@telier OWLのブログ(アトリエ アウルのぶろぐ)

くつと修理とその周辺…日々の記録です。

革の変形を修正

2017-02-24 15:02:40 | 過去のブログ2021年10月まで
長期間他の物と一緒に洋服ダンスのなかにあったというバッグ。久々に出したら表面の革が変形してしまっていたということです。
わかりやす過ぎるほどの凹凸ができています。いちど変形した革の修正…これはちょっと難しいものです。

↓修理前

とりあえず患部である革の部分だけをどうにかしたいので糸をほどき、金具も外しての一部解体をしました。元はクッションだったらしい素材が劣化して粉々になって出てきました。

手術台、あるいは まな板 舞台
そのようなもの。

…緊張します。





修正を試みてからまた金具を取り付けて縫い閉じるという工程も残されています。




↓修理後


ずいぶんましになりました。

ありがとうございます。

靴修理の紹介:つま先の傷補修

2017-02-18 02:17:04 | 過去のブログ2021年10月まで

↓修理前
赤い靴、黒の靴ヒモ…かっこいいですね。
しかし、つま先にわりと深い傷が。



革の傷は消すことは出来ません。
色補修と靴磨き等で目立たなくするわけですが…黒とかはまた別として、まったく同じ色を作るのは難しいものです。薄い色合いや鮮やかな色になると難度は上がります。
色補修はとても緊張感のある作業です。
例えるなら綱渡りするのに似ています。

そしてこの赤…この赤はわりと難しい色、と思います。


↓修理後



補修箇所は、濃く仕上がります。



靴修理の紹介:CAMPERのブーツ、生ゴムオールソール

2017-02-18 02:04:35 | 過去のブログ2021年10月まで
靴の上の部分(アッパー)はきれいなのにウレタン靴底が劣化して履けない…靴底全部張り替える修理=オールソールです。

元通りまったく同じは無理ですけど
似た感じに仕上げていきます。

↓修理前





↓修理後






ちなみにサイドのステッチは…ダミーです。飾りです。

靴修理の紹介:紳士革靴、ソールの修理

2017-02-18 01:49:43 | 過去のブログ2021年10月まで
↓修理前
カカトが減りすぎていて
マッケイ製法のソールのステッチが切れかけていて
ソールに穴があきかけていて
つま先もすり減っている
革底の靴です













ハーフソールと新しいカカトをつける前に
減りすぎ部分と穴の補修。
↓継ぎ足す、埋める、削る



↓修理後










カバン修理の紹介:内張り交換

2017-02-08 05:03:25 | 過去のブログ2021年10月まで
ほどいた状態ですが
合成皮革の内張りがボロボロです。

ほぼ全解体であること(袋を作って縫うだけではない)、口の仕様がファスナー込みのパイピングであること、でこの修理の難易度は一気に上がりました。



内袋のパーツはこの3つ&長方形の底の芯です。


こうなります。


もう取り付けて縫うだけ、あと、ファスナーつける…と思っていたら
ここで大変な事がわかりました。
パイピング、取り外した革のテープをカバンの口にセットし直したら
…長さが足りない?!
しかも10㎝以上。

私「何でだ?」
八方ミシン「……」(無言)

あり得ないな…(実はよくある)
解体して元通り組み合わせると
何故か合わないのは鉄則となってきました。

元のパーツは
伸びたり縮んだりするので。
だから
ただ組み立て直すだけじゃなくて
"何か一捻り"が要るのです。

油断してるとこのように長時間カバンの前で固まる羽目になります。
今回の問題はサイドにつけられたギャザーです。わざと折り込んでしわ、つけてある。
しかし、折り込みながら革のテープ縫い付けるのは大変ですし、セッティング間違えると元の縫い穴が見えてしまいます。

私「私が迂闊だった」
八方ミシン「……」(無言)
カバン修理は時として全工程難解なパズル…大事な事だから二回言いたい。


そういうわけで四苦八苦しながらの完成です。






元通り以上の仕上がりを目指しています。