アップルのパソコン出荷は20.8%増えた
【シリコンバレー=中藤玲】
米調査会社IDCは9日、2024年4〜6月の世界パソコン出荷台数(速報値)が前年同期比3%増の6490万台だったと発表した。
業務用パソコンの買い替えが進んで2四半期連続の増加となった。データ処理が高速で人工知能(AI)機能が使いやすくなる「AIパソコン」に市場回復の期待がかかる。
低迷する中国を除けば5%以上の増加だった。メーカー別では首位の中国レノボ・グループが前年同期比3.7%増の1470万台、2位の米HPは1.8%増、3位の米デル・テクノロジーズは2.4%減だった。
4位の米アップルは20.8%増と大きく伸びた。
今後の期待はAIパソコンだ。米マイクロソフトは5月にパソコンの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」向けの新しいAI機能「コパイロット+PC(プラスピーシー)」を発表した。
AIでの機能向上を「ウィンドウズ95」以来の革新だと位置づけ、レノボやHPなど大手各社も対応機種を投入する。
IDCは「AIは現時点で業務用が多い。24年内に予想されるアップルの新製品発表があれば、消費者向けも盛り上がる可能性がある」とみている。
パソコン市場は新型コロナウイルス禍の20〜21年は在宅勤務や巣ごもりの特需があったが、22年からは反動減が続いていた。24年1〜3月には約2年ぶりに回復し、コロナ前の水準となっている。
【関連記事】
日経記事2024.07.10より引用