理科系人間のマクロビオティックメモ

マクロビオティック・健康に関する考察と情報をつれづれなるままに。

胃痛とつきあう(5) 再発

2005-03-30 | 一病息災
~ 199X年 ~

十二指腸潰瘍をやった時から再発防止のために処方されていた薬、セルベックスガスモチンはずっと飲み続けていたのですが、さぼりさぼりでした。喉元過ぎれば... とはよく言ったもので、少し調子がよい時などはどうしても薬を飲むのがおろそかになります。

何年のことだったかもう忘れてしまいましたが、そうこうしているうちにまたかなり痛みだし、胃カメラで検査したところ潰瘍が再発していると言われました。

十二指腸潰瘍や胃潰瘍は再発しやすい病気と言われています。なぜなのかを調べてみたのですが、結局潰瘍のできる人はその原因となるもの(ストレス, 食生活など)がなかなか排除されないからまたできやすいというだけのことのようです。あと、胃カメラで見てみると十二指腸壁に潰瘍の跡がくっきり残っており、なんとなくその部分がまた潰瘍になりやすいのではないかという気がしてきます。

仕事上のストレスにしても食生活にしても特に改善していませんでしたから、再発したのは順当というか不思議はないという感じがしました。1回目の時と同じくきつい薬を飲んで治しました。

最近は十二指腸潰瘍・胃潰瘍の発症や再発にからむものとしてピロリ菌と呼ばれる細菌が注目されています。私も後にピロリ菌の検査を受けることになるのでした。

胃痛とつきあう(4) 禁煙

2005-02-15 | 一病息災
~ 1995年初頭 ~

十二指腸潰瘍が治ってしばらく経ったころ、タバコを吸うと胃がキリキリ痛むようになりました。

酒はほとんど飲めないのですが、タバコは1日に12~13本のペースで吸っていました。銘柄はキャビン→キャスター→PMスーパーライトと変遷。ライト志向でした。

吸い始めたころから、体によくないからいつかはやめようとぼんやり考えていました。しかし御多分にもれずなかなかやめられず。一度友人と「1年間禁煙」の賭けをしてピタリとやめましたが、きっかり1年後に再開(友人も同じく1年間禁煙したので賭けは引分け)。その後は「結婚したらやめる」「30になったらやめる」などと言いながらどちらも実現せず。故・中島らも氏のエッセイや小説のファンだったせいで「人間はきれいなことばかりしているとパワーが衰える」という変な強迫観念があったのもやめられない原因(言い訳?)でした。

タバコの害というと肺の話になることが多いのですが、私の感覚では胃腸に対しても相当な影響があります。タバコの煙というのは瞬時に唾液に溶けて胃に入っていきますから。タバコで胃が痛むようになった時、これは潮時かなと思い、31歳の誕生日にやめることにしました。自分のニコチン中毒度というかタバコへの依存度が以前より増してきているように感じたのも動機の1つです。

やめてみると最初の2週間が特に厳しく、「こんなにつらいならやっぱり吸おうか」と思いましたが、徐々に楽になっていきました。それからはや10年になりますが、1本も吸っていません(タバコを吸っている夢は未だにたまに見ますが)。喫煙歴ちょうど10年で終わり。だいたい4万~5万本吸った勘定になります。そう考えるとすごい。

ちなみにその10年前の禁煙時、私にタバコをやめろといつも言っていた妻に禁煙したことを言うのはちょっと悔しいので、気づくのに任せてしばらく黙っていました。するといつまで経っても何も言いません。食後に必ず一服していたのをパッタリやめてるのに。2週間経って「実は...」と明かすと、「あ、そう?」とそっけない返事。女性はよく「髪を切っても気づいてくれない」とか言いますが(私は気づいてるつもりですが...)、こっちの禁煙という一大事の際にはこんなものなのです...。

インフルエンザの床に伏す(考察編)

2005-02-10 | 一病息災
今回寝込んだのは災難ではありましたが、学ぶべきこともありました。

・4日ぐらいずっと38度(時々39度以上)の熱が出ていた割には体や頭はつらくありませんでした。これはあくまで同じくらいの熱が出た過去の経験(いずれも風邪)との相対比較で、つらいことはつらいのですが、今回はインフルエンザでしたし、それに過去より年はとっているわけで、それを考えると普段の(ほぼ)玄米菜食の効果が出ているのかもしれません。つまり腸の中がすっきりしていて血も比較的きれいになっているから、病気を治す以外の余計なところに体がパワーをとられないと想定。うちは共働きのため、何か食べたりするにも平日の昼間は誰もいず、自分で動かないといけないので、体が少しでも楽なのは大きいことでした。おかげでインフルエンザなのに風邪だと思ってたわけですが。

・発病の原因としては睡眠不足と疲労が大きいと思いますが、寝込む2日前に飲み会で肉をだいぶ食べたのは響いているや否や? よくわかりません。

・葛練りにはお世話になりました。便通をよくするための意味もこめて主にフラクトオリゴ糖をまぜて甘くして食べていました。子供のころ時々親に作ってもらった(葛粉ではなく片栗粉に砂糖+熱湯でしたが)のを思い出しながら。胃腸が弱っているときに玄米は重いですが、葛練りなら負担をかけずに栄養がとれます。一応葛根湯と同じ原料なので、発汗・解熱作用のある成分も含まれています。白米のおかゆは胃腸にやさしそうに見えるのですが、あまり噛むことができないので消化の段階で結構負担がかかるようです。

・リンゴがうまかった。しょっちゅうむいて食べていました。熱のある時の食べ物としては定番ですね。

梅醤番茶はほとんどどんなときにでも役に立ちます。特に胃が痛いとき、体を温めたいとき。普段はあまり飲まないのですが、今回はお世話になりました。

・解熱の目的で第一大根湯を飲んでみました。効かなかったように見えたときもあり、医者からもらった解熱剤も使ってしまいました。別の日にはよく効いたように見えます。ちょうど熱の下がるタイミングにあたっていたということも考えられますが。

・体重はだいたい3kg減。回復したら戻るかなと思ってたんですが、今のところその気配はありません。減量が進みました。

・もっと早く医者に行っていたらインフルエンザの薬を処方されていたでしょう。それを服用していればもっと早く治ったかもしれませんが、はたしてどっちがよかったのか? 今回はあまり薬を使わなかったので、自然に治そうとするとどういうことになるのか知ることができたという点ではよかったと思います。

[葛練り(葛湯)の作り方]
(1) 本葛粉大さじ3(葛湯の場合は大さじ1)を200ccの水に入れ、自然塩小さじ2/5(葛湯の場合は小さじ1/10)を加えてまぜる。自然塩の代わりにオリゴ糖、ごま塩、醤油、味噌など、お好みで。
(2) 中火~強火にかけて菜箸でかきまぜる。しばらくするとドロドロに固まってくる。そうなってから1分ぐらいまぜ続け、全体が透明になったらでき上がり。

インフルエンザの床に伏す(後編)

2005-02-05 | 一病息災
前回の続きです。

2/2(水)
朝起きて近所の内科へ。外がこんなに寒くなっているとは知らなかった。
一通りの診察のあと、診断は「インフルエンザでしょう。そうだとしてももうインフルエンザ用の治療をする必要はないから、検査で確定させる必要はないでしょう」とのこと。「これなら強い抗体ができてるから、今年はもうかかりませんよ」とも言われた。普通の解熱剤と咳・痰を和らげる薬を処方される。
あとで調べたことを加味すると、最近はインフルエンザの検査キットというのがあるらしいが、それで陽性だとしても、インフルエンザ向けの治療は発症から48時間以内にやらなければならず、すでにそれを過ぎていてかつもうインフルエンザ自体はおさまってきているので対症薬を出すにとどめたということらしい。
この時点で熱は38度。家に帰ってまた寝る。相変わらず葛練り・果物・梅醤番茶・第一大根湯だけで過ごす。リンゴがうまい。
ここまで仕事場には「今日も休みます」と毎日連絡していたが、この日は観念して「今週いっぱい休みます」と連絡。ちょっとすぐには治りそうにないし、ウィルスが残ってるかもしれない。
医者でもらった薬はなるべく使わずにおこうと思って飲まずにいたが、夜になって熱が上がり、39度を越えた。第一大根湯400ccを飲んで布団に入っていたが下がらず、ちょっと危険かなと思ったので解熱剤を飲む。とたんに37.8度まで下がった。

2/3(木)
引き続きひたすら寝る。熱はずっと38度くらい。
この日は節分。夜、妻が太巻き(節分の日にその年の恵方[今年は西南西]を向いて無言で丸かじりするのが大阪周辺の風習だが最近は他の地方にも知られてきた模様。そもそも海苔業界が販促のために始めたという話もある)を買ってきた。この時少し調子がよかったので「えびサラダ巻のえびだけ除いて丸かじりしようかな?」と迷ったが、まだ胃の調子がよくないので断念。豆も食べず、節分なのに葛練り。
夜になるとまた熱が上がって39度を少し越えた。今度は解熱剤を飲まずに第一大根湯400ccを飲んで様子を見る。布団の中でおとなしくしていると38度まで下がってきた。そのまま寝る。

2/4(金)
朝起きて熱を測ると37度ぐらい。ここ4日ほどずっと38度以上あったから、かなり治ってきたということか。体も相当楽になった。朝食は葛練りに味噌を入れてみた。予想外にうまい。
久々に違うものを食べようかと思ったら無性にソバが食べたくなった。体調も戻ってきたので近所の蕎麦屋に行ってとろろ板そばを食す。
夕食は家族と一緒に、久しぶりに玄米と野菜いためを食べてみたが、予想に反して玄米はうまくない。まだ本調子ではないと実感。
ブログを更新し、久しぶりに風呂に入ってさっぱりして寝る。

というわけで、なんとか回復しました。いろいろ勉強になることはありましたが、好んでなるものではないですね(当たり前ですが)。みなさんもインフルエンザには気をつけましょう。

この経験で実感したり考えたりしたことを次回に少し書いてみたいと思います。

インフルエンザの床に伏す(前編)

2005-02-04 | 一病息災
更新間隔が空いてしまいました。それというのもインフルエンザにかかってしまい、1週間ずっと寝込んでいたのでした。厚生労働省からも今日、インフルエンザが流行シーズンに入ったという発表があったようです。その流行に少しだけ早く乗ってしまいました。

...と今は少し冷静に書けますが、きつい1週間でした。せっかくですのでこの間のことを赤裸々に(?)書いてみたいと思います。

1/30(日)
夕食のあと、ちょっと寒気と頭痛があるのでおかしいなと思ったが、まあ一晩寝ればなおるだろうと思い、暖かくして寝た。

1/31(月)
ところが朝にかけて、なおるどころか寒気と頭痛がどんどんひどくなっていく上に胃も痛い。おまけに足の芯がこれまでに経験したことのないくらい冷えてくる。こりゃいかん。予定していた出張をやめ、仕事を休んでひたすら寝ておくことにする。食欲はそれなりにあるが胃腸が弱っているので、おかゆ(白米)をちょっと食べたほかは葛練りだけにする。それと梅醤番茶を時々飲んで1日しのいだ。

2/1(火)
この日も暖かくしてひたすら寝る。症状は好転せず、咳もひどくなってきた。果物が食べたくなったので妻に頼んでリンゴ・バナナ・みかんを買ってきてもらって食べる。あとはやはり葛練り。
私には珍しくここのところ便秘気味で、病気の回復にはよくない(ちょっと前の飲み会で食べた肉も出てないし)と思い、便秘薬(漢方)を生まれて初めて飲んでみた。
夜に熱を測ってみると39度あったが、梅醤番茶を飲んで寝ていると汗が出て38度まで下がり、頭と体も楽になってきた。解熱の意味で第一大根湯を飲んで寝る。
便秘薬の効果はてきめんで、夜中にトイレに行くことに。作戦成功。

この時点ではまだ医者に行っていなかった(寒い中行くのはつらかったし、寝ていれば治ると思っていた)のですが、妻と仕事の上司からの強い勧めで、とにかく病名を確かめるために翌朝医者に行ってみることにしました。自分ではまだ風邪だと思っていました。

今日はまだ本調子ではない(というか微熱あり)ので、ここまでにしておきます。次回につづく。

胃痛とつきあう(3) 空腹時不快感

2005-01-13 | 一病息災
~ 1994年春 ~

十二指腸の潰瘍はなくなりましたが、この病気は再発することが多いので、その防止のために薬を飲み続けることを医者から勧められました。セルベックスガスモチンという、潰瘍のあとによく使われる薬です。もともと薬を飲むのは好きではなかったし、長期的に服用すると何か悪影響があるのではないかと心配だったのですが、「副作用は特にないから、再発のリスクを考えると飲んでおいた方がよい」という医者の話で、継続して飲むことにしました(さぼりさぼりでしたが...)。

潰瘍がなくなっても症状が完全におさまったわけではなく、調子の悪い時はよく痛みました。それより厄介なのは、空腹になると起こる胃周辺の不快感です。キリキリ痛むわけではなく、胸やけや胃もたれとも多分違うのですが、何ともいえないいやな感覚があるのです。どうも胃酸が胃の粘膜を刺激するのが原因のようです。水やお茶を飲んでもダメで、何か食べないとおさまりません。

これがあると間食が増えるし、早く空腹にならないように三度の食事も無意識のうちにたくさん食べるようになるので、本来休めなければならない胃からの信号が原因で胃に負担をかけるというジレンマに陥っているわけです。また当然太りやすくなります。

とりあえず食べる量を減らすとか、よく噛むとか、刺激物を避けるとかいうように、食生活を改善する必要があることはわかっていましたが、なかなか実践できず。またこの時はタバコも吸っていました。

[参考ページ]
胃から発信されるシグナル

胃痛とつきあう(2) 十二指腸潰瘍

2004-12-21 | 一病息災
~ 1994年春 ~

医者に行くと、問診と腹部触診の結果「胃潰瘍か十二指腸潰瘍の疑いあり」とのことで、別の日に内視鏡検査(胃カメラ)を行うことになりました。

その後何度もやることになる胃カメラの初体験がこの時でした。胃壁を見るために胃に空気を入れて膨らまされたり(ゲップはがまん)、胃の奥の十二指腸までカメラを突っ込まれたりしますが、私はそれほど苦痛ではなく、モニターに映る自分の内臓の中を興味津々で見ていました。しかし他の人に聞くと苦手な人が多いようです。「暴れて数人ががりでとりおさえられたあとは何も覚えてない」という人、「耐えられないのでずっと胃カメラ検査を拒否し続けている」という人もいます。

撮られた写真を見てみると、胃壁はツルッとしていてきれいだったのですが、十二指腸に白いところがポツポツと。「多発性の十二指腸潰瘍」という診断でした。「あちゃー、きたか」というのが正直な感想でした。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍はどちらも、食べ物を消化する胃酸と内臓の壁を守る粘液の分泌バランスが崩れて胃酸が胃壁や十二指腸壁を侵食してしまうために起こりますが、十二指腸の壁は薄いので穴が空いてしまうこともあり、注意が必要です。十二指腸潰瘍はストレスが原因であることが多く、胃潰瘍と違って若い人(20~30歳代)の割合が高いようです。私は30歳でしたし、おそらく仕事や新しい生活のストレスが主原因でしたから、典型的な十二指腸潰瘍パターンだったということになります。この「ストレスが主原因」というのがやっかいで、心療の側面からカウンセリングなどを行って十二指腸潰瘍を和らげるアプローチも行われているそうです。

潰瘍にはよく効く薬が近年開発されており、私の場合も入院や手術をすることなく、2~3週間の投薬のあと再び胃カメラを飲んだら潰瘍は治っていました。しかしすでにどこか歯車が狂ってしまっていたのか、そのあとも慢性的な胃周辺の痛みに悩まされることになるのです。

[参考ページ]
病気の知識 "胃/十二指腸潰瘍" (社会保険健康事業財団)
胃潰瘍・十二指腸潰瘍 (北里大学医療衛生学部)

胃痛とつきあう(1) 一病息災

2004-12-12 | 一病息災
一病息災: 無病で健康な人よりも、一つぐらい病気のある人の方が健康に気を配り、かえって長生きできるということ。[国語大辞典(新装版) 小学館]

至言です。私の場合、健康のために何かしようと思い立つのはいつも病気もしくはそれに近いことに直面した時でした。本当は無病息災であるべきなんでしょうけど、なかなかそうはいかないものです。

マクロビオティックをやってみようと思ったのも、長年かかえている胃痛とここ数年の体重増を解消したいと思ったからでした。体重の方はかなり減らすことに成功していて、これについては別に書きたいと思いますが、まずは胃痛について。

もともと胃は丈夫な方で、以前は痛くなるということはなく、また「胃がもたれる」という経験が全くありませんでした。今でも、夜にラーメンか何かを腹いっぱい食べてすぐ寝ても(まあそんなことはしませんが)朝起きると腹ぺこで即快食です。胃もたれというのは経験したことがないとどんなものか全く理解できないもので、人に聞いても

「胃がもたれるってどういう感じ?」
「どういう感じって... こう... 胃がまさにもたれてる! っていう感じ」
「???」

誰からもこんな答で、さっぱりわからなかったものです。

最初に痛みだしたのは、確か修士論文を書いていたころでしたから24歳の時です。胃の下あたりが局所的にかなり痛かったのですが、医者に行くのは面倒だったし薬を飲むのは好きじゃなかったので放置していたら、いつの間にかおさまりました。

次に本格的に痛くなったのは結婚直後の30歳の時。今からちょうど10年前です。結婚してストレスがたまったというと妻におこられそうですが、それまで実家でのんきに暮らしていたのでいろいろと大変なこともありました。前の時よりも強くキリキリと痛むので、今度は医者に行って診てもらうことにしたのでした。