まずピンが10本(右側2つ)と48本の2製品を開発した
京セラは液体水素タンク向けの電子部品事業に参入する。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発した部品のサンプル出荷を2024年度中にも始める。
貯蔵設備や運搬船など水素関連のインフラの整備が進むと見て、重工メーカーなどに売り込む。30年度に年間30億円規模の売り上げを目指す。
タンク内部にあるセンサーやポンプなどと電気回線をつなぐコネクターという電子部品の製造・販売を始める。
外部とのデータ送受信や電力のやり取りに使うもので、温度がマイナス253度という極低温で、10気圧ほどの高い圧力がかかるタンク内部でも安定稼働できる。
京セラとJAXAは3月にコネクターを共同開発したと発表した。24年度中にピンが10本のタイプと48本のタイプの2種類のコネクターのサンプル出荷を始め、事業を本格展開する。27年までに20種類ほどの電子部品を投入したい考えだ。
一般的なコネクターには樹脂と金属を使うが、温度変化による樹脂と金属の収縮でひび割れする可能性がある。
液体水素タンク向けではセラミック表面に金属の層をつくる京セラの加工技術を生かす。JAXAの設備でコネクターを検査し、液化水素タンクの気密性を一定期間保つことができる性能を世界で初めて実証した。
富士経済によると水素ガスやステーションなど関連機器を合わせた水素関連の市場規模は40年度に90兆円と21年度の3.5倍に拡大する見通しだ。
京セラはコネクターなどの電子部品では競合がないとみており、業界標準を握りたい考えだ。
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