
ところで、ブックマークを整理して、善右衛門さんのブログにもリンクを張らせていただきましたのでよろしくお願いします。
新谷先生のおられるアメリカの人は肉をたくさん食べる上に体質も陽性なので、少々生野菜や果物をたくさん食べても大丈夫なのかもしれません。
JAZZさんのブログにもリンクを張らせていただきました。よろしくお願いします。
確かに漬物は熱してない状態ですね。日本人が発明した発酵食品が優秀な酵素源だということを知ると、何か誇らしい気分になります。
私も食生活・体質改善の最中です。がんばりましょう!
これからもどうぞ宜しくお願い致します。
でも質問して良かったです。
長年の疑問が解けました。
食物酵素が消化するときに直接使われることは知りませんでした。
わかりやすい解説ありがとうございました。
さすがに「理科系」の方の話は理論的ですねえ。またよろしくお願いします。
ちなみに私は生野菜はとぎとき、葉ものと大根の千切りなどで摂ってますが、それも夏の期間だけにしています。
ダイエットなどのために生野菜をたくさん食べる人は多いですが、どういう影響があるのかもっとよく考えないといけないんでしょうね。