炎と水の物語 2013 Apprehensio ad Ignis et Aquarius.

広大な宇宙を旅する地球。私たちは今、どの辺にいるのでしょう. 

・ プレィリードッグと共生する鳥 ヤマアジサシ 

2005-09-20 | エコロジー
 草食動物のプレィリードッグが、北米の大草原の生態系の要(かなめ)であった事は、以前にも書きました。そのプレィリードッグが、減る事によって、生態系にどのような影響があるのか、まず、プレィリードッグと共生する、鳥の例をみてみましょう。

 マウンテン プラヴァー(山アジサシ)は、「プレィリードッグの町」の中に、好んで巣を作る渡り鳥として知られてきました。かつては、数百万羽の群れで、プレィリードッグの住む大草原に渡ってきたこの鳥は、アメリカの固有種で、草たけが短い所でないと巣を作れません。

 山アジサシが、プレィリードッグのコロニーに巣を作る理由は、彼らこそが、山アジサシの好む、刈り込まれた草原を作ってくれる事、餌となる甲虫、バッタやコオロギが、他の場所よりも格段に多い事、それにプレィリードッグが外敵の接近を、鳴き声で知らせてくれる事等と、考えられています。

 プレィリードッグにとっての利点は、大型の草食動物が接近してきた時に、山アジサシが、顔にまとわり付いて追い払ってくれます。また、蛇や狐が接近すると、親鳥が、羽を怪我したふりをして、巣から遠い所へ誘導してくれること、さらに草原の害虫を食べてくれる事等と、考えられています。

 山アジサシは、毎年4月頃、大草原にやって来て、巣作りをし、6個ほどの卵を産み、一ヶ月で孵化させます。雛は数日のうちに巣から出て、自分で餌を捕り、一ヶ月で飛べるようになり、夏の終わりには、越冬地へと去って行きます。
孵化後の生育は、著しく速いのですが、卵や雛の多くは、蛇や猛禽類、その他の肉食動物に食べられてしまいます。

 さて、プレィリードッグが激減している現在、このコンパニオンバードの数は、どのように変化しているのでしょうか。
プレィリードッグが、かつての40億頭から、百分の一以下に、減少したと見積もられているのに対し、山アジサシは、数百万羽から、1993年現在で、わずか一万羽に減少したと見積もられています。( 減少率は、プレィリードッグとほぼ同じか、やや激しいように見えますが、大陸的大雑把な数字です。)
プレィリードッグが、特に激減してしまったユタ州では、研究者が車で何日も探し回っても、山アジサシを見つける事は、難しくなっているそうです。 NATIONAL WILDLIFE Dec/Jan 2004,vol.42 no.1

 かつて大量にいたプレイリードッグは、農業の邪魔もの として、薬殺され、山アジサシは、食料として、時には燃料として用いられ、激減の憂き目に遭いました。


草原の開拓者 プレィリードッグ 2  ・ 肉食動物の変化 フェレットの運命

-ご参考-
山アジサシ U.S Fish and Wildlife Service HP.
ヤマアジサシの故郷   Macduff Everton.com.
付録 (鳥を愛する方へ)

☆ 拙ブログ
・ うちのニワトリ
・ 地震に敏感な プレィリードッグ
・ 草原の開拓者 プレィリードッグ 1
・ 人と共生する鳥 ムラサキイワツバメ Purple Martin



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4 コメント

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遅くなりました (ぴろ)
2005-09-28 23:38:58
しばらくブログ止めてたため今頃コメントに気づきました<(_ _)> 今更ですけどう家の五匹は特に変化無かったですね、三匹は四階建てのケージに住んでますが四階の地上部で出ることも無く寝ていたようです。長くは揺れましたが体感的には震度2位だったせいも有ると思います。
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ぴろさん ありがとうございます。 (U-1)
2005-09-28 23:59:31
ぴろさん、ようこそ。お仕事お忙しそうですね。

震源に近かったプレが、反応していたようです。



地震学者は、OO(オーオー)ライン説といって、宮城県牡鹿半島沖で地震があると、男鹿半島の方にも、地震が起きるという説をとなえている人もいます。そちらにも遠からず、来るかも知れませんね。

何か、顕著な変化などありましたら、また、教えてくださ~い。コメント、感謝です。
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こんにちは~☆ (ビスコ)
2005-09-29 13:12:35
U-1さん、こんにちは!

ピピンの「おねえさん」(決して「ママ」でも「おかあさん」でもありません/笑)こと、ビスコです。

プレーリーの記事、楽しみにしていました。

今回の写真の中での、あの大量虐殺のものは、なんともサクソン人らしい写真ですね。

悲しいとかいう気持ちより、「あぁやっぱり」という気持ちで見ました。



それから、プレの上向き写真!あれはアメリカの仔ですか?

うちでもああいうポーズしますよ。

でも、あのポーズの時は、ピピンの場合は何か「おねだり」する直前なので、動き回ってなかなか写真に撮ることが出来ませんー。



ところで、「外国産の牧草には疑問が」とおっしゃってたのはU-1さんでしたっけ?

よろしければ、その理由をお教えいただけないでしょうか。。。

U-1さんの掲示板でのご意見で、私も牧草に気を付けよう!って思うようになりました。

今まで食べさせていたのはアメリカかカナダからの輸入もので、業者さんに問い合わせると「無農薬・薫蒸」です、とのことなのですが、輸入時の殺虫剤は否定しませんでした。

ただ、「虫がわくことがあるので残留はしていないですよ」とのコメントでした。

あと、種まき~発芽までは農薬を使っているというアメリカ産もありました。



今は、国産の無農薬もの(○ーリー)を紹介していただいて、それを食べさせているのですが・・・高い~~~~!!!(笑)

床材として毎日250gは消費するので、同じ国産牧草でもウー○ーではないものを・・・と思ってはいるのですが、なかなか希望どおりのものってないものですね。



「農夫肺」怖いデスね!私はたぶん、もう牧草アレルギーになってます。(>_<)
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ピピンくんのおねえさんへ。 (YUITI)
2005-09-29 21:29:26
ピピンくんのおねえさん!コメントありがとう(^^)。。

写真は、カナダのサスカチュワン州かアルバータ州で撮ったものらしいです。ユーモラスな表情ですね。そういえば、なんかもの欲しそうな顔です^^。



開拓当時の写真、なんとも物凄いものがあります。西部劇の時代そのものですから、無法な時代だったのでしょう。

今では、野生動物を保護する活動も盛んで、プレの保護団体もいくつかあり、活躍しています。

私も、北米旅行をした事がありますが、雨の日など、乗っていきなさいと、車がよく止まってくれました。寛大で親切な善人が日本より、多いのもまた事実です。



外国産のペット用牧草は、輸送の過程に問題があろうと思います。何せ、アメリカの内陸部で刈り取った牧草を、太平洋側の港まで運び、いったん倉庫に入って、船に積み替え、2-3週間かかって、日本に来て(貨物船関係での台湾、韓国経由の場合も少なくないです)また倉庫に入って、次に会社の倉庫に入って、出荷されて問屋の倉庫に入り、それから店頭に並び・・・と、ビスコさんの手元に届くまで、かなりの時間を要します。



問題は、干草の貯蔵には、涼しくて通気性と吸湿性のある、木造の納屋が望ましいのですが、流通の過程では、密閉された状態です。こうなると、よからぬ菌類が増殖がちです( ̄(エ) ̄;,



流通の過程で、カビの増殖したパックを、湿気の多い日本で、開封すると、たちまち室内に菌が蔓延します。

風邪のような状態で、咳が長く止まらなかったり、黄緑色の鼻汁が出たりする場合もあります。



北海道の牧場を見学に行った時、外国産の牧草を与えていました。牧草の固まりの内部は、白くカビていて、牧場の人は皆、「咳が抜けない」と言っていました。

牛も咳をしていて、子牛は、ばたばた死んでゆきました。(特にブラウンスイスという、チーズ用の乳牛が弱かったです。)



生の草を食べさせるのが一番よいと思うのですが、笹、すすき、メヒシバ、ヒエ、マルバ萩、葛などは、千葉でも、ちょっと田舎に行けば、山や川のそばに、たくさん生えていることと思います。いい場所を見つけて、刈らせてもらって、ベランダなどに広げて、干草にしてはいかがでしょう。

ピピン君、日本の牧草も、きっと喜んで食べてくれる事でしょう(^-^)。



それから、掲示板にありましたビスコさん達の地震前の様子の所を、このブログ「地震に敏感なプレ」コメント欄で紹介させて頂きました。どうか、あしからずご了承くださいませ。m(_ _)m ぺっこり



田舎の原野などを借りて、牧草の種をまく手もあります。草を育てるのも楽しいものですよ。丈夫で、手もかかりません。お姉さんなのですから、一つがんばってください。。

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