@telier OWLのブログ(アトリエ アウルのぶろぐ)

くつと修理とその周辺…日々の記録です。

合成皮革はとにかく扱いにくい

2017-03-27 13:27:48 | 過去のブログ2021年10月まで
合皮の内張りが劣化でネトネトになったバッグの内張り交換です。

なかなか変わった形状のバッグです。
内袋の構造も
定番の型よりは複雑に思えます。

まずは古い内張りを取り外すために
糸を切っていきますが、よく絞まってる上に合皮のネトネトでより一層ほどきにくいです。手が真っ黒になります。爪の間にも合皮のクズが詰まります。ハサミやリッパーにも付着して5ミリくらいの厚みになって切れ味を落とします(悲)。
おまけにリッパーが滑って手を突き刺す…
(とても痛いです)。
作業中床にもネトネトクズがどんどん落ちます。踏んで歩くことになり、作業場以外の床にも黒い点々がこびりついています。

「……(ため息)」
いいことなんもないです、合皮。

取り外した内袋をさらに解体し
可能なら新しい内袋を作るための型紙にしますが、古くなっ素材は伸びたり縮んだり破れたりネトネトだったりしてますんで
実際に作る寸法は綿密な計算
又は経験上の勘です。




↓修理後


内張り専用の生地or本革を使用しますので
劣化してネトネトになる心配はありません。

作業を終えたのは朝の5時です。
終わった…寝れる…
10:00まで寝ました。

リーフマーケットと新しい名刺

2017-03-21 12:29:59 | 過去のブログ2021年10月まで

リーフマーケット、無事終了致しました。
圧倒的に準備不足です。
本当はミニチュアくつ以外に新作などもたくさん作りたかったのですが。
ポーチやペンケース類は『TO- MA 』小藤真優さんにお借りしました。こだわりの良いモノ作りをされているデザイナーさんです。


私は今年もミニくつオンリーになってしまいましたが今回はこれを。
ミニチュアくつ平面ストラップ。
ちなみに中国製八方ミシンで縫いました。
…かまってあげないと不機嫌になるので。





それからアトリエ・アウルとしての
名刺を新調しました。
赤い名刺にかわいいフクロウのイラストが斬新な贅沢なやつです。

依頼したのは
『イラストとデザイン ランプ』さんです。
こちらもすばらしいセンスで
私の拙い表現のイメージを遥かに上回る作品を作ってくださいました!

赤い名刺入れから赤い名刺を出すか、
黒い名刺入れから赤い名刺を出すかが
当面の私の悩みだったのです。

今受けているオーダーの名刺入れの試作(というか失敗したやつ)が赤なのでちょっと入れてみました。


近々、黒い名刺入れを作ろうと思います。

そういうわけで私が黒い名刺入れからこの赤い名刺を出したときは素っ気なく見えても(人見知りが激しいので)内心わりと得意気やったりします。

自分で作った旧名刺のイラストとはおさらばです。これを見て思うのは空っぽのガレージに機械と自分…。
いろいろな偶然がいろいろな人との出会いに繋がってとても楽しい日々でした。


ヒールの巻革の欠損

2017-03-06 23:44:47 | 過去のブログ2021年10月まで
婦人靴のヒールに多いのですが、プラスチックのヒールに革を巻いてあるタイプ。
知らない間に傷めたり、剥がれて無くなったり、犬に噛まれたりで
気づいたらベースの白いプラスチックがむき出しに。こういう場合きちんと直すならヒールを取り外して新しい革を巻いてまた取り付けて…やや大変で、料金もそれなりにかかります。

今回は部分補修なので欠けた部分のみです。カカトも交換しています。よく見ると継ぎ足したところがわかりますので、
修理跡が目立ちますが…と言って受けます。



修理前→修理後の順で

















↓継ぎ足し作業途中


↓磨いたあと




今回のように革が層になって一見積み上げカカトのように見えるものをスタック巻き革と言いまして、初めはザラザラなのですがツヤを出すために手ヤスリで延々と磨かなければなりません。普通にやれば1日は費やせる作業です。手は痛くなるし磨く熱で軽い火傷みたく指はヒリヒリもしだすし、うんざりすること必須です。

私はこれを納得いくまでピッカピカにするのが好きです…美味しそうに見えるまで。