@telier OWLのブログ(アトリエ アウルのぶろぐ)

くつと修理とその周辺…日々の記録です。

ペリーヌ物語

2017-11-23 23:43:38 | 過去のブログ2021年10月まで
先日声優の鶴ひろみさんが亡くなられましたね。朝のテレビのニュースで知りました。
「鮎川が!」と私がさけんだかどうかは置いておいて。
ニュースでは『アンパンマン』のどきんちゃん役や『ドラゴンボール』のブルマ役が代表作に挙げられていましたが、鶴ひろみといったら『きまぐれオレンジ・ロード』の鮎川まどか役じゃないか!と80年代に子供時代を過ごした私は思うのです。

そして『ペリーヌ物語』のペリーヌ役です。
昔、アニメで世界名作劇場シリーズというのがあったんです。子供の頃よく観てました。
たしか当時は日曜日の午後7:30~やってたので、このアニメやってると明日からまた学校だと憂鬱になる時間帯でした。
有名なのは『アルプスの少女ハイジ』『赤毛のアン』『トムソーヤの冒険』『フランダースの犬』『母をたずねて三千里』『あらいぐまラスカル』等で、これらは朝の時間や春夏冬休み毎の再放送で観ました。リアルタイムで記憶にあるのは『牧場の少女カトリ』『南の島のフローネ』『少公女セーラ』ぐらいまででしょうか。
このシリーズ、子供向けながらとても可哀想なお話ばかりであんまり好きではなかったのです。ハイジや赤毛のアンなんて、すぐチャンネル変えてました。しかし、大人になってから観るとなかなかグッとくるものがあります。というか号泣ものです。年をとったということかもしれませんが…しかし、そう、人生はハードでヘビーなのです。

『ペリーヌ物語』は大人になってから観ました。父母を亡くしたペリーヌがたった一人で旅をしてパリからフランスのマロクールのおじいさんのところへ行くというお話です。
時代背景はかなり昔で自動車はまだなくて、移動手段は馬車と、鉄道。
これまたハードな内容で不幸のオンパレードです。旅してる間はサバイバルであり、マロクールに着いてからは超サクセスストーリー(おじいさんの経営する織物工場で孫だと名乗ることなくトロッコ押しから社長秘書まで登り詰めおじいさんの愛と信頼をゲット)です。

『ペリーヌ物語』の原作 は、フランスの作家エクトル・マロ作の児童文学小説『家なき娘』です。しかし、アニメの前半中半まではほぼ原作にないオリジナルストーリーです。
そのオリジナルストーリーの中にパリの下町でペリーヌと同じ宿に住んでいた"靴直しのガストンさん"というおじさんが出てくるのです。がらくたの中から古い靴を選んでその靴を直して生計を立てています。
なんで20代後半だった当時の私がわざわざこれを観ようと思ったのかは覚えていませんが、
修理の仕事っていいかもとちょっと興味を持っていた私は"ガストンさん"が靴をトントンしている場面を見て
「そうだやっぱり靴修理やってみる!」と思ってしまったのでした。

私にとっては記念すべき背中押されちゃった作品です。古いけど面白いので是非観るべきだと思います。






婦人ショートブーツのオールソール

2017-11-12 21:18:05 | 過去のブログ2021年10月まで
紳士靴に比べると婦人靴のオールソール依頼は少ないです。

↓修理前

元のソールは劣化(加水分解)してネトネトです。





↓修理後







靴底の劣化はボロボロと崩れていくタイプや、ネトネトで溶けているようなタイプにわかれます。
ネトネトタイプは前にも書きましたが
手にも道具にも足下~床にも靴底を削る機械のペーパーにもネトネトがつきまわるので
とにかく大変です。



今回は古い靴底を剥がすのに
ペーパーをなるべくダメにしないために
マイナスドライバーで
こそげ落としていました。
(ヘラの方がいいかもしれません)

なんだろう。
その感覚が何かに似ています。
剥がすときの
ネターっというか
ヌターっていうか
ドライバーの先から手に伝わる感じが

ゼリー…
アイス…
餡子…

いや、羊羹(ちょっと糸ひく)でした。

ベルト、革部分の張り替え

2017-11-11 10:23:47 | 過去のブログ2021年10月まで
↓修理前

写真ではわかりにくいですが革の部分がかなり傷んでいます。
新しい革を貼って縫い直します。
ちょうど近い感じの色の革がありました。

↓修理後




いろんな資材
いろんな革
その都度探し回るのは大変です。
かといっていつ使うかわからない資材を
在庫として揃えるのも大変です。
特に革は安くはありません。
しかし、どんなものが来ようとも奥からゴソゴソ出してきたい…という願望があります。
そして何か資材を調達する度に
使う当てもないものまで買ってしまう私。
(今回の革も衝動買いしたやつでした)
出費も嵩むし場所もとるし
ドラえもんのポケットは是非欲しいのであります。

持ち手をカット

2017-11-04 02:30:15 | 過去のブログ2021年10月まで
長過ぎて使いづらいというヴィトンのバッグの持ち手をお好みの長さでカット。

↓修理前
だいぶ長めです。
お客様が好みの長さのところで
ヘアゴムで固定して頂いていました。
測ると、約27㎝カットするということで。


27㎝プラス折り返しの縫い代5㎝分も足してカットします。
間違ってないか何回も何回も何回も確認して
から切ります。



↓修理後