@telier OWLのブログ(アトリエ アウルのぶろぐ)

くつと修理とその周辺…日々の記録です。

自分の靴:カビとストレッチ

2017-10-27 10:17:01 | 過去のブログ2021年10月まで
ローテーションとまではいかないけれど3日以上続けて同じ靴は履かないようにしています。
定番で履いてる靴が3足。
先日ふと、靴作りのスクールで作って箱に入れてしまったっきりのエナメルの靴があったことを思い出し久々に出してみたら見事にカビていました。
掃除して専用のカビとり液処理をして乾燥。
これで大丈夫かなと思っていたのですが
しばらくすると革底のコバ周辺にまたカビが浮き出てきたので再度カビとり処理をしました。
しかしこの後3回くらい同じことを繰り返したのです。カビ菌恐るべし。

やはり履かないとダメだなあと思って
履いたのですが
1日履いて夕方には
足のつま先が痛くなってしまいました。
ずっと履いてないからなのか
足のサイズが変わったのか。

そういうわけで
今伸ばす機械(ストレッチャー)に
かけています。
インソールも作り直すかもしれません。


名刺入れの修理

2017-10-23 01:37:13 | 過去のブログ2021年10月まで
よく使い込まれたヴェルサーチの名刺入れ。
矢印のところを修理しました。
修理前の状態の写真はまた撮り忘れましたが
二つ折りの角のところが致命的に傷んでいました。
①コーナー傷みパイピング革あて+縫い、2ヶ所
②革欠損革あて、1ヶ所




革あてパイピングは定番の修理です。
縫いは手縫いです。
元の革の傷み具合にもよりますが
縫い目は荒くなります。
受けるときにもそう説明致します。
しかしどうやったらより強度を出しつつ
綺麗に仕上がるか
いつも葛藤です。
それがなかなか難しいのです。

買った方が早いのかもしれないけど
それでも直して使おうと
そういう感じが私は好きなのですが。
納得のいく出来で、直して良かったと
思って頂きたいものです。

ヴェルサーチのマークはギリシャ神話の怪物メデューサだそうです。頭髪が毒蛇で見た人は石になるというあれです。





スニーカーのオールソール

2017-10-10 01:45:11 | 過去のブログ2021年10月まで

CONVERSEやVANSなどでもおなじみのこういった形のスニーカーはバルカナイズ製法で作られています。バルカナイズ製法というのは日本語でいうと加硫釜製法というそうです。『ゴム底と靴本体を接着し硫黄を加えた釜で熱と圧力をかける製法』でキャンバス生地とゴムといった異なる素材も強力で型崩れのない接着が可能だそうです。サイドにはラバーテープを巻いて同様に圧着をかけてあり、それがこのタイプのスニーカー独自のフォルムを作り出しているということです。

↓バルカナイズ製法の靴の欠点はまさに修理前のこういう状態です。底が割れて抜かけています。これまではこの状態までくると修理不可ということでお断りすることが多かったですが、カップソール型の資材が見つかった(昔はなかったと思います)ので挑戦させていただくことにしました。





↓底をつける前の補修




↓カップソール型の資材ですが、
必ずしもフィットするサイズがあるわけではないのでそこは難しいです。
メーカーで作るときのように熱での圧着はできませんので接着剤のみの接着では不十分。
サイドを縫い付ける必要があるのでした。


↓修理後



初めての修理は緊張します。
似た修理はあっても
まったく同じ靴やカバンの修理はなくて
ずっと勉強が必要で
それが面白いのかもしれません。