ヒョウタンの巣箱 横径180mm.
アメリカでヒョウタンと言えば、小鳥の巣箱の代名詞です。どこの種苗会社でもひょうたんと言えば、Bird Nest Gourd(小鳥の巣用ヒョウタン)という品種が、一般的です。アメリカでは、白人がやって来る遥か以前から、先住民の人々が、ムラサキツバメ(イワツバメの仲間)という小鳥の巣箱として、ヒョウタンを利用してきました。アメリカ先住民の人々は、伝統的に小鳥を使って、畑の作物がカラスに荒らされるのを防いだり、ハエや蚊を駆除したり、家禽を守ってきました。
ムラサキツバメ ( パープル マーチン.Purple Martin. Progne subis.イワツバメの仲間 )は、繁殖期に、巣の周りに近づく鳥を追い払う習性があります。カラスや鷹などの大型の鳥でさえ寄せ付けません。アメリカ先住民の人々は、こうした習性を利用して、彼らの主食であるトウモロコシが、カラスに荒らされるのを防いだり、家禽のヒナなどが,猛禽類に襲われるのを防いできました。
また、ムラサキツバメの親鳥は、ヒナの旺盛な食欲を満たすために、甲虫類、ハエや蚊、蝶や蛾、トンボなどの飛翔する虫を空中だけで獲り、地上では餌を獲りません。アメリカ先住民の人々は、こうした習性を上手に利用して、ムラサキイワツバメと仲良く暮らしてきました。人間の方も、蛇や小動物からムラサキツバメを守り、彼らが住みやすい環境を作ってきたといわれています。ムラサキツバメは、元々は、山奥の岩壁や洞窟に巣を作っていましたが、こうした人と鳥の良好な関係から、人間が作った巣箱で繁殖する習性を、現在でも持ち続けています。
春に、南米からアメリカ~カナダにやって渡って来る25万羽ともいわれるムラサキイワツバメ。現在でも、アメリカの人々は、いろいろな巣箱を設けて、彼らを大切にしているそうです。アメリカ東部の紫ツバメの殆どは、人間が作った巣箱で繁殖していると言われています。アメリカの野鳥愛好家の数は、数千万人と言われ、多くの人々がムラサキツバメに、巣箱を提供しているのだそうです。アメリカで愛鳥家が多い理由は、手軽に作れるヒョウタンの巣箱が一般的なためともいわれています。
さて、日本のイワツバメも以前は、山奥の岩壁や洞窟などに巣を作り、街中では稀な存在でした。しかし、最近は人間のそばで巣作りをするものが増え、橋や鉄橋のほか、駅舎や学校、高層ビルの壁面に巣をかける例が増えているそうです。つい最近では、箱根のホテルの壁に巣をかけたイワツバメの巣が、ヒナごと撤去され、捨てられてしまったという、痛ましい事件もありました。うまく小鳥達を誘導してやれば、共生の出来る道もあるのではないでしょうか。人と自然が助け合う社会が、日本でも実現すると素晴らしいですね。
< *上掲の写真は、食用のヒョウタン=ユウガオで作った巣箱。竹を斜めに切って、雨よけを取り付けました。Carroll Neidhartさん. American Gourd Societyを参考に作りました。腐敗防止の自然素材の皮膜塗装を施そうと思っています。
・訂正;専門家のご指摘により、「ムラサキイワツバメ」を「ムラサキツバメ」(イワツバメの仲間)と表記し直しました。訂正してお詫び申し上げます。
-参考HP-
・アメリカの種屋さん Botancal Interest, Inc.
・アメリカ ムラサキツバメ保護協会 HP
James R. Hill, III. the founder and Executive Director.
・Carroll Neidhart. American Gourd Society
ヒョウタン巣箱の作り方 百年来、代々、巣箱を作っている方のノウハウ。
・マーチンハウスいろいろ ムラサキイワツバメ保護協会
・マーチンハウス12室 ・マーチンハウス16室 Amazon.com
・ムラサキツバメ用巣箱の作り方
USGS アメリカ地質調査所. 何とくだけた役所ではありませんか!
・ Alan Murphy Avian Photography. 鳥類の写真家 ムラサキツバメ
-拙ブログ-
「 作ってみました. 食用瓢箪=夕顔の巣箱 」
「 プレィリードッグと共生する鳥 ヤマアジサシ」
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そちらの畑、素晴らしい環境ですね。いろいろ試されてみてください。日本のハクセキレイ、イワツバメ、カモメの類などもカラスを追い払うそうです。
アメリカでは、蚊が媒介するナイルウイルス対策にも、小鳥を大切にしようという機運が高まっているそうですよ。
ズシ-ンズシ-ンと、超すごい迫力ですよね。かなり遠くにまで木霊し、谷や峡谷に反響して、獣を威嚇してるんですね!そちらでも、猿やイノシシに困っている所へ、導入してみてください。
初めてアクセスしましたが、なかなか読みごたえのあるブログですね!
アメリカ先住民の知恵には感心しました。ひとつは、自然をよく観察し、自然を利用している、という意味で、またひとつは、自然のバランスをとるためには人為によるのではなく自然の力によるべきだ、と心得ている、という意味で。
我が家の畑の片隅には柿の木などに混じって雑木(大きいものは山桜とうわみずざくら)が生えています。種は鳥が運んできたものです。実を食べに鳥たちがやってきますが、巣箱を懸けてやれば住み着く鳥もいるのではないか、と思ったりします。すると楽しいし、そのうえ畑の虫たちを適当に間引いてくれれば、一挙両得です。ヒョウタンを巣箱にする、というのは初耳です。チャレンジしてみたいですね。
巣箱は、詳しい方に相談下さい。穴は上部が良いそうです。中で鳥が方向転換できれば十分だそうです。1.6リットル以上もあれば充分らしいです。穴の大きさも研究して下さいね。
写真の巣箱を見て始めは何かの工芸品かと思いました。今年はひょうたんを作ってみようと思いました。自然同好会のメンバーに教えてやります。ありがとうございました。
施設の皆さん、昨年から負担が大きくなったと聞きます。たいへんですね。政治家は何を考えているのでしょう。
穴開けは、殻が乾いてしまうと、コンパスでは無理です。ホールソー(穴用のこ歯)でお願いします。こちらこそ、よろしく。
があること・・これからもよろしくお願いいたします。
ムラサキイワツバメはアメリカでは、ブルーバードとも呼ばれ、たいへん愛されているとの事です。愛鳥家が多い理由は、ヒョウタンの巣箱が一般的で、簡単に沢山作れて、毎年交換でき、営巣率も高いためとのことです。
>日本で紫色の鳥って居るんでしょうか?思いつきません。
部分的に、金属光沢の黒味を帯びた紫色の羽を持った日本鶏は見たことがあります。実に見事な色彩でした。最近、街に行くと、鳥ではありませんが、頭の紫色をした人々を見かけ、色トリドリです(^^;ブルーバードも、たくさん走っていますね。
ムラサキイワツバメ、はじめて知りました!
日本で紫色の鳥って居るんでしょうか?思いつきません。
とても新鮮な感じです。美しいですね~♪
しかも人間との共生が成り立ってるなんて・・・自然愛好家が多くなくては出来ないことだと思うんです。
とても羨ましい。
そしてものすごく考えさせられる事だと思っています。
他の記事もじっくり読ませていただきます!
またお邪魔させてください♪
個別サイトの紹介、リンクについては、批判記事を書くのでなければ問題はないと思いますが、芸術家の作品とその画像は、直接、本人への照会が欠かせないと思います。
また、写真共有サイト「Flieckr」、および「Flickr」yahooですが、はっきり言って、盗品盗作の山ですね。こうしたところからの画像の無断使用は、盗賊行為と言われても仕方ありません。
特に、「Flieckr」は開くと、ポップアップウインドウが、多数立ち上がり、スパイウエアが仕込まれている場合があり、かなり危険ですね!
Uー3 様
著作権認識については、かなり甘かったようですね。大いに反省し、著作権に該当しそうなものは以前のものも含め、個別に許可を得るように努めます。 又、海外の個別サイトの紹介についても、日本同様、出来るだけ事前に承諾を得るよう心掛けていきます。
ご忠告有り難うございました。これからも宜しく。
お仕事お忙しい中、コメント頂きありがとうございます。ご自分の巣箱に小鳥が入った喜びが、こちらにも良く伝わってきました。私も嬉しくなって、テンプレートを替えてみました(^^)。野鳥の会の巣箱は簡素で、良いと思います。なるべく自然に近い方がいいですね。
私のヒョウタンは、容積が3リットル
~6リットル以上ありますので、大丈夫だと思います。「柿渋」か「亜麻油」などで防腐、耐水塗装をして取り付けたいと思います。
テンプレートなどは、gooさんが次々に作ってくれますので、いじらない方が良いと思います。かわいい目白君にもよろしく。