@telier OWLのブログ(アトリエ アウルのぶろぐ)

くつと修理とその周辺…日々の記録です。

紳士靴のヒールカット

2021-11-16 11:02:56 | くつ修理
■ヒールカット=ヒールの高い靴は足が疲れます。ヒールが高くて履きづらい靴を少しでも低くして履きやすくする修理です。
カカトゴムを取り外し、ヒールを削り、新しいカカトを取り付けます。
カカト交換とセットになります。
どのくらい低くできるかは靴によります。あまり低くし過ぎるとつま先が上がってかえって履きづらくなってしまいます。だいたい1.0~1.5㎝がカットできる限度です。靴によっては0.5㎝も切れないものもあります。たとえわずかでも足はかなり楽になると思います。
靴は木型の段階から高さが決められています。本来の設定を変えてしまうことはあまりおすすめできることではないのかもしれませんが、履くのがつらい靴が少しでも楽に履けるように最小限のリペアをします。
削っては平面に置いて何度もつま先や接地面を確認しながら作業しています。


以前すべり革の修理を依頼して頂いたお客様の蛇革の紳士靴ですが、ヒールが高くて結局その後もあまり履かれていないということでした。高さは5㎝強。確かに紳士靴では高めのほうだと思います。削れるだけ削ってほしいというご依頼を頂きました。

加工前



片足削りました。
2㎝弱カット…かなり低くなっています。




両足同じ高さに削り新しいカカトをつけました。これで完成です。






紳士靴は面積が大きいので2㎝カットできましたが、削り過ぎてはだめなので、慎重な作業です。